オンラインサロンのルールを1つ変えるためにやったこと


 今、オンライン形式の塾(通常のオンラインサロンです。以下、「塾」と書きます。)に入っています。月1万円で、オフ会は99%東京の運営企業本社。イベントや企画は9割東京周辺。
 そんな環境で、ルールを1つ変えてみました。1人で。
いくつか変えることが出来て、いくつかは出来ませんでした。塾内では運営企業さんも主宰者さんも塾生さんも、誰も気付いてないと思いますが、ここに経緯を書いておこうと思います。


1、 塾の環境

 中心は、何といっても塾長。多才の一言では片づけられないし、未だに私には分からないところがあるし、塾長は未だに進化変態中。

人数・塾に入っている人は、当初10名前後から、現在は500名超。現在は人数の増減は大きくなく500名前後で落ち着いています。年齢・職業・肩書は様々で、総務省の日本標準産業分類の半分以上は埋まると思います。
https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/H25index.htm


歴史・オンライン形式という比較的新しい形で3年が経過しているので、オンラインサロンと捉えると長く続いている。塾と捉えれば、まだ出来てほやほや。

まえがきにも書いたように、月に1度のオフ会(実際に塾長と対面で話し合ったりする会)は、99%東京の運営企業本社。運営企業が企画して塾長が参加するイベント、塾生が企画するイベントも併せて9割は東京周辺。
でも、塾に入っている人は東京都内在住、在勤の人だけじゃない。というよりは、その他の地域の人が多い(塾では「地方」という呼ばれていますが、東京こそ地方だと考えている私は地域と呼んでいます。)。
1万円の主に社会人向けの塾(塾長はあるときは茶室と呼び、あるときは大学と呼びます。)

2、 私が置かれた環境

 東京・関東からは遠く沖縄県に住んでいます。現在保育園の子がいます。その他に仕事などの事情があり、オフ会には行けません。入会する時も、オフ会には行けないことを前提として、オンラインでそれ以上に学ぶ気で入りました。塾に入っている期間は、2019年末現在で通算1年半です。長い方に入ります。

3、 ある日現われたイベントと感じた違和感

 12月のオフ会で、1つイベントが発表されました。その時初めて東京でのオフ会に参加した私は、聞いたとき何も感じていませんでした。イベントの内容は、塾長の著書へのサイン会です。オフ会に出席した人限定。ふーん。おめでとう。よかったね。塾長、さすが。来月のオフ会行ける人は楽しんで欲しいな。自分は行けないけど。という感じ方でした。

 翌日、東京から沖縄に帰って感じた違和感。ん、来月オフ会に行けない人はどうなるんだろう。自分も行けないよ。昨日のオフ会も日程調整が結構大変だった中、やっと行けたんだ。サイン?そりゃあ、もらえるんならもらいたいよ。オフ会に出席できる環境にある塾生と、そうでない塾生も同じお金払ってるよ。なんで?なんで?どうにかならないのか?これってどうにかならないのか?

 僕はオフ会に初めて出席しましたが、背中には行けない人の気持ちを背負っているつもりです。行けない人のことを考えて発言しているつもりです。
今までも、オフ会をはじめとしてイベントはほとんど東京を中心とした都内。行ける人は8割以上行ける。行けない人は1回も行けない。1回も行けない。そして退会する人もいるかもしれない。

 オフ会やイベントは100歩譲って仕方ない。少なくとも僕はそれを承知で入会しているんだから。ただ、関東周辺で塾生が企画するイベントは、塾内ではなくて塾外でやって欲しいとは思う。だって最初から参加できないイベントで勝手に盛り上がっているのを観に来たくて入会時に入ったんじゃないし、入会時の案内にも書いてないじゃん。

 100歩譲ってそれも良いとします。でも、サインだったら、北海道や広島やトルコにいる人でも貰えるような方法があるんじゃないか。塾長はオフ会の後にサイン会をやるんだから、動かなくていい。時間さえ確保できれば。そして私は、ちょっとおかしいんじゃないかと思ったらすぐに動いてしまう質で、良いのか悪いのか言葉を扱う仕事をしています。

4、 運営チームへの提案と提案をする際の考え方・組み立て方

提案の概要は次のような感じです。
【1月のオフ会におけるサイン会について、検討のお願い】

塾運営チーム
担当者様

いつもお世話になります。

私はやらないですが、検討をお願いしたいことがあります。

【オフ会に行けない人について、希望者のみサインを貰えないか】
理由
・書籍は購入したが、オフ会には行けない方が一定数いると考えられるため。

方法(案)
1、運営チームより、塾生全員に対してバーコードやQRコードなど確認が出来るものを発行する。

2、希望する人は、自分でレターパック520を2枚買って、運営チームに返信用レターパックと書籍、バーコードなどを入れて送る。

3、1月5日、当日現在塾生であることを確認後、塾長にサインを頂いて返送する。

お忙しいところ、急で申し訳ありませんが、ご検討をお願い致します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
という感じです。
考え方・組み立て方として気を付けたことは2つ。
1、塾長の負担と運営チームのリスクを極力減らすこと。
2、最後は自分1人でやり切るという覚悟を持つ。

