アジャイル ✕ 育児 レトロスペクティブ Sprint0

子育てをふりかえろう

こんにちは。スクラムマスターの伊藤です。

実はSHIFTに入社してから、妻が妊娠~出産を経て、現在 1歳となり春から保育園に入っています。

初めての子育てで悪戦苦闘で、道はまだ長いですが、保育園で預かってもらうと一段落した感じがあります。ITでいうならば、我が子(プロダクト)が世に出た(リリース)といった感じでしょうか。

折角なので、アジャイル(スクラム)になぞらえて、これまでの良かったこと、悪かったこと、こうすれば良かったといったことをふりかえるレトロスペクティブを実施して、次回(?)やこれから親になるITエンジニアのために活かせていければと思い筆を取りました。

今回は、Sprint0として準備編です。
※筆者の経験ベースとなるため、一般的な話とは異なる点があるかもしれませんがご了承ください

レトロスペクティブとは

アジャイル開発の代表的な手法であるスクラムには、いくつかの必須イベントがありそのうちの1つが「レトロスペクティブ」(retrospective)です。 直訳すると回顧的なといった意味ですがスクラムでは「ふりかえり」と訳します。

開発の単位であるスプリントが終わると、そのスプリントをふりかえる際に実施し、良かった点、悪かった点などをあげて次に繋げるアクションなどを決定する大事なイベントです。

よく使われる、レトロスペクティブのテンプレートとしてKPT(ケプト)があります。

詳しい説明はリンク先などをご確認していただくとして、簡単に説明すると
スプリント内の出来事に対し、K(Keep 良かったこと 継続したいこと)、P(Problem 問題点 改善したいこと)を挙げて、T(Try 次取り組むこと)を決めていく手法になります。

それではSprint0(通常、開発開始前の準備期間を指しますので、ここでは育児開始前である妊娠~出産までをSprint0とします)期間の出来事についてKPTを用いて、レトロスペクティブを始めましょう。

よもやま話

レトロスペクティブの冒頭にあるレトロは、古風なといった意味で使われるレトロ(retro)と同じ語源のようです。

妊娠初期(1ヶ月~4ヶ月 16週未満)

妊娠は、兆候を感じたら検査キットなでで簡易検査をして、妊娠しているようであれば産婦人科に行って検査をし妊娠していることが分かれば、胎児の心拍を確認して、いよいよ母子手帳をもらうことになります。

妊娠2~3ヶ月ぐらいで判明することが多いかと思います。
妊娠が判明して、妊娠初期で大きなイベントがつわりです。

個人差がとても大きいのですが、我が家は、とても酷いつわりが長期間(5ヶ月ぐらい)続きました。 出産まで続いたという方もいるそうですね。。。 酷いつわりは悪阻(おそ)と診断され、就業は困難と診断書がいただけます。

歩くことすらままならないので、当然ですが仕事はお休みをいただき傷病手当金を申請することになります。

では、KPTを行います。
良かったこと、継続したいこと、Keepを挙げてみます。

Keep

-ネットスーパーを活用
コロナ禍ということもありましたがネットスーパーは便利です。
もちろん、急ぎのときは買いに走りました。
イトーヨカドーグループは母子手帳があると送料が100円になります。
https://www.iy-net.jp/information/service_parent/sp/index.html


-定期検診の送迎
つわりと病院が少し遠いこともあり、車で送迎していました。
それほど頻度が多いわけでも無いので、半休などをとって一緒に病院に行き帰りに必要なものを買い出しするというのは良いリスムでした。

-妊娠育児情報アプリを活用
妊娠育児情報アプリというものがあります。
今、どういう状態になるのかが分かって便利です。
いくつか試してみて合っているものを入れておくと良いでしょう。パパ設定しておくとパパ向けの情報が届きます。我が家では「ままのて」と「Babyプラス」を使っていました。

個人の感想としては妊娠中は「Babyプラス」 出産後は「ままのて」が充実していました。

こんなとこでしょうか。続いて、問題があったこと、改善したいこと、Problemを挙げてみます。

Problem

-つわりに関する知識が少なかった
つわりは嘔吐する、酸っぱいものが食べたくなるといったステレオタイプの認識しかありませんでしたが、これは大間違いでした。個人差が大きいですが、正しい知識が必要でした。

