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【お仕事図鑑】ゲーム業界のPM(プロジェクトマネージャー)の働き方をまとめてみた

はじめに

こんにちは!いつの間にかPMにジョブチェンジした“てりたま”です。 
ゲーム業界にもPMあるの?IT業界だけじゃないの?って方向けに、
今回はゲーム業界で働くPMについてまとめてみました。

ゲーム業界のPMの働き方いろいろ

実は…ゲーム業界にもIT業界のようにPMという職業があります!
小さい規模のチームだとディレクターや各職能のリーダーが進捗管理なども兼ねる場合も多いのですが、ある程度大きな規模のチームの場合、PMというポジションで活躍される方も非常に多くいます。

お仕事的には、円滑にプロジェクトが進行するように計画を立てて管理したり、チームで発生する課題を解決したりと、基本的な事はIT業界のPMとあまり変わりはありませんが、プロダクトがクリエイティブ部分も多いゲームなので、IT業界のように仕様通りに作れば終了では無い部分もあり、ゲーム業界PMならではの謎のノウハウも多くあります。

 今回は、実際にゲーム業界のPMとして活躍している弊社社員のインタビューを交えながら、ゲーム業界のPMの働き方についてご紹介できればと思います!

 ゲーム業界のPMの働き方としては、大きく分類すると以下3つに分けられます。

【1】開発会社で“開発(運用)プロジェクト”を管理する!
一番オーソドックスなパターン。ゲーム開発会社に入って開発(運営)プロジェクトを管理。

【2】販売元で“開発会社と販売元のプロジェクト”を管理する!
ゲーム販売元で開発会社と協業して開発を進めるプロジェクトを管理する働き方。
パブリッシャーに入って、SAPと連携しながら協業開発(運営)プロジェクトを進めるイメージです。

 【3】“プロジェクト”の課題を洗い出して課題を解決していく!
これが一番特殊かもしれませんが、何らかの課題がありプロジェクトが円滑に進んでいないチームで課題解決をしながらプロジェクトの正常化を進めるコンサルに近い働き方です。

 それでは、それぞれの働き方を経験している弊社社員のインタビューをどうぞ!

開発会社で“開発(運用)プロジェクト”を管理する!

▼S・Kさんの場合

自己紹介


ドライブが好きで、週末はあちこち走り回っています。
ひつこくMT車に乗っております。 
趣味というか、猫が大好きで現在4匹飼っております。 
おばあちゃん猫2匹と、まだ子供に近い元気な2匹です。 
好きな飲み物はカレーと酒。


Q1:どういう経緯でそのお仕事に就いたか教えてください

前職では、開発ディレクター、運営案件経験者ということで、初めから案件を担当する立場についておりました。その流れもあり、新規案件獲得から開発管理、運営というアプリの立ち上げから終了まで丸ごとみることができるという貴重な経験をしました。

Q2:具体的なお仕事の内容を教えてください

 某人気ゲームのアニメ化にあたってのファンアプリ(ゲーム要素入り)の開発/運営です。案件の話が来て、企画書を作成し、クライアント様(アニメの版元)、ゲームの版元にプレゼンを行いました。

そこから話が進んだのですが、クライアント様とゲームの版元の要求が異なり、アプリの概要を詰める際もバジェット内でいかにゲーム版元の要望を収めるかで現場とかなり考えました。
その後、見積もりから開発、運営計画を立て、社内承認を受け、無事に受注できました。

チーム編成を行った後は社内の開発管理者として、実装スケジュール作成、マイルストーン設定、開発進行管理、クライアント様への報告、経過ROMのプレゼンなど、社内管理、外部窓口として動きました。
(ちょっと人手が足りなくて、cocos(※1)で画面UIを組んでいたこともあります)

※1 開発で使うゲームエンジンの名称

リリース後は運営マネージャーとして、追加要素、ゲーム内イベントの概要及びスケジュール作成、開発への指示出し、運営状況の報告書作成、クライアント様への報告会を行っておりました。
残念ながらアニメの展開終了とともにサービスは終了しましたが、ゲーム内のポイントを消費してもらう施策を終了前に行うなど、最後まで開発は頑張っていました。

Q3:お仕事をしていた時に工夫していた事や、手ごたえがあった成果があれば教えてください

ステークホルダーによって、求めるもの、必要なものが異なるので、それぞれの要求を満たしつつ、中庸なものにならないよう、注意していました。

ユーザー(主に元ゲームのファン)が喜んでくれればアプリの稼働も上がり、クライアント様もハッピーになれるので、ユーザーが見たときに楽しさを感じてくれるのか、という点は常に気を配っていました。クライアント様の要望についても、言われたことをやるのではなく、何を求められているのかを考え、限られたリソースの中で最大限応えられるものを現場と一緒に考え、開発を行いました。

