体験から学んだ、デザイン思考の大切さ。そして自社ブランド「Oisix」本来の価値を考えた話。
オイシックス・ラ・大地アドベントカレンダー3日目の記事です。
エンジニアによる技術系の記事だけじゃなく、デザインの記事があってもいいんじゃないか、いや、なくてはならない!と思い、書くに至った次第です。
今日は私自身が実際の体験から感じた「なぜデザイン思考が大切なのか」、そしてそこから派生して考えた「Oisixのブランド価値とは何なのか」について書きたいと思います。
尚、弊社では自社名を「オイラ大地」と呼称するのが通例となっているので、本稿でもオイラ大地でいきます。
体感しないとなかなかわからない「デザイン思考」、「人間中心設計」の重要性
近年、ビジネス界隈で「デザイン」というワードをよく目にしませんか?
しますよね。
今年に入ってからだと、経済産業省・特許庁が『「デザイン経営」宣言』という報告書を出しています。
それ以前から「デザイン思考」は注目を集めています。『デザイン思考が世界を変える』という本の発行が2014年5月で、これ以降グッと伸びてます。
言葉が注目を集める反面、その概念や手法はなかなか掴みづらいのが正直なところだと思います。
私も『デザイン思考が世界を変える』を初めて読んだとき、ふーんって感じでした。
デザイン思考を一言で表すと「人間を中心に物事を考えよう」。
いまいちピンときませんでした。
デザイン思考が注目をされる理由とは?
・ニーズの多様化/競争環境の不確実化によって、従来のようなプロダクト中心の発想や、単純な定量的アプローチだけでは世の中に受け入れられる製品/サービスを生み出すのが難しくなってきた
・消費者の行動が受動的→能動的に変わり始めた
なんか、いまいちピンとこなかったんですよ。
でも「デザイン思考」を実践してみて、初めてそれがいかに大切な考え方であるかがわかってきました。
ユーザーインタビューをやってみて気づいたお客さまの多様性と問題発見することの重要性
私が所属するOisixEC事業本部CX室は、食品宅配サービスOisixのCX(顧客体験)を作っているチームです。
CXではリーン開発の手法を用いて新しい顧客体験を作る活動を始めることになり、それにあたり、「リーン顧客開発」を回し見しました。
そして、ユーザインタビューを多く実施しました。
リーン顧客開発は顧客の価値に立脚した開発手法で、まずは徹底的に顧客を理解することから始める必要があるからです。
ユーザーインタビューに同席したり、あるいはユーザーからのアンケートを見たりする中で、私はOisixには多様なユーザーいることに気づかされました。
お客さまは多種多様な課題を抱えていました。
また、Oisixを積極的に支持しているお客さまもいれば、「他の食品宅配サービスと比べてマシだから」という理由でご利用していただいているお客さまもいました。
デザイン思考でもユーザーインタビューは
・潜在的なニーズを見つけるために有効な手段
・ユーザー中心のデザインをするためにもインタビューは非常に重要
・ただ話を聞くだけではなく、相手も自覚していない課題を対話から引き出す事が必要
と言われています。
ユーザーインタビューは顧客のインサイトを知るために大切だと、そう言われているわけですね。
実際、今回のユーザーインタビューを通してお客さまのインサイトを知るに至っているのかは定かではありません。
しかし、インサイトを知