ヒットメーカーの仕事術

編集者、黒川精一さんの仕事術がネットに出ていましたので、そのポイントをまとめてみました。

黒川さんは本のヒットメーカーですが、すべての企画に通じることだと思うので、少し広い概念の言葉を使って整理しています。

(1)市場サイズを検証する
・マーケットサイズ(ジャンル)を詳細に肌感覚でつかむ
 →喜ぶお客さんがどれくらいいるか?
 (喜ぶ企画と、喜ぶ可能性のある企画の違い)

(2)オンリーワン性を検証する
・過去のベストセラーを10年遡りリスト化
 (紀伊国屋パブライン)
・商品を変えるか、お客さん(ジャンル)を変えるか
・信頼感がある知識に新鮮さをプラスする

※一般商品でいうと競合情報の確認やオンリーワンの検証になります。新しい商品をつくるか、同じ商品を違うジャンルに出すかみたな話と同じです。

(3)商品の市場性の検証する
・他人ではなく、自分の悩みにフォーカスする
・自分以外に共感できる人がいたら市場は存在
・「やってみたい!」という解決策を見つける
・実用書は「悩み」+「解決手段」、
 その両方に“実感をともなった共感”が必要

※マーケティングとかでは、企画段階とフィージビリティテストと呼ばれている段階の2つのステップに相当します。

(4)事前準備
・「プランC」=「その手があったか!」
・本を作らず、「うれしい」を本の形にする
・画を撮ることを最初から考える
・カバーイメージ=企画

※企業的にいうと経営理念(クレド)やブランディングに相当する話かも知れません。

(6)ブランディング(広告)をする
・目的、手段、社会的シグナル、評判、距離、アイコンの6つが必要
・「目的」は「悩み」や「願い」、なるべく分かりやすく→読者との「約束」
・「目的」を詳しくタイトルに入れると「自分ごと」になる
・「手段」は、ぱっと見ただけで「やってみたい!」と思うかどうか
・「社会的シグナル」は、読者の心理的ポジショニング。
・「評判」=「安心感」、推薦文とかレビュー、「10万部突破!」とか
・「距離」=お客さんの「敷居」の調整
・「アイコン」=ひとめで記憶に残る「シンボル」

(7)原稿を作る、編集する(出版業界中心)
・全体を3つのブロックに分ける
・最初は「グッとつかむ盛り上がりと問い」
・中間は「問いの解決方法とその理由」
・最後は「もりあげと結論」と「新しい問い」
・200ページの本は約10万字ではなく、12万字〜8万字くらい
・「改行」や「一行あき」でリズムをつくる
・太字は「ここだけ読めばわかります」とメソッドにつけた名称
・編集の訓練=ドラマのナレーションの「書き起こし」
・誰も知らない人に対し、見ている人が「一瞬で興味がわく」技術

http://honjitsukoryo.com/kurokawa01/

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