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「がまん強い」って要注意だよね

やり抜く力、とか、あきらめない力ってすごく大事で、よくビジネス書にも取り上げられるテーマ。

計画された偶発性理論(クランボルツ博士)の中でも、継続性って重要な要素(あとは好奇心・柔軟性・楽観性・冒険心の4つ)として取り上げられているし、そんなこと言われなくたって「ちょっとやってみてすぐに無理~っていうような人は何一つできるようにならない」ってことは、耳にタコできちゃう常識だと思う。そこはわたしも合意だ。

ただ、それと「がまん強い」ってことは、ちょっと別に考えたほうがいい。ただただがまんできちゃう、いやなことでも辛いことでも、途中で止めたりしないってことは、それ、要注意な特性だから。

なぜ「がまん強い」が要注意なのか。

やり抜く、というそのことが示しているのは「求めているゴールのためにとにかくナントカ困難を乗り越え、工夫し、時にはいろんな作戦をとっかえひっかえし、人を巻き込んででもゴールを達成するのだ」ということであって、終わりのない賽の河原の石積みを無限にやり続けるということではない。
そのためには「残り時間が2時間なのに、やるべきことが10個もあって終わらない!」という事態をとらえたら、「ここには新たな戦力の投入が必要だ」という分析力や、「その戦力はどこにいるんだ?どうやれば戦力となってくれるだろうか」という交渉力だって必要になってくる。ときには「いや、そもそも2時間でこの量は現実的ではないから、それをなんとか訴えて、別の方法を提示しよう」なんて発想力も発揮するかもしれない。
でも、ただがまん強い人は「今日はほんとは2時間後に予定があったんだけど、断って、とにかく終わるまでやらなくちゃ」という思考に陥って、ただただやろうとする。できるかもしれないが、その再現性のなさは危うい。

もし世の中の人がみな、がまん強い性質だけを備えていたら、「ひたすら同じ数字を繰り返して書き写して、ひたすらひっ算で計算して、何回も合計が合わないのをやり直していて」、Excelもこの世に存在していない。革新は生まれないよね。
そもそも、「なんでこんなにたいへんなことをやらされるんだ!」と感じて、「やってられない」「もっと簡単にしたい」と思うから、技術革新が生まれ、新しい価値が想像され、時間ができて、そこに新たなものが生まれる余地ができているのだから。

仕事で、がまん強くただコツコツとやり続けられるということを美学のようにとらえてしまうと、その時点で成長は止まってしまう。自分自身の競争力はダダ下がりだよ。
それだけじゃなく、職場の良くない習慣を変える機会も失い、みんなががまんしているのだから、という暗黙の規範によって、職場全体が成長を止めてしまう(ということは、その職場に未来はないのだよ)。
それを「こんなこと、やってられない」と思った人は、そのがまんできない気質を活かして(笑)、「こういうやり方にしたら楽になる」ということを、ぜひ率先して導入する方向に引っ張っていってほしいよね。それが組織の進化にだってつながっていくのだから(楽をすること=悪、がまん=善っていう気質の人がいるけど、そちらに合わせてたら自分が絶滅しちゃうよ)。

いや、家庭だって、「わたしががまんすればいい」と考えた人(たとえばワーママとか)が抱え込んでしまうことで、起きる将来的なリスクは小さくない。だから早い段階で「こんなこと、一人じゃ無理」ってバンザイして「誰かのがまんで成り立つ仕組み」から、「誰もがまんしすぎないで成り立つ仕組み」に改善することを、考えたほうがいいに決まっている(家事の外部化も、機械化も含めて)。

がんばればできる。
なんとかする。
そういう気持ちは尊いけれども、睡眠時間削って力技でなんとかする、というカードをそうしょっちゅう切っているとしたら、あなたの頑張る方向性が間違っているんだよ。

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