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本作りのアレコレ(その6)

こんにちは!

この記事は以下の記事の続きになります。

前回は表紙の色校正のお話でした。
表紙だけでもだいぶ興奮しましたが、今回は本文、口絵を含めた全てが「刷り出し」として手元へ届きましたよ、というお話です。

14.刷り出し

刷り出しとは
本刷り(本番の印刷)前に見当合わせや色合わせなどの調整のために行う、本番印刷前の準備印刷

前回も書いたように、長野県松本市の藤原印刷さんへはご時世的に伺えませんでしたが、デザイナーの竹内さまが印刷オペレーターの方と相談しながら印刷してくださいました。

そして届いたのがこちら(チラ見せ)

ちょ!扉の色!!
まるで「喫茶柘榴」のドアの色じゃありませんか!(興奮度レベル8)

本文の色!!!
ちょっとお写真だと伝わりにくいかもですが、こちらも、実は、黒じゃないんです!!キャー!(興奮度レベルMAX)

いや、わたし知ってましたよ?
本文の色、茶でどうですか?ってご提案してくださって、すごくいい!ってなって、実際にパソコンのデータとしても確認して、すごくいい!って言ってましたよ?
そんな、知ってたわたしが、実際に刷られたやつをみたら、興奮で鳥肌ですよ。はぁ、なんだこれ、すごいや、プロの技だわ。職人だわと。

著者として、こんなこと言うのはちょっと変だと思うんだけど、書いてある内容に興味ない人も、手に取って欲しい。

この興奮、伝われ。
宇宙へ、伝われ。

そして、興奮冷めやらぬわたしに、これでもかのメールが届きました。
竹内さまのご快諾いただきましたので、そのまま載せます。

本文の刷色は、「明るすぎると、文字の視認性が悪いし、軽い雰囲気になってしまう」「濃すぎると、黒っぽくなって茶色のインクを選んだ意味がない」というところを、印刷オペレーターの方と、相談しながら印刷して頂きました。
実際に見て頂いたかと思いますが、インクの色見本は、コート紙(つるつるした紙)にすられており、実際にはもう少し明るい茶色だったかと思います。
本文用紙は、手触りのある紙で、黄色みがかった用紙です。インクが浸透したり、紙の色と合わさって「喫茶柘榴ブラウン」となりました。
表紙も本文もですが、印刷オペレーターの方が、この本の為に「特色インク」を練っています。
インクジェットプリンターのように、いろんな色が合わさって刷られているのではなく、「茶色のインク」で刷られています。
紙・天候・仕上がりイメージに合わせて、絵の具のようにいろんな色を調合して、インクが作られました。
印刷オペレーターの方の職人技です!

印刷オペレーターさーん!!!(松本方面に大声)
ありがとうございますっ!!!(特急あずさに乗って届けこの気持ち)

「喫茶柘榴ブラウン」っていうなんか素敵な色が爆誕してた!

こんなん、泣くわ。

興奮のまま書いているので、レポとしてどうなの感が増してきましたがw
何が言いたいかと言うとですね、本って、こんな風に丁寧に作れるんだっていうことと、本が作られる背景に、奥付に名前が載らない(なんならお名前も存じ上げない)プロの職人さんがいるんだと。

これ、自分がこんな風に本を作るということをしなければ、実感として分からなかったかもしれないので、本当に今いい体験をしているなと思っています。

さて、この連載も、次回で最後。
製本、となりますよ。お楽しみに!
(お楽しみに!って書いている自分が一番楽しみっていうね)

余談ですが、実は、就職氷河期に会社訪問で製本屋さんに行ったことがあります。その時「本の業界だけはやめておけ」って言われました。
その頃、出版とか印刷に興味があったんですけど、その言葉で「あぁ、無理なんだな」と早々と諦めたんです。
でも、あれからうん十年して、こうやって今度は自分の本が製本されるのを製本屋さんに見に行くって、楽しすぎやしませんか。
どんなに回り道しても、結局、ここに辿り着いちゃうんだって思ってしまいました。

では、また!

『喫茶柘榴』は5/2発売です。
現在、先行予約受付中です。詳しくはこちらのnoteをご覧下さい。





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