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花は、そこに在るだけで美しい

糸通しを使わず矮小な針穴に毛先の纏まらない糸を通すなんて無謀なこと、人間の心は安価な縫い糸みたいなもんだ…扱いがそれだけ面倒だ。でも花はそこに在るだけで美しい、自我を持たないので自分を傷つけてくることもない、そういう、完全体みたいなものこそ美しいんだろう、だから望んではいけない

でも、花はじぶんがいくら美しくてもそれを知る術を持たない。人間だけが美しさを知覚することが出来る、安価な縫い糸みたいな心で。その糸は、美も醜も紡ぐ。時に醜く、時に美しい

心はアポトーシスの繰り返しだ、細胞は絶えず死滅して、新しく記憶を紡いでいく。その過程は蛇行していて、だからこそ快だったり、不快だったりするのだろうか。植物の成長過程は、直線的で、全て体系的で、無駄がない。心地よい。だが、心はその真逆なのだ。記憶のアポトーシスと、下界からの刺激による新たな記憶の錬成。人間の心に不変のものなど、ないのかもしれない。望むな、信じるな、だからこそ、自己を愛さなくてはならない、自己の心を。非自己は常に曖昧だから、信じられるのは、自らの体内で巡り続ける、魂だけだ、

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