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さらっとしたお笑い雑感

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マツモトクラブ

マツモトクラブ

R-1グランプリで幾度となく決勝に駒を進めているファイナリスト常連で俳優としても活躍するマツモトクラブさんの喋りは、その雰囲気作りも含めて「間合い」そのものをフリ役的に連結させる事で興味を引き続ける独特のフォームをしていると思います。

マツモトさんもあまり素で喋りを行っている場面が少ないのですが、長めの尺でトークをしていい現場だとネタの時等の印象に比べて実は結構言葉数が多くペースも早い方である事

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Franz K Endo

Franz K Endo

MADドラえもんでおなじみFranz K Endoさんの数少ない喋ってるシーンを観ると、この人もまた自らにフリ的な引き込みを連呼してゆく事で同世代的なノリのゾーンに持ってゆくのを得意とするタイプなのではないかなと感じます。

対象や観客の反応を伺いつつもそれによるキャッチボールは割りと早めに設定されていて、繋いでゆく言葉やテーマの切り替わりは舵取りを自己判断で綱渡り的に行ってゆく傾向があると思いま

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プチ鹿島

プチ鹿島

時事芸人、新聞読み比べ芸人であるプチ鹿島さん。喋りのスウィング感グルーヴ感に同世代的なノリが密室性とともに発生しているタイプだと感じます。

鹿島さんも菊地成孔さんに似たフリ的な側面を連打してゆく事で若干その場の舵取りをしてゆくフォームだと思うのですが、菊池さんのそれよりももう少しゆとりがあると言いますか逆に言えば言葉数が多すぎません。

ミュージシャンとお笑い芸人の違いでもあるのかもしれませんが

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菊地成孔

菊地成孔

ジャズミュージシャンの菊地成孔さんの喋りも非常に密室芸感のあるリズム的なものを優先させてて同世代的なノリを生むグルーヴを持っていると感じます。

そこに時代的な差異として情報量や掛け合いのテンポ感とかのコミュニケーションの型そのものや共有されている模範の癖とかの変容はあると感じますが、パスを受けた時の繋げ方、1ターンの尺のはみ出ていい範囲、等を体得している点ではARuFaさんと近い波及範囲であると

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ARuFa

ARuFa

ライターのARuFaさんは書き手でありながら喋りやリズム的なものを使いこなせる気質の上に、そこにフリとコナシで言えばコナシ的な役割の声の扱いが卓越しているところに天性の才を感じます。

ARuFaさんの元々の出自であるチャットやブログ記事などのネット上にある文字においても、そこにある種の世代的ノリを想起させるグルーヴを音優先で組み立てているのが感じられます。特にそれはダ・ヴィンチ・恐山さんと対峙し

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梶本時代

梶本時代

何年か前にこの呟きを見て面白いなと思っていた梶本時代さん。

エッセイストの方らしいのですが、既存の枠に囚われていないアグレッシブな活動をされていてその一挙手一投足から目を離せません。

トークライブをやられていたので観てみたのですが、エピソードのひとつひとつの完成度が高く気付いたらあっという間に2時間立っていました。

この年代でエッセイストという肩書きで聞き手が壇上にいた上での無観客配信と言え

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雨穴

雨穴

雨穴さんのか細くて弱々しい不安定な声と不気味で意味深な演出でつづられる映像は一度観ると癖になりハマって抜け出せなくなる気持ち良さがあります。

こういった音楽的な没入のさせ方トリップのさせ方がいちいち面白いです。見慣れてしまうとなぜだか可愛らしく見えてきてしまうところが不思議です。

声質や挙動からR12007ファイナリストのウメさんに似たような興味のそそられ方をしてしまいます。

さらにこういっ

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Y NAKAJIMA

Y NAKAJIMA

NAKAJIMAさんの何かで変えている声で淡々とぶっきらぼうに喋ってゆく感じが心地良いです。YouTuber特有の1人喋りに逆行し崩すような感覚と見た目と世界観の雰囲気とあいまって引き込まれてしまいます。

この動画の後半からの畳み掛けるような終わり方とか最高です。

こういった不気味かつおかしみのある造形や映像を作るセンスが突出しているのはもちろんですが、そのシンプルな破壊衝動やアングラ的な方向

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松尾貴史

松尾貴史

キッチュこと松尾貴史さんのあの独特でいぶかしげな声質と、なんとも言えない謎の説得力を産んでいる語り口で、場の空気を少しだけ掴んで揉みほぐす感じが好きです。

それは物真似の似せ具合にも表れていると思います。

松尾さんは何でも器用にこなしてしまう芸達者なイメージがありますが、それは対象とする相手や空間やそのコミュニティそのものが近距離である事が条件であるように感じます。相手の懐に入れた場合にそのく

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四千頭身

四千頭身

四千頭身はグランジのトリオバランスと似ています。ただ中心にいる後藤さんの進行的な気質を両サイド2人で歩幅を合わせて成立させているのでわちゃわちゃ感よりもある程度のまとまりがありそこを土台にパッケージングしている形だと思います。

両サイドの都築さんと石橋さんは2人とも別タイプではありますが、どちらも後藤さんの進行ベースに乗っかった上でコメントを挟んだり自己主張をしていくのが得意だと思います。そうい

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シティボーイズ

シティボーイズ

シティボーイズは大竹さんを中心に置いてツッコミの役割として両サイドのふたりで立てているフォーメーションなのですが、この時きたろうさんだけその輪から分離している感じです。きたろうさんが小ボケとして「裏回し」をしているのがシティボーイズのトリオ芸の特徴だと思います。

きたろうさんはあの飄々とした雰囲気とまったりとした語り口で誤魔化されていますが、気質としてはかなりツッコミ的だと思います。会話の中での

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南海キャンディーズ

南海キャンディーズ

南海キャンディーズは山里さんをツッコミとして成立させやすいようにしずちゃんさんがそこにタイミングを合わせてボケていると思います。しずちゃんさん自体のペースが大分崩れにくいフォームをしているので山里さんがその周りを包み込むようにして全体のメロディラインを引いていってポイントポイントできっかけを出す事でしずちゃんさんのボケのテンポを微調整するような感じです。そしてその工程を踏んで山里さんがしずちゃんさ

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KinKi Kids

KinKi Kids

KinKi Kidsの堂本剛さんも「回し」気味なトークスタイルをしていると思います。そしてここは光一さんが進行的なタイプだと感じるのですがその可動域がどうやらピンポイントな場所に設置されていて必然的に剛さんのアシスト的な役割になるようなコンビバランスになっています。

剛さんはよく似ている、もしくはモチーフにしているんじゃないかと思われる松本人志さんと比較すると、その喋り方が「コメント」的ではあり

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ダーリンハニー

ダーリンハニー

ダーリンハニーの長嶋さんもツッコミが上手いと思います。少しベタ付いたような耳に残るんだけどよく通る声質で小刻み良いテンポと節回しでコメントを挟んでいきます。その加減が絶妙で受け身じゃないツッコミとしてはかなり腕があると思います。

いわゆるツッコミ芸人の今の主流は共演者や視聴者に形式的にいじられる中で凡庸性のある返しやリアクションをしていくタイプと、大喜利性の高いワードを対象に対する例えツッコミや

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