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イスラエルのワクチン事情 〜その先に見えてくるもの〜

昨夜23:00放送の日本テレビ"News Zero"にて、イスラエルのワクチン事情についての短いインタビューを受け、それがオンエアされました。

こちらがその動画です↓

https://www.news24.jp/sp/articles/2021/06/03/10882903.html

お友達のYちゃんからの連絡を受け、”今日撮って今晩流れる”というスピード取材(笑)。そういえば前もイスラエルのラジオに出た時、その番組のオンエアの3時間前に急にオファーが来て受けて、急遽スタジオに行って生放送で歌ったりしたなぁ...という記憶も蘇り(笑)


イスラエルはワクチン接種スピードが世界最速、ということで、注目を集めているらしい。コロナが流行りだした昨年の3月、世界に先駆けてロックダウンを始め、去年の4月頃は自宅から半径100m以内から出てはいけない、というかつて経験したことのないような命令も出た。その後もロックダウンは繰り返され、レストラン・カフェ、劇場等は完全閉鎖、私たちも2020年は3月を最後に全くコンサートができなかった。その後、11月になって、録音の仕事のために訪れたエルサレム劇場のロビーには、5月に開催予定だったと思われるコンサートのポスターが、まるで時間がそこで止まったかのようにそのままの状態になっていて、なんとも言えない切ない気持ちに駆られた。


ワクチン接種も進み、4月には屋外でのマスク着用が強制されなくなった。それでも不思議なことに、外を歩いていてもマスクをつけたままの人は割といる。屋内でのマスク着用はまだ義務付けられているから多分、外し忘れているかあるいは、自分の意志でつけているか。去年まで、彼らは”マスクをする”という文化を知らなかった。だから、息苦しいけどマスクをしてないと見張りのパトカーに捕まってしまったりするから腕につけておいて、パトカーが見えた時に急いでつける、あるいはつけ方がよくわからなくておでこにつけてる、とか、信じられないような使い方が展開されててかなり笑えた。それが今、”外ではマスクをつけなくてもいいよ”となっているのにまだつけている人たちがいるくらい。習慣の力ってすごい、と思った。未知の物体だったマスクが、たったの1年で彼らの生活の中にすっかり浸透してしまったのだ。


ワクチン接種が進んで、おとといからはレストラン、ホテルに入る際のワクチン接種証明(グリーンパス)を見せる必要もなくなった。随分な開放感に浸れている。でもこれは今、イスラエルと外国との渡航の制限がかかっているからできていることで、全面的に開いた時にそれがどうなっていくのか。そしてワクチンは決して永久的に効果が持続するものではないこと、ウィルスは人間の知性に負けないほどのアップデートを繰り返してくること、こういったことは常に心に留めておかねければならないことだし、コロナの問題は全世界で対応しなければ根本的解決にはならない、ということを忘れてはならない。


そんな中でつい先日まではイスラエルとガザの衝突があったり、コロナが収まれば人の争いが起きたり、コロナにいてもらった方がいいのか悪いのかわからない、とも思ったりした。その一方で東京では、こんな時期にオリンピック、という、完全に”空気が読めていない”イベント開催がなされそうとしている。誰もが首をかしげる事態なのにそれが進む、ってなんなんだろう。”平和の祭典”ってなんなのか。健やかな生活こそが平和の基本なのでは?言葉の独り歩きも大概にしたら、と誰もが思っているはず。


予期せぬことが起こったなら、素早く対応して乗り切ることは、自然界における生き残るための大原則だと思う。20世紀型の大きくて、強い、という理想モデルはもう過去のもの。変化に敏感に対応して、どう進むかは自分で考えること。誰もがそれを模索しているから、誰も教えてくれるわけではないこと。こんな少しの覚悟を持って、未来に向かっていけたらいいな、と思う。

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