シフティングを使う(6)

 6. シフティングの可能性

 シフティングはWindowsみたいなOSであるという話をさせていただきました。ですから単独で使うということも可能ですが、本来はこの概念を他のノウハウや手法に取り入れていただくととても効果があります。そのノウハウや手法が格段に進化するのです。

 下野誠一郎さんという方がおられます。「引き寄せの法則」などを日本に紹介されたその道の第一人者ですが、その方の瞑想やエネルギーワークにシフティングの概念を取り入れていただき「マトリックス・シフティング」と手法を作られました。過去のトラウマやブロックをまとめて取ってしまったり、パラレルに存在する未来の中で望む未来の優先度をあげるなど様々なことが、この「マトリックス・シフティング」で可能になります。

 「マトリックス・シフティング」では、シフティングという名前を使っていただきましたが、シフティングという名前を使っていただかなくても、概念を使っていただいているケースもあります。シフティングはあくまでも概念であり、表に出る必要はありません。

 このような可能性もありますが、実はもっと大きな可能性を秘めています。それはより良い世界の創造とか、世界平和の実現とかいうスケールの大きなものです。シフティングが提唱している概念のいくつかは世界を平和にできる可能性があるのではないかと私は考えています。

 ひとつは、ネガティブクリアリングとポジティブチャージングの発想です。もともとこれは神道の「払い」(邪気を払い)と「清め」(清め)の現代版なのですが、この発想は、罪とか穢れが人の中にあるのではなく、人の外にあり、禊をすればどんな罪でも消えるという発想が基本にあります。ですから、日本では死んだらみんな神なのです。

 キリスト教を基本とする西洋では原罪といって、罪は人にもともとあるものであり、取ることができないとされています。イスラム圏とか中国のようなアジアでも同じです。このように、人の中につみがあるという発想をベースにするとお、先祖伝来の争いはいつまでたっても収束しません。罪を消すということをできるノウハウが、それも頭で理解するだけでなく、心と身体で理解できるノウハウが、争いを終わらせるためには必要不可欠なのです。

 靖国神社問題とか戦犯問題に関して、多くの人は第二次世界大戦における日本の正当性を証明しようとします。私はそこが本質ではないと思っています。日本の宗教観では、罪は人の外にあり、死んだら人は全て神であるという思想をもっと強調すべきではないでしょうか。罪は消すことができるという宗教観こそ、争いにみちた世界を平和に導ける思想であることをもっと強調すべきだと私は考えています。

 どちらが正しいかという話は、人の立場や価値観によって変わります。そのようなことで議論しても、たぶん時間の無駄だと思います。それよりも、日本の宗教観の根底にある罪は消えるという発想を主張した方が効果的で効率的だと思います。

 同時に、人がネガティブクリアリングというツールを活用できるようになると、過去から蓄積されてきた憎しみや怒り、悲しみといった負のエネルギーを消すことができるようになります。また日常生活でも、そういう負のエネルギーをコントロールできるようにもなります。

 人が戦争したり、争ったりするのは、自分の意思というよりも蓄積された負のエネルギーに影響されているケースが多いと思います。その負のエネルギーを消すことにより、現在ある様々な紛争や対立を解消していくことが可能ではないかと私は考えています。

 それから、他人の意識に入るという体験をするペルソナシフトは、様々な気付きをもたらす可能性があります。色々と問題を起こす国家のトップの意識に入ることにより、お互いに共存できる道や平和への道を見つけることができるようになるかも知れません。

 また、ペルソナシフトは別の可能性も秘めています。現在の科学者や技術者が過去の偉大な科学者や技術者の意識に入ることで、あたらしい科学や技術の発展を見出す可能性があるのです。たとえば、エジソンとかニコラス=テスラの意識に入って新しい発明のヒントをもらうといったアプローチです。現在、問題になっている核兵器や放射能の問題を解決できる科学や技術がみつかるかも知れません。

 また、戦争の原因となるメインのものは経済問題です。現代の経済学者が、過去のロスチャイルドなどの意識に入ると新しい経済システムのヒントを得ることができるかも知れません。このように新しい世界を探る可能性が数多くあるのです。

 先にご説明させていただいたビジネスや健康の話でも多くの可能性を感じていただいたと思います。さらにここで説明させていただいた大きな可能性も含め、シフティングという概念は、とてつもなく大きな可能性を秘めていると私は考えています。

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