【掌編小説】飛べない鳥は幸せか?
「飛べない鳥は不幸でしょうか」
あなたは笑い、少しだけ考えて言いました。
「飛べると思っていたのに、飛べないのは不幸。飛べないのに飛びたいと願うのも不幸。なら最初から飛びたがらない飛べない鳥なら、不幸ではないだろう」
あなたは飛べたのでしょうか。私にはもう、あなたが見えない。
いなくなってしまったあなたを探して、現れた君に尋ねてみた。
「飛べない鳥は不幸でしょうか」
君は少しだけ考えてから、笑って言った。
「不幸なもんか。飛ぶことを夢に見られるのだから」
あなたは私の生きる意味でした。
でも私に生きることを決めさせたのは君でした。
また一から始めよう。
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