見出し画像

おひとりさまの食の不自由は、不合理で美味しくなくて、でも気楽。

島根県の隠岐郡海士町(遠いっ!)に友人家族が住んでいる。うまいものが山ほどとれるので、頼めばびっくりするような価格で送ってくれるという。東京で別の友人が絶品の手打ちそばを打って通販もしてくれる。北海道にも移住した知人がいて、もちろんおいしいものの宝庫である。そんな知り合い繋がりではなくとも、昨今、コロナ禍であちこちの生産地で業務用の出荷が激減していることによる、とってもお得なオイシイお取り寄せ便の大流行りだ。わたしも買って貢献したい。お金なら出す!って叫ぶ。

でも全部これ、ひとり暮らしじゃ困難なのよ。つくづく思う。ひとりってこういうとき不自由だなと。いや、こんなわたしだが、仕事先からのありがたい頂きもので、とっても美味しいけど「ひとりじゃ無理」で困ることはある。数年までは実家の母におすそ分けしてたけど、今はちょっと状況がむずかしい。むしろ実家の冷蔵庫にあふれてしまっている食材を定期的に引き取らないといけない(今は30個以上ある卵が大問題・苦笑)。

いや、わたしも一人暮らし歴は短くない。若いころにもそうだったし、娘が独立してからだって7年は過ぎている。何が違うかというと「今のわたしは組織に所属していない」ってことだね。サラリーマンしてたら、おすそ分けは職場に持っていけばいいんだった。フリーランスでひとり、ってそうか、そういうことなんだなあと書いていて気がついた。近所づきあいも浅いってのも、問題なんだな。

もともとわたしは比較的人を招くことに抵抗がないタイプで、気軽に5人10人、ときには50人超(笑)の人を気軽に招く。給食のおばちゃんみたいにどーんってご飯つくるのも嫌いじゃない。でも今はそうはいかないから、余計にお取り寄せはむずかしいよね。ステイホームが一人だと、もう、自己完結が過ぎて飽きてくる(苦笑)。オンライン飲み会じゃ解決できない。

ところでね、日本で一番多いのは単身者世帯なんだよ(きっとその多くが高齢者なんだろう)。その次が2人。そりゃ政府が配るマスクの枚数は2枚になるよねって。でも、スーパーに行くとお肉も野菜も果物も、だいたい4人が想定されてて「わたしってカウント外?」っていつも思う(単身者はコンビニに行くってことなのかな)。もちろん、いくら安くても業スーにはいかない(笑)。たくさん必要なわけじゃないので、少々割高でも「お肉3パックで1000円」とか、横目にみながら1パックだけ買う。実際、そういうときは1パックでも多いから(笑)。

娘がそれぞれに楽しく自立して一人暮らしをしているのだけれど、次女は自炊しないでコンビニライフ。長女は料理好きなのでステイホームの今は作ってるらしい(忙しくなれば別)。で、わたしと母もそれぞれ一人。わたしは冷蔵庫の中身が油断すると空っぽになる感じで、母はもはや食材管理能力が破綻して使いきれない食材があふれている(ので時折サルベージに出動)。これってなんとも合理性には欠けるんだろうなあ。もし、女4人で一緒に暮らしていたら、業スーで買ったものも、お取り寄せしたお得な海鮮やお肉も無駄なく堪能できて、食費も安くて豊かなご飯が食べられるんだろうね。

それでも、人はそれぞれの理由で「合理性」より別のものを選んで生きていく。そして、わたしは海士町の岩ガキが食べたいなあ…と指をくわえながら、近所のスーパーで今日も豚コマ300gを買っては小分けにして冷凍している日々を過ごしている。

おひとりさまって、食も、ほかにもいろいろ不自由。そしてとっても不合理。でもおひとりさま世帯が日本のメジャーなんだぞ!って意味なくガッテンしている。いや誰もなにも言わないけどね。
来年は、12年ぶりに町内会の班長が回ってくるので、それを機におすそ分けできる近所づきあいでもしてみるかなあ(笑)。


サポートを頂いたら…どうしましょう?そんな奇特な方がいたりしたら、全力でキャリア満足につながる日々の実現をお祈りします♡