「漫画村」に関する民事訴訟、17 億 3,664 万 2,277 円の損害賠償金の支払を命じる判決確定
こちらのnoteは、セキュリティ専門家松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を一部抜粋しご紹介します
今回の解説ニュース
著作権侵害などに対する訴訟について、判決が確定したということです。漫画村で発生した被害の概要と、不正コピーを防ぐ方法について説明します。
今回の訴訟は、ACCS会員の3社が、出版コンテンツの海賊版サイト「漫画村」の運営者に対し、「漫画村」により受けたと推計される損害の一部である総額19億2,960万2,532円の賠償を求め、東京地方裁判所に共同して提訴を行っていたものです。判決として、東京地方裁判所では17億3,664万2,277円の損害賠償金の支払を命じる判決を言い渡していましたが、控訴状却下命令で確定したということです。
漫画村で発生した被害の概要
漫画村による被害として、著作権侵害や売上減少、業界や読者への悪影響が挙げられています。
漫画村とは、出版社の許可を得ずに、多数の漫画を無断でアップロードし、誰でも無料で読めるようにしたWebサイトです。Webサイトに広告を掲載することで、漫画村の運営者は収益を得ることができていました。
まず、漫画村は、出版社の許可なく大量の漫画を無断で掲載しています。これは明らかな著作権侵害行為です。また、漫画村で無料で漫画が読めるようになったことで、正規のルートでの漫画の購入者が減少し、出版社の売上は大幅に減少しました。さらに、漫画村の利用が当たり前になると、読者は無料で漫画を読める海賊版サイトを利用する傾向が強まり、コンテンツに対する適切な対価を支払うという意識が薄れてしまうだけでなく、クリエイターのモチベーションの低下にもつながるような、悪影響が出る可能性が懸念されました。