結果的にどこからも大きなクレームやダメ出しも無く、全般的に良い雰囲気で終わることができた仕事でした。

▼S・Iさんの場合

自己紹介


望まれないダメダメなゲームをなくすこと(愛すべきダメダメなゲームは別ですが…)、クリエイターがクリエイティブを存分に発揮できる仕組みや環境を作ることが目標です!
スキンケアに最近ハマってます!


Q1:どういう経緯でそのお仕事に就いたか教えてください

別業界から2年間ゲームの専門学校でプログラミングを学んでから、27歳でゲーム会社にプランナーとして転職しました。
コンシューマの開発会社で当時社員70人程度の会社だったこともあり、1年目の終わり頃からコンシューマゲーム開発のディレクター兼PMとして抜擢されました。

Q2:具体的なお仕事の内容を教えてください

  • 開発全体の進捗やタスク管理/調整

  • クライアント様(パブリッシャー)との交渉/調整

  • ゲーム全体の仕様設計

  • 仕様や実装に対するフィードバック

Q3:お仕事をしていた時に工夫していた事や、手ごたえがあった成果があれば教えてください

①クライアント様の意図や実現したいことを細かくヒアリングして、ゴールの認識を合わせる

②クライアント様の期待値をコントロールして、期待値を上回れるようにする

この2点は特に工夫していました。

 1点目について、例えばクライアント様から「もっとゲームを派手にしてほしい」という依頼があったとして、その依頼の背景にある意図をしっかり汲み取っておく必要があります。

 そこを確認しておかないと、例えば「PV映えするようなカットを増やしたい」という意図なのにエフェクトを派手にするといった、無駄な実装で手戻りが発生してしまうからです。

 開発会社なのでクライアント様がいる以上、先方が実現したいことをしっかり汲み取ることは意識していました。
これは実装内容に限らず、「スケジュール・予算・クオリティのどの面を重視したいか」といった点においても同様です。
予算を守ることが重要なのであれば、そこにフォーカスしてスケジュールやゲームの設計を提案するように工夫していました。

 2点目について、クライアント様と信頼関係を構築するために期待値のコントロールを意識していました。
例えば難しい実装のオーダーがあった場合は、「依頼を完全に実現することは難しいが、こういう形なら実現できる」と提案して、期待されるクオリティをしっかり超えるものを実装するといったことです。

 スケジュールについても無理な調整をなるべく避け、きちんと予定通り、あるいは期日より早く仕上がるような形にすることで、クライアント様との関係を良好に保つように工夫していました。

販売元で“開発会社と販売元のプロジェクト”を管理する!

▼M・Uさんの場合

自己紹介


ファミコンのボタンが■だった頃からひたすらゲームをしていました。そのままゲーム業界に就職できたので、とても恵まれているお仕事人生です。
趣味としては、浦和レッズをJリーグが誕生した小学生時代から追いかけています。


Q1:どういう経緯でそのお仕事に就いたか教えてください

経緯というほどのものはなく…私はディレクターという立場だったのですが、仕様が理解できて、コミュニケーションが取れるという理由で、会社の慣例として、その立場の人間が、開発会社さんとの窓口&管理対応をすることになっていました。

私の場合は大きめの内製開発(※2)の会社から、外部委託メインの会社に移籍し、そこは内部の人数が少なかったので、マルチロールでやるしかないという状況でした

※2 開発会社でも外部受託をメインにしている案件もあるため、自社で完結する開発は内製や自社開発などと呼び、業界慣習として開発を外部受託する案件と区別して呼称する場合がある。

Q2:具体的なお仕事の内容を教えてください

マルチロールでしたので業務が多岐に渡るため、代表的なお仕事を箇条書きでリストにしました。

〇プロデューサー補佐の業務
 └社内上層部向けの提案書作成、社内プレゼン
 └委託業者選定

〇ディレクターとPM業務
 └ 受託先管理/契約管理
 └(開発/運営)予算/日程管理、妥当性検証
 └クオリティ定義/FB対応
 └他セクションとの折衝
 └社内スタッフへの指示出し

〇プランナー業務
 └各種原案(システム/ストーリー/世界観/キャラ)の制作
 └各種概要書の制作
 └発注用キャラ資料の制作
 └ガチャ演出の設計/マスターデータの数値入力
 └管理ツールの閲覧/分析
 └各種PFへのアプリ申請、課金アイテム登録