 まず1、については、塾長は僕が同じ事したら1日持たないスケジュールで動いているので、時間を使わせないことです。提案段階でいえば、サイン以外の時間を取らせないことです。
 そして運営チームのリスクを極力減らすことです。運営チームは、経済的利益を得ながら運営しているので、リスクも背負っています(自分の営業目的だけで来ていないか。塾生同士で金銭的トラブルが起きないか)。
 今のところこれ以上のリスクを引き受ける余裕はないようにみえるので、塾生ではない人の書籍にサインがされることを防ぐ必要があります。
 また、塾長はオフ会・サイン会の後も予定が詰まっているので、予定の時間に遅れることがないようにしなければなりません。
 そのようなことを考えた結果、事前に塾生の確認をして、サインだけをしてもらうことが出来る方法を提案させてもらいました。
 ただし、100点の提案ではなくて、運営チームに確認の時間を取らせることになります。

そして、2についてです。

 ここは結構大事だと思っていて、自分で出来ないことをお願いしない、ということです。お金を払っている側だから、何でもお願いして良い、ということはありません。相手は人間なので、高圧的に出られれば私ももっともらしい理由をつけて断りたくなります。なので、もし無理だったら最後は自分1人でもやりますからお願いします、という姿勢をこの場面では見せなくてはいけないと考えました。
 そして、最後は自分でやると逆算しながら考えると、運営チームへの提案も現実離れしたものになりにくい、ということもいえると思います。

5、 提案の結果

提案をしてから1週間、1度催促してから返答がきました。
概要は次のようなものです。

宮城さん
ご連絡ありがとうございます。
返信が遅くなりまして申し訳ございません。
サイン会は、運営では予定していなかったのですが、塾長の熱い要望により実現したものです。
塾長のスケジュールが詰まっている関係上、時間があまり取れないこともあり、今回はおひとりにつき一冊にのみサインとさせて頂いております。
 ご提案いただきレターパックでの対応は、できれば対応させていただきたいとは思うのですが、対象の方の人数を把握することが難しく、塾長の通常業務への影響やそれらに関わる人員確保などを考えると、実施は難しいとの結論になりました。せっかくご提案をいただきましたのに、ご希望に応えられず申し訳ございません。


 駄目でした。しかし、その数十分後に塾内の掲示板に運営チームよりアナウンスがありました。

※今回のサイン会に参加できない方は、今後のオフ会や塾のイベント等でなるべく対応できるようにいたします。ご希望の方は、その際に運営にお声かけください。
(塾長の前後のスケジュールの関係で必ずしも対応できるとは限らないことをご理解いただけますと幸いです。)

 つまり、郵送では出来ないけれども、オフ会に出席できるとき、イベントに参加できるときに本を持って行けばサインを貰えるということです。僕の名前は出ていませんが、時間経過を考えて僕が提案していなかったら絶対にアナウンスされなかったことだと確信があります。

僕がルールを1つ変えた瞬間です。

6、 違和感を感じることと、1つのルールを変えるということ

 違和感を感じるために必要なのは、相手の言うことを自分の頭で考えてみること、違う人の立場の頭になったつもりで考えてみることです。感情抜きで、理詰めで。とことん。どう考えてもおかしいんじゃないか、と確認できるまで。

 1つのルールを変えるためには、感情が必要です。覚悟や、相手への敬意、何を変えたいのかをシンプルに、何で変えたいのかを自分の利益を捨てて説明できるように。その後に理屈が必要です。

 500名の人数がいて、医師や弁護士、経営者もいるのに、関東周辺の人は合う頻度も多いのに、運営チームは地方でも何かやりたいと事あるごとにいっているのに、私が知っている限りでは、ルールを変えたことはありませんでした。どこにも名前は載らないけれど、自分を少しだけ褒めます。これで、育児や仕事でオフ会に出席できない、北海道や四国、中国地域の人も、いつかはサインを貰える可能性が出来ました。

ここまで読んでいただけた方なら、ルールを1つ変えることが出来ると思います。
 

その後1つ議論に

 ここは、読み飛ばしても良い内容です。運営からのアナウンスの後、運営さんに対して感謝のコメントが続きました。その中で、私と同じ位の入会期間で東京でいつも仲間を引き連れてるような方が、「ラッキー。今月は予定が入ってオフ会行けなかった。これで全部の本にサイン貰える。」とコメントしました。

 このコメントに私はカチンと来ました。直ぐに「サイン会について、提案させていただいた者です。申し訳ないのですが、ラッキーとか全部の本にサイン貰えるとか、そういう軽い気持ちで提案していないです。本を買っても1冊もサインを貰えない人もいます。少し考えてください。」とコメントしました。この方は、私のコメントには答えず、運営に「サイン貰えないんですか?」と質問し、運営さんは「サインは貰えます。」と答えて終わりました。虚しくなりました。その直後、この方からFB上の友達を解除されてあるグループから除名されました。それでも、やったことには後悔していません。