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初めてのオンラインセミナー登壇で実感した、リアルとオンラインの違い

こんにちは、フェンリルのプランナーの柴田です。

先月、2020年6月24日に弊社初となるオンラインセミナーを実施しました。そのセミナーで2020年代のUXについてというテーマで登壇したので、今回はオンラインセミナーのUXについて感じたことを書きたいと思います。

ちなみに、登壇内容の概論的な記事は下記で公開しています。


セミナーには慣れてきたはずだった

フェンリルに入社してから、セミナーには何回か登壇してきました。

初めての登壇はGoodpatchさんとの共同セミナーで、えげつないほど緊張しました。どれくらいかと言うと、会場に向かう駅のホームで「この階段から落ちて足の一本でも折れれば登壇しなくて良いのでは?」という考えが頭をよぎるほど緊張しました。

しかし実際に登壇してみると会場の雰囲気は和やか、参加者も結構リアクションを返してくれたので自分なりに喋り切ることができました。

その時の経験から、僕は会場のリアクションに合わせて身振り手振りなどの身体の動きを入れることで、喋るテンポやトーンを調整するスタイルであることに気付きました。

自分のスタイルを理解し、その後も登壇数もこなしてきたことで、オンラインセミナーでもそこまで緊張せずに臨むことができるだろうとタカを括っていました。


オンラインセミナーこわい

まるで初めてスマホを触ったアナログ世代のような感想ですが、率直に言って怖かったです。直接参加者の顔やリアクションが見れないのがこんなに怖いとは思っていませんでした。

緊張感は初めてセミナーをやった時以上。最初は自分でもカチコチだったのがわかりましたが、どうしようもなかったです。後半はやや慣れてきましたが、それでも終わった時は胸が早鐘のように鳴っていました。

普段やっていることをオンラインでやるだけでここまで感じ方が違うのかと驚きました。視聴者側でオンラインセミナーにはいくつか参加したことがあり、セミナーにおけるリアルとオンラインの違いなどは理解していたつもりでした。しかし登壇者視点で見ればまるで別物のように感じました。

なぜそこまで緊張してしまったのか、自分なりに少し整理してみたいと思います。


笑いや情熱が伝わってなさそうで怖い

セミナーの中には笑える部分や自分の熱量を伝えるようなパートを作ることがあります。しかし、オンラインセミナーでは参加者の反応がわかりません。そのせいで、そういった参加者の感情に訴えかけるような部分は「失敗したのではないか?」と思いながら進めることになります。

普段の会議でジョークをかましたのにスベって全員無言になる現象がありますよね?オンラインセミナーでは笑いを誘っても熱量を込めても全てがスベった時と同じ反応になるわけです。面白いことを言ったつもりが誰も反応してくれないのは恐怖ですらあります。

お笑い番組などで笑い声が入る理由がよくわかりました。あれは視聴者への誘い笑いだけではなく、「あなたは面白いよ」という反応を返すことで、演者のモチベーションやテンションを保つ役割もあるのです。

実は当日、私の周りにもリアクションを返してくれるスタッフの方が数名いました。そのおかげで最後まで登壇できましたが、もし誰もいなかったら緊張で喋ることができなくなっていたかも知れません...


必要なのは読み上げではなく演技だったのかも

オンラインセミナーでは、一般的なセミナーのような対象に語りかけるような喋り方には限界があります。反応が見えないので、語る対象をイメージしきれず、だんだんと読み上げのようになってしまうからです。

最初はそれでも良いかなと読む練習をしていました。しかし、読み上げだけなら機械音声に任せても良いはずです。本当に伝えたい感情的な部分というのは、多少緊張してても噛んでしまっても人間が人間に伝えようとするから伝わるのだと思うのです。

そもそも相手の反応が見えない場における伝え方の想定が甘かったのだと思います。本来やるべき練習とは、相手がいないところでの読み上げではなく、相手がいることを想定してその人に語りかける演技だったのではないかと思うのです。

目の前にないことをあるかのように振舞うのは、まさに演技的なスキルです。参加者をイメージするという抽象的な方法ではなく、参加者に話しかける演技をするつもりで練習しておけばもっとうまく伝えることができたのかも知れません。

これは今回のセミナーだけではなく、オンラインプレゼンなどでも同じ課題を抱えています。今後もコロナ後の世界では目の前に当事者がいない状態でもまるで目の前にいるかのように情報を伝える演技的スキルが必要とされる時代になるかもしれません。


オンラインセミナーならではのやり方を模索していきたい

もちろん私は演技のプロではないのでどれだけのことができたかはわかりません。どれだけ頑張っても私の演技力などたかが知れており、そこで勝負するのはコストパフォーマンス的にもよろしくなさそうです。個人的にはスキルではなくテクノロジーで解決して欲しい問題です。

チームでもこの体験を共有した結果、そもそもいつものセミナーのような一人でしゃべる登壇形式にすること自体がオンラインセミナーという形式に合わないのではと仮説を立てました。

それを活かし、次回の7/22(水)のフェンリルオンライセミナーは登壇者二人によるトークセッション形式を採用しました。トークセッションであれば目の前の相手のリアクションを足掛かりに話を展開でき、より人間的な情報提供が可能だと考えたからです。


もちろんこの方法もまだ試作段階。試してみつつ、適切な体験を提供できそうになければまた別の方法を試したいと思っています。

大切なのはユーザーの反応を得ながら試作と改善を繰り返すことだと思いますので、様々なことを試しながらフェンリルなりのオンラインセミナーの形を考えられればと思っております。


今後も変化を遂げるフェンリルのオンラインセミナーにご注目ください!

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