〇PRチーム補佐の業務
 └リリースまでのプロモーションプランの設計
 └リアルイベント(東京ゲームショウ/コミケ)出展内容案の作成/当日スタッフ
 └公式youtubeチャンネルの番組内容の構成/台本作成/出演

〇版元管理業務
 └アプルーバル管理(※3)で、版元向けの資料作成、ライツの人の会議に同席して版元説得など

※3 商品の監修業務。作品やブランドの世界観を管理し、商品のクオリティを保つ。

Q3:お仕事をしていた時に工夫していた事や、手ごたえがあった成果があれば教えてください

私は相手の性格によって対応の仕方を変えるタイプでして、その人のパーソナルを知る、というのは常に重視しています。できるだけ気持ちよく作ってもらうために、聞ける範囲で、“趣味や家族構成、ランチの時間から有給取りたい日など、なんでも教えろー”みたいな感じでした。
あとはコロナ禍の今は難しいのですが、開発会社さんが納期ギリギリで判断待ちで困っていたら、現地に行って即断即決みたいな事はしていました。複数案件に対し、3カ月くらい常駐対応をしていました。

 委託元の担当者は熱意がある人だ、という印象を持って貰えるように心掛けていました。

別の切り口では、ディレクションの思想かもしれませんが、私は分業仕事が多かった大手パブリッシャー出身だったという事もあり、任せると決めたところは徹底的に任せる、というのは常にやっていました。
もちろん、任せられる方をアサインできるのが条件ですが、判断/決断の責任は委託側でもって、クリエイティブは(開発会社さんの)あなたが責任をもって仕上げてください、というスタンスで成果を上げておりました。

“プロジェクト”の課題を洗い出して課題を解決していく!

最後は、現在のてりたまの業務でもある課題解決をしていくPM業務について回答していきます。

Q1:どういう経緯でそのお仕事に就いたか教えてください

前任者が別案件に移動となるため、引継ぎ担当者としてスキルステップアップを兼ねてアサインされました。

Q2:具体的なお仕事の内容を教えてください

文字通り、プロジェクトの課題を分析して、課題解決に向けてフローを整備したり、仕組みを整えたりする業務になります。

業務の効率化や生産性をあげるなどの効果が出るように常に
「分析→課題抽出→解決スキームの考案→実施→効果検証」
という形で業務を進めていきます。

通常の進行管理型のPMとは違い、課題そのものにアプローチするため、色々なセクションを跨いだ調整も多く、突破力が非常に重要な業務だと感じています。

どちらかというと、コンサルタント的な動きや役割の方が、イメージが近いと思います。成果を求められるスピードも速いですし、解決方法を選ぶ際もコストやパフォーマンスはどうかという観点で常に合理的な対応を求められているという所が非常に似ているなと思います。

Q3:お仕事をしていた時に工夫していた事や、手ごたえがあった成果があれば、教えてください

工夫していたのは、相手に寄り添いながら物事を進める事です。
いくら効率や生産性がよくても、実際にフローを回す現場の方が納得できない状態では、効果的な改善でもうまくワークしなかったりするため、気持ちよく一緒に進めて貰えているかは常に気を配っています。時には仇となり、突破力が足りなくなる場合もありますが、現状は概ね良い結果を得られています!

手ごたえがあった成果としては、難易度の高い課題などでも丁寧に進めていった結果、セクションを跨いだ新フローがスムーズに始動できたり、分析を進めた結果、当初の仮説では解決できない事が分かり、新たに効果的な対策を提案ができたりと、プロジェクトに貢献がしっかりできている事でしょうか。

この事が、お客様にも非常に評価を頂けて、PM業務の自信に繋がったのが大きな手ごたえです。



いかがでしたか?
ゲーム業界で働くPMについて、少しでもイメージしていただけたようでしょうか?ゲーム業界で働く方々の、何かのヒントになれたら幸いです!


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執筆者プロフィール:松延 千比呂
2020年にSHIFTに中途入社。入社前はSAP系の会社で自社開発のゲームプランナーやマーケティング・プロモーションなどを担当。
ゲーム業界以外では、漫画アプリのディレクターなども行う。
SHIFTでは、プランナー未経験者が短期間でプランナーになれる教育プログラムの立ち上げリーダーを行い完成させる。現在は案件先でPM業務を行いながら、PLAサービスの提供拡大に奮闘中。

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