真似される商品を作れ

私が勤めていたシャープには
「真似される商品を作れ」という
創業者の言葉が残っています。

若い時には気づきませんでしたが、
これもとても含蓄の深い言葉だと
思っています。

まず他社より一歩先んじていなければ
真似されることはありません。
独創性のない商品は駄目だという意味が
あります。

しかしさらに深い意味があります。
もうひとつは市場性がなければ真似も
されないという意味です。
独創性があるといっても、
市場性がなく唯我独尊の商品では
真似もされません。

また、一社だけでは大きな市場が
作れないという意味もあります。
複数の会社が参入して初めて
大きな市場が形成されます。

大型店舗が一店舗だけ出店しても
集客で弱い面がありますが、
大型店舗が複数出店すると競争は
激しくなるものの、集客に強みが
出てくるのと似ています。

エアコンの特許技術の提供を
パナソニックから依頼された
シャープの創業者が無償で
快く応じたという話が残っています。

社内では敵に塩を送るような美談として
伝えられていますが、私的には市場を
拡大するための、したたかな経営判断
だったのではないかと感じています。

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