セファルディ歌手&ウード弾き/ 岡庭矢宵

エルサレム在住の歌手。セファルディ(スペイン系ユダヤ)の歌を中心に地中海音楽・アラブ・…

セファルディ歌手&ウード弾き/ 岡庭矢宵

エルサレム在住の歌手。セファルディ(スペイン系ユダヤ)の歌を中心に地中海音楽・アラブ・ヨーロッパ古楽、日本の歌などを歌う。日本の琵琶の先祖にもなった、中東の弦楽器ウードを奏で、ユダヤ・アラブの世界を境目なく、音楽と共に巡り歩く。yayoiokaniwa.wixsite.com

最近の記事

ハセキ・スルタン・イマーレト 500年の時を超える、エルサレムのスープキッチンにたどり着いたまでのお話

さて、Podcastでもお話した、500年続くエルサレムのスープ・キッチン、ハセキ・スルタン・イマーレトのお話の続きですが(ご興味ある方はPodcast「エルサレム 〜歌とハーブの中庭で〜」第2回を合わせてお聴き下さい)、 https://www.podbean.com/ea/pb-jy2hq-15df11c ここからはどうやってこのスープ・キッチンへとたどり着いたか、についてご説明します。 Podcastでも話しましたが、2年前の夏、私はオスマン宮廷の音楽家たちについ

    • Podcast 「エルサレム ~歌とハーブの中庭で~」配信始めました!🌸🌿

      先月の春分の日に、日本語でPodcastを始めました!💖 「エルサレム ~歌とハーブの中庭で~」というタイトルで、私が音楽や文化、日々の生活を通して垣間見てきた「ニュースにはならないけれども、宝物のように美しい、素敵なお話」を集めて、様々な人たちにお届けできたら、と思います。 第一回目の今日は「シクラメンの花とソロモン王の話」。 今、春の野原いっぱいに咲いているシクラメンの花と、賢者であるソロモン王にまつわるエピソード、ソロモン王が書いた『雅歌』とそれにつけられた音楽、

      • 人が疲れた時に聴こえてくるもの

        にっぽんの歌@中東サウンドデュオ "コレヤコノ" in Tarab Tel-Aviv. 私たちの日本-中東の境界をたゆたう音が、テルアビブに響きました。 ガンガンに迫るサウンドがメインストリームのテルアビブで、私たちのデュオは異色な存在です。 演奏後、たくさん声をかけてきてくれる人たちの中で特に印象に残ったのが 「今、戦争で私も周りの人たちも本当に疲れている。そんな中であなたたちの音を今日聞いて「これだ!」と思ったの。出会えて本当にうれしい。」 という言葉でした。

        • ツリーのないクリスマス ~クリスマス.イブを前に~

          レバノンカトリックのマロナイト、そしてコプト正教会でも歌われるアラビア語のクリスマス聖歌 "Ya Mariam el biker يامريم البكر " (おお、聖なる乙女マリアよ)を、エルサレムのマロナイト教会の前で歌いました。 もう夕方近くだったので画面も暗く、また日を改めて撮影します。 明日はクリスマス. イブ。 今年はガザへの哀悼を示すため、ベツレヘムにクリスマスツリーは立ちません。ミサも非常に簡素に行われるそうです。 今日はとても風が強く、身を切るような

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          "カタバーシス" キリストの誕生を祝う9つのビザンティン聖歌

          キリストの誕生を物語る"カタバーシス"という9つのビザンティン聖歌。このビザンティン譜はその第一話目の歌詞とメロディーを記した楽譜。 「キリストが生まれた。彼を褒め称えよ。 キリストが天から下ってやってきた...」と続く。 "カタバーシス"という言葉の語源は明らかにヘブライ語からのもので、ギリシア語を通り、それがやがてはアラビア語にも伝わっていく。 9つのうちの3つの聖歌のテキストと譜面を読んで練習するというのが今週の課題。うう、がんばるぞ...w💦 正教会のクリスマ