-妊娠中のNG行動を把握しきれてなかった
こちらも、飲酒がダメ、重いものを持たせてはダメといったことしか分かりませんでしたが、様々なNG行動と、その対策があるので正しい知識をいれておきましょう。

続いて、改善として挑戦したいこと、Tryを挙げていきます。
通常は、チーム全体でふりかえりを実施するため、出揃ったKeepやProblemからTryを決めるのですが、今回はProblemを改善することにTryしていきたいと思います。

Try

-家事をマスターせよ!
つわりが酷くなると、まともに歩くことも出来なくなります。
家事を全て引き受ける心構えでいきましょう。
我が家は共働きで、大体の家事は出来ましたが、専業主婦ですと家が崩壊してしまいそうなので早めに家事を出来るようになりましょう。出産後も必要なスキルです。

-つわり中の対応をマスターせよ!
つわり中は、個人差が大きいですが食事とにおいに気を使う必要があります。食べられるものが限られてきます。欲しがっているものをあげましょう。赤ちゃんに栄養がいかないからと無理に食べる必要は無いそうです。水分が取れていれば大丈夫です。
我が家では、カルピス、ほうじ茶ラテ、アイスミルクバーが重宝されました。においを嗅ぐと、吐き気をもよおすので、極力においが発生しないように心がけましょう。我が家では、シャンプーなども無香料のものにしました。

-デカフェを活用しよう
妊娠中(ものによっては授乳中まで)は禁酒・禁煙、禁生物(卵、チーズ、魚など)そしてカフェインとなっています。カフェインは多少はとっていいそうですが、コーヒー、紅茶、お茶が飲めないのは大変です。今はノンカフェイン製品が増えています。こちらを活用しましょう。

よもやま話

妻はまともにあるけないほど、つわりが酷かったので、定期検診も車で送っていました。あるとき、診察料が3万円オーバーで、こんなペースでは破産してしまうと確認してもらったのですが、その回だけ高くて、他は0円~数千円でした。

ちなみに妊娠・出産は病気ではないので、なんと保険が効きません。ただ、自治体や政府が様々な補助金を出しているので最終的には自己負担額は小さくなります。全額公費負担にする議論も進んでいるようなので、早くそうなって欲しいところですね。

妊娠中期(5ヶ月~7ヶ月 16週~27週)

個人差がありますが、つわりも落ち着く人が増え安定してきたため妊娠報告をすることも増えるはずです。 そして、出産時に必要なグッズを、買いに西松屋やアカチャンホンポに足を運ぶことになると思います。

そこでは、出産時に必要なグッズのチェックリストみたいな冊子が無料で配布されています。
これを読むと、出産までにこんなに準備が必要なのと驚愕しますが
ほぼ不要です。よく読むと最低限必要なのといった書き方になっているので、それだけ用意して、必要に応じて買い足していくスモールスタートが正解です。

Keep

-スモールスタートにした
出産時に必要なグッズのチェックリスト冊子が配布されていますが、全部揃えることはせず最低限のものからスタートしました。 大きな不便は無かったのでこれは良かったと思います。

-100均グッズを活用
ベビーグッズは100円ショップにも多数売っています。
まずは、100均のものを試してみようという形で進めましたが、長期間使うものでなければ買い替えも容易ですし100均を活用したのは良かったです。

Problem

-やっぱり買ったけど使わないものは発生
お風呂のお湯やを測る水温計や、ミルクの温度を測る料理用温度計は結局 ほとんど使いませんでした。
お湯は1度単位で指定して出せますしね。

-体温計は精度に難あり
1秒で測れる非接触型の体温計を購入しましたが、平熱なのに実測型の体温計だと38℃以上といったことがありました。精度にばらつきがあるようです。比較サイトなどもありますので、ここは精度がいいものを買っておきましょう。ミルクなどの温度が測れる機能が付いていると便利です。

Try

-本当に必要なものを準備せよ!
個人的には以下があれば、ひとまずは大丈夫です。

  • おむつ

  • 手口拭きシート

  • おしり拭きシート

  • オムツ替えシート

  • 哺乳瓶3本ほど(完全母乳派でも使いますよ)

  • 哺乳瓶の洗浄・消毒グッズ
    (個人的には電子レンジでの除菌が便利でした)

