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応援するということ、



最近、よくわからない。


2020年1月、平手友梨奈さんの脱退発表を聞いてから、ぼんやりと考え続けている。考えれば考えるほど、モヤモヤは膨らんでいって。



アイドルを応援するって一体なんなんだろう…




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少し、自分に引き寄せて考えてみる。


私にはとても好きなバンドがいる。
サーキットなどで観る機会も含めれば、月1.2回は多分観に行ってると思う。ある意味、そのバンドの"オタク"と言えるかもしれない。

でも、それだけ通っていながら、私はそのバンドの人たちと会話したことはほぼない。せいぜい出番前コンビニで偶然出くわして、目が合ったからお疲れ様です、って声をかける程度。

単純に、声をかける必要性がないのだ。
私が好きなのは、その人たちではなく、その人たちの音楽だから。
曲を生み出してることや演奏に対してのリスペクトはあれど、その人たちに対して何か特別な感情がある訳ではない。

開演時刻になったら地下に潜って、音を楽しんで、ああ今日も最高だったね、ってライブハウスをあとにする。
応援(と言うのかわからないけど)は、とってもシンプルだ。



では、アイドルの場合はどうだろう。



ライブを観に行く。視線を送る。声援を送る。
握手会に行く。自ら足を運んで、直接気持ちを伝える。
レターを送る。〇〇さんへ、と書いて送信ボタンを押す。
Twitterで言葉を連ねる。


当たり前だけど、すべて対象は生身の人間。
それも、多感な年頃の女の子たち。




脱退の発表があってから、できるだけ冷静に、自分の応援ってどんなだったか振り返ってみた。

何かあれば事細かに言葉を尽くす。
あなたは素敵だって肯定する。
時には、こうなんじゃないか、なんて意見を言う。

そうして、"分かっている"顔をしたいのだ。
相手は生身の人間だからこそ、その子のことを"分かっている"ことが何か価値があるような気がして。
ただの赤の他人でしかないというのに。


自分のことながら、ゾッとする。


平手友梨奈さんを取り囲む状況は異常だったと思う。
本人からの発信と反比例して、アンチもファンも含め、本人以外が語る言葉が増えていった。
そうして作り上げられた物語の中で、彼女は少しずつフィクションから遠ざかっていった。
そして、迎えたのがこの結末。

フィクションだったら良かったのに、なんてとてもじゃないけど言えない。

すべて現実に起きてしまった今、何が悪かった、なんて議論するつもりはないし、実際どうだったかなんてきっと本人にしか分からないだろうけど、当事者のひとりとして罪悪感は尽きない。



今一度、私は意識しなければならないと思う。




これはきっと平手友梨奈さんと平手友梨奈さんを応援する人に限った話じゃない。


あなたのために、と思って投げた言葉の数々を、アイドルは一体どんな顔をして受け取って、読んでいるのだろうか。

嬉しい、ありがとう、なんて言ってくれるけど、本当にそうだろうか。


そんなことを考えていると、どんな応援の仕方が正しいのか、なんだか分からなくなってしまう。究極を言うと、在宅でかわいい〜ってただただ独り言を漏らすだけが1番健全でいいような気がしてくる。




アイドルを応援するって一体なんなんだろう…





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余談だが、私にはもうひと組、とても好きなバンドがいる。
関西のバンドで、曲が良いのは勿論なのだけど、ボーカルの方が本当に可愛らしくて、きらきらしていて、素敵なのだ。

彼女を目当てに足を運ぶおじさんのファンがいることも、インスタライブをやると稀に気味の悪いコメントが付くことも、私は知っている。

彼女は昨夏、Twitterのアカウントを消した。いつも丁寧にファンのリプライに応えていたのに、突然。
最近は、フロアや物販に出てくることも無くなった。

私は、ああ今日も最高だったね、ってライブハウスをあとにしながら、一言、東京に来てくれてありがとうございます、なんて言う機会がなくなってしまったことを、少し残念に思っている。

いや、思って"しまって"いる。




誰かのファンでいることは、すごく難しい。

応援したいと思えば、その分いろんな欲も出てくる。お話したいとか、知りたいとか、特別に思われたい、とか。

対象が誰なのか、自分がどんなスタンスで応援しているかに関わらず、多かれ少なかれ、誰かのファンになってしまった人、みんながそうだと思う。


いや自分は純粋に応援してるだけだし…と思っているけど、本当にそうだろうか。

私は、応援しているつもりが、実はただその人を消費しているだけなんじゃないかと、恐ろしくて堪らない。





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