          "カタバーシス" キリストの誕生を祝う9つのビザンティン聖歌

          エルサレム 祈りと音楽の形」オンライン講座を開催します

          昨日の日没から、ユダヤ教の冬の行事・ハヌカーが始まりました。 「ハヌキヤ」と呼ばれる8枝の燭台に毎日1本ずつろうそくの光が増えていく、聖なる光の8日間。 この光がすべての人に平安を、あたたかさを、そして希望をもたらしてくれる光となることを心から祈っています。 来週の月曜日、12月11日にオンライン. レクチャーを開催します。 今回のテーマはずばり、「エルサレム 祈りと音楽の形」 本などで語られていることに加え、私が実際にシナゴーグ、教会、モスクなどにを訪ね、そこから

          エルサレム 祈りと音楽の形」オンライン講座を開催します

          10月7日から5回目の安息日

          やっとnoteで書き記す気持ちになった。 エルサレムに空襲警報が鳴り響いた10月7日から今日で5週間目。 あの日も安息日で、ユダヤ新年の最終日、シムハット・トーラー(律法の喜び)と呼ばれる祭日に当たる日だった。 朝8:00に突然、けたたましい音のサイレンが鳴り響いた。 イスラエルではメモリアル・デーなどの日にサイレンが鳴る習慣があり、寝ぼけていた私は一瞬何が起きているのか理解できず、「シムハット・トーラーはサイレンがなる習慣なんてあったっけ?」などと思ったりしていた。 だ

          5784年目のユダヤ新年を迎えました🍎🍯🌿

          5784年目のユダヤ新年がはじまりました!!🍎🍯 今年も色々と作ったり飾ったりしています😊 ユダヤ新年のシンボル、りんごとハチミツ。 りんごプレートとりんごミニボウルがかわいい🎀 「甘いものをさらに甘く。たくさんの幸運がやってきますように」という願掛けです。 りんごの皮を市松模様にカットしました🍎🍯 ザクロ、ぶどうもユダヤ新年のシンボル🍇🍇🍇 豊かな実りの象徴です。 とってもカラフルでおとぎ話の国みたいな雰囲気じなりました💖 そして新年の前の買い出しで、通り

          5784年目のユダヤ新年を迎えました🍎🍯🌿

          シリア製のウードがやってきました!

          ユダヤ新年を明日に控えた今日、縁あって素晴らしいウードが私のもとにやってきました。シリア製の古いウード。装飾部分はハンドメイドの本当に細やかで美しい模様。高音は煌めくようで低音は深く温かみのある響き...!! ウードを抱えながらテルアビブに住む友人宅を訪ねたら、「新年のお祝い!」といって良質のオリーブオイルをプレゼントしてくれました。ちょうどオリーブオイルが切れていたところになんというタイミング! ユダヤ教では新年とは「創造された世界が動き始めた日」なのだそうです。新年の

          シリア製のウードがやってきました!

          ユダヤ新年直前!「スリホット」のコンサート

          ユダヤ新年前の「スリホット期間」 セファルディの間では特にこの罪のあがないを祈る「スリホット」の期間と慣習は大切なもの。 新年を迎える前から、罪を悔い改め、魂を浄化する時期、それがスリホットです。 マアレ. アドミームのアンダルース. オーケストラでの「スリホット. コンサート、」今年もたくさんのお客さまのもとで無事に終了しました。 オーディエンスのほとんどが"正統派"と呼ばれるユダヤの戒律を守る人たち。真ん中の楽器は"しショファール"と呼ばれる、ユダヤ教の祝日に欠かせ

          ユダヤ新年直前!「スリホット」のコンサート

          毎日新聞オンライン連載 「ユダヤの窓から眺めてみたら」第3話目がアップされました。

          執筆を担当しております毎日新聞オンライン連載 「ユダヤの窓から眺めてみたら」第3話が先週の土曜日にアップされました😊 ~ポルトガルからオスマン帝国へ 大航海時代を生きたユダヤの女傑~ ユダヤの窓から眺めてみたら:ポルトガルからオスマン帝国へ 大航海時代を生きたユダヤの女傑 | 毎日新聞 約500年前に、イスラエルのような「ユダヤ人の国」を造ろうとした女性がいた――。ユダヤ音楽家、岡庭矢宵(おかにわ・やよい)さんの連載3回目は16世紀に活躍したユダヤ人女性実業家、ドンナ・グ

