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ビジネス・エッセイ

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ビジネスに関する、ちょっとした文章を綴っています。
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#マーケティング

物作り日本の幻想

日本の製造業の成功を、日本の技術力と日本人の勤勉さにその要因を求めることが多いと感じます。

しかし、高度のインフレと為替の要因が語られることが少ないと思います。

インフレが起きると工場などの設備投資は相対的に安くなり、固定費が極端に下がります。また、購入した土地の価格が上がると企業の資産価値も上がります。借金しても借金の相対価値も安くなり、製造業が成功しやすい要因が揃います。さらに為替が安けれ

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真似される商品を作れ

私が勤めていたシャープには
「真似される商品を作れ」という
創業者の言葉が残っています。

若い時には気づきませんでしたが、
これもとても含蓄の深い言葉だと
思っています。

まず他社より一歩先んじていなければ
真似されることはありません。
独創性のない商品は駄目だという意味が
あります。

しかしさらに深い意味があります。
もうひとつは市場性がなければ真似も
されないという意味です。
独創性があ

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セールスとマーケティング

セールスとマーケティングは、
同じようなものだと思われがちですが、
全く違うものです。

セールスが販売する行為だとしたら、
マーケティングとは売れる仕組みを
作るということになります。
ですから、
マーケティングが上手くいけば、
セールスは不要になります。

自分からお客様にアプローチすることを
プッシュ型、お客様からアプローチして
いただけるようにすることをプル型と
言いますが、セールスはプッ

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マネージメントと指標

マネージメントというと
人材の活用みたいな
人のマネージメントを
思い浮かべる人が多いと
思います。

しかし、本来の
マネージメントは
大きな意味をもっています。

私はそれを、
「目標」と「指標」をつくる事、
だと思っています。

「目標」については、
多くの人が理解しているのですが、
「指標」について理解している人は
少ないようです。

人が多く集まると、
何を成果にするかを共有することが、

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アマゾンと指標

以前、アマゾンのCEOの
ジェフ・ベゾス氏のインタビューを
みたことがあります。

彼は創立当初ずっと赤字が続いて
不安ではなかったかとの質問に対し、
ずっと顧客満足度が高かったので、
全然心配していなかったと答ました。
彼にとって、売上げよりも利益よりも
顧客満足度が第一の指標だったのだと
私は思います。

アマゾンの施策をみると
ハズレもありますが、
大体は顧客満足度を上げるということに
集中

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戦略と戦術

人によって解釈は様々ですが、
私的には
戦略とは「目標と指標の決定」、
戦術とは「目標を達成する手段」
という感じて考えています。

たとえば戦争をするのにあたり、
どういう形で戦争を終結させるのか、
それを考えるのが戦略にあたります。

講和条約を結ぶのか、
敵国を攻め滅ぼすのか、
そういう目標を決めることです。

司馬遼太郎さんが
日露戦争までの日本軍と
それ以降の日本軍とは
全く別組織と思っ

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豊臣秀吉は忍者だった

少し違った雰囲気の話で、
豊臣秀吉が忍者だった、
という話です。

普通の歴史には
あまり出てきませんが
私は状況証拠的に
間違いないと思っています。

まず、現実主義の織田信長が
忍者の実用性を考えなかった
はずがないと私は考えます。

織田信長は忍者の里、伊賀を
壊滅させています。

これに関し、表の歴史では
「信長は忍者のような不気味な
存在を嫌った」となっています。

しかし、それより

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織田信長はピンチがチャンス

織田信長が今川義元を破った
桶狭間の戦いは小が大に勝った
代表的な戦いとして有名ですが、
経済的にみるとそうでもないのです。

もちろん、戦力的には、
今川義元が2万5千、
対する織田信長は3千、
8倍以上の差があります。

しかし、当時伊勢湾貿易を抑えていた
織田家の経済力は今川家と同等だったと
いう話も一方であります。

経済力がある割に領地が少なく
戦力を確保しにくかった織田信長は
お金で兵

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スティーブ・ジョブスもピンチがチャンス

アップルの創始者として
それからiPhoneの生みの親として
有名なスティーブ・ジョブス、
彼もピンチがチャンスに変わった例だと
私は考えています。

有名な話ですが、
ジョブスはガレージから
パソコンのメーカーアップルを生み出し、
超一流企業を作りあげました。
今のマウスを使った画面操作は、
アップルが始めたものであり、
現在のパソコンの基礎を作ったのは
アップルであり、ジョブスであったと
言っ

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家康のブランド戦略

今回は真田幸村の話です。

といっても幸村自体というより、
幸村を使った家康のブランド戦略の
話をさせていただきます。

大河ドラマでも好評ですが、
真田幸村は戦国屈指の大名と
呼ばれています。

薩摩家の人間が、
日の本一の兵(つわもの)と
書いた文章が残っていたり、
大阪夏の陣の後に多くの大名が
遺髪の一本までお守りとして
取り合ったという話もあります。

でも、なぜ幸村がそれだけ
有名なので

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織田信長のブランド戦略

徳川家康のブランド戦略に
ついて書きましたが、ついでに
他の戦国武将たちのブランド戦略に
ついても書いておきたいと思います。

当時、他の多くの大名を敵に回して
勝てるほどの有力者はいなかったので
当然、戦いの前にブランド力で勝負と
いうことになるのです。

まずは織田信長、彼はかなり極端な
性格だったように書かれていますが、
これもブランド戦略のひとつだと思います。
そんな性格破綻者が国家統一の

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秀吉のブランド戦略

家康、信長とブランド戦略の説明を
してきたので、当然秀吉の話です。
秀吉のブランド戦略はずばりお金でした。

これも意図的だったと私は考えます。

もともと武士の出でなかった秀吉にとって
信長や家康のような生え抜きの家臣団は
いませんでした。だから、もともと忠誠と
いう概念がなかった訳です。

となれば利益に訴えるしかありませんでした。
ちなみに色々な戦で手柄を立てたとしても
それはあくまでも信長

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「おもてなし」の功罪

東京オリンピックでクローズアップされた
日本の「おもてなし」なのですが、
良い面と悪い面があります。

まず良い面としては、西洋の「サービス」が語源の
スレイズ=奴隷やサーバント=召使が示すように
上下関係があり、上である客が主体なのに対して
日本の「おもてなし」は基本的に上下関係がなく、
もてなす側が主体で、かつ察する文化に基づいている、
という点が違います。

ですから、痒いところに手が届く、

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精神論の罪悪

第二次世界大戦の話で、
日本の正当性に関する議論は
多いのですが、意外と日本の
敗戦の要因を客観的に分析する
議論は少ないようです。

それでも最近、ようやくそういう
議論がぼちぼちと出始めました。

国力の差が違うという話を漠然と
思っている人が多いと思いますが、
実はその頃の軍部の多くの失策が
本当の敗因のようです。

特に特徴的な話として、
空母の乗組員に対し、
米軍は浸水時の修理法をきちん

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