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亀の前記事の追記

和樂webで初記事を書いた。

「亀の前事件」を初心者向けに書いたのだが……書いた後に伏見広綱について補足したくなったので、覚書として書いておく。

伏見広綱は、亀の前に家を貸していただけではない。

兄嫁へのラブレター事件

頼朝の艶書(つやしょ=ラブレター)を「祥寿姫(しょうじゅひめ)」に届けているのだ。

祥寿姫は、平治の乱で処刑された頼朝の長兄の嫁で、新田義重の娘である。

新田義重は、歴史に名高い新田義貞の先祖であり、頼朝とは遠い親戚関係……つまり血筋的には名門。北条氏より圧倒的に家格は上だ。

義重は頼朝と娘の婚姻を「政子の怒りに触れるから」と言って断り、それで頼朝の仲も悪化しているのだが……。

まるで伏見広綱は、鎌倉幕府の将軍としてふさわしい「室」を見繕う、結婚相談所の担当スタッフみたいじゃないか……?

残念ながら伏見広綱についての情報は少ない……。掛川市史でも読めばわかるだろうか。

伏見の目論見通りに「ふさわしい家の娘」を1人でも室に入れていたら……。

北条はひとたまりもないだろう……。頼家だってどうなっていたかわからないし、実朝が生まれていたのかもわからない。

政子の気が強くなければ、歴史は大きく変わっていた。

新田義重がビビリィじゃなかったら、歴史は大きく変わっていた。

いやはや、こんな少しの事で、運命は変わってしまうことなのだなぁ……。


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