          毎日新聞オンライン連載 「ユダヤの窓から眺めてみたら」第3話目がアップされました。

          ハイファ、 聖山カルメル山の麓で

          イスラエル. 第3の都市、ハイファ。 ハイファの街は海にせりだした小さい半島のような地形になっていて、カルメル山という聖地を抱えています。カルメル山は預言者エリヤが降り立ったユダヤ教の聖地、そして12世紀の十字軍がここに「カルメル会」という修道会を発足させます。 私がこの名前を初めて知ったのは学生の頃に聴いたプーランクのオペラ「カルメル派修道女の対話」から。 前の記事で書いたフレームドラム奏者のゾハールのスタジオはこのカルメル山の麓にあって、アラブ系の人々が多く住む地域

          ハイファ、 聖山カルメル山の麓で

          フレームドラムの名手、ゾハール. フレスコのレッスン

          フレームドラム世界最高峰の名手、ゾハール. フレスコのレッスンを受けられることになりました!通常、彼のレッスンを受けることはイスラエル国内でも難しいのですが、ウードの先生マリーナのオーガナイズで音楽家グループとしてのレッスンを定期的に受けられることとなりました。 彼の演奏に初めて触れたのは9年前、ギリシアでの音楽祭&ワークショップの時。ずば抜けた演奏技術(あまりの高速度の手の動きで手が見えなくなる)と、その場の空気を一瞬でかえてしまうほどの音楽性に度肝を抜かれました。しかし

          フレームドラムの名手、ゾハール. フレスコのレッスン

          5000年の歴史を持つ港町ヤッフォと"カフェ. ファイルーズ"

          マロナイト教会を訪ねた先週の日曜日、夕方からはは港町ヤッフォのカフェ. ファイルーズにて。 この日は友人でアラブ. トルコの琴. カーヌーンの名手、ムーミン. セスレルのお誕生日会。仲良しメンバーが集まりました。 彼はトルコのジプシー音楽一家に生まれ、親族にはクラリネットの名手セリム.セスレルがいます。彼がイスラエルにも家を構えていた頃、トルコ音楽を習いによく彼の家まで訪ねていきました。国立ハビマ劇場でのセファルディ音楽のフェスティバルの際も彼と共演して、素晴らしい演奏と

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          レバノンのカトリック、マロナイト教会へ(エルサレム)

          レバノンのカトリック、マロナイト派の教会の日曜ミサを初めて訪れました。 シリア正教会のすぐ近くにある教会ですが、いつも扉が閉まっているので謎に包まれた場所...でしたが、勇気を出して扉の呼び鈴を押してみたところなんと!扉が開き中へ入ることができました。 迷路のような通り道にある入り口から入った扉の向こうは広い中庭...!! ミサはアラム語とアラビア語が混じって行われます。気のせいか、マロナイト聖歌の旋律はやはりどこか、マロナイト教徒でもあるレバノンの歌姫ファイルーズの歌

          レバノンのカトリック、マロナイト教会へ(エルサレム)

          古代イスラエル風.素焼きの水がめを手に入れました

          素焼きの水がめを手に入れました😊 古代イスラエルでも使われていた形の水がめ、ワインもこれで注ぐことができます🍷 まるで聖書の時代にタイムスリップしたかのようです...!! 旧市街で売られている昔ながらの製法のパン、ナッツや鶏のロースト、ハーブを使った料理などを用意して「古代イスラエルの食卓」を近々うちで再現してみようと思います😆💕 楽しみ~!!😍💖

          古代イスラエル風.素焼きの水がめを手に入れました