  • 服、タオル

  • ベビーベッド、布団

  • 赤ちゃん用ボディソープ、保湿剤

  • 抱っこひも

  • 赤ちゃん用爪切り、綿棒

  • (車があれば)チャイルドシート

  • 生まれてくる赤ちゃんの名前

-必要と言われるけど、検討したほうがいいものがある

  • ベビーカー

  • 沐浴グッズ

まずベビーカーですが、外出はしばらくはネットスーパーに頼れば病院の検診に行く程度です。生後1ヶ月から使えるベビーカーは高いですが、7ヶ月からのB型ベビーカーは安いです。

よくよく検討しましょう。 病院も徒歩圏内でしたら抱っこひもで、少し遠ければ車または自治体がタクシーチケットをくれることも多いので、タクシー移動という手もあります。買ったけど、ほとんど使わなかったというケースもあるようです。

沐浴(もくよく)グッズも大量にありますが、生後1ヶ月からは普通のお風呂に入れてOKになります。

桶とシンクでだいたい足ります。使う期間があまりにも短いため、持っていれば友達や親戚に譲ってもらう手もあります。

妊娠後期(8ヶ月~10ヶ月 28週~40週)

いよいよ、出産間近となるとお腹も大きくなって目立つようになります。
入院準備をしておく必要があります。
そして、いざ生まれるとやることが沢山です。

Keep

-赤ちゃんがいたら出来ないことを今のうちに
赤ちゃんが誕生すると、外出すらままならなくなりますので、妊娠中ということもあるため遠出は避けつつ、外食、買い物などやりたいことをやっておきましょう

Problem

-入院準備をやりすぎた
出産時に必要なものリストはスモールスタートでと言いましたが、入院時に必要なものもチェックリストが渡されます。 このときは、念の為といった感じで色々と多めに準備したため大荷物で運ぶのが大変 & 使わなかったが発生してしまいました。 面会不可でも、荷物の差し入れは出来ますので、こちらもスモールスタートとして、足りなくなったら、必要になったら追加するのが吉でした。

-退院後の生活リズムがイメージ出来てなかった
なんか、あっという間に来てしまった感じがあり1日のリズムがどうなるといったことが想定しないまま育児Sprintに突入してアタフタしてしまった感じがあります。

Try

-退院後を決めておこう
里帰り出産(予定日の1ヶ月前ぐらいから実家に戻って出産し、生後1ヶ月ぐらいまで実家で過ごすこと)を望んでいて可能であれば、里帰り出産を推奨します。やはり出産・育児経験者が家にいることはとても心強いです。ITでも経験者の有無はプロジェクトの成功率が違います。

もちろん、里帰り出産出来ない方も多いでしょう。病院から家まではどうやって移動するのかといったことを決めておきましょう。

パパは育休を取るのかどうか相談して決めておきましょう。1歳になるまでであれば取得が可能で、半年間までであれば給与の2/3は支給されます。

-育児の練習と1日のリズムをイメージ!
生まれてしばらくのタスクは授乳(哺乳瓶消毒)・オムツ替え・着替え・沐浴です。母乳育児でも、搾乳しておき哺乳瓶であげることはパパでも可能です。あげたら哺乳瓶を洗って消毒する必要がありますのでここまでが一連のタスクです。

オムツ替えと授乳は、1日に何度も行いますので早めに慣れましょう。パパ教室とかに参加するか、Youtube で勉強することも出来ます。

1日のリズムを決めておくとスムーズです。3時間毎に授乳とオムツ替えが発生するので、時間をどうするか担当をどうするか、沐浴の時間までは決めておくと良いでしょう。

準備期間であるSprint0が完了し、いよいよ出産し育児が始まるSprint1に続きます。



執筆者プロフィール:伊藤 慶紀
大手SIerにて業務用アプリケーションの開発に従事。 ウォーターフォールは何故炎上するのか疑問を感じ、アジャイルに目覚め、 一時期、休職してアメリカに語学留学。 Facebookの勢いを目の当たりにしたのち、帰国後、クラウド関連のサービス・プロダクト企画・立ち上げを行う。 その後、ベンチャーに転職し、個人向けアプリ・WebサービスのPM、社内システム刷新など様々なプロジェクト経験を経てSHIFTに入社。 趣味は将棋、ドライブ
ラーメン、花火、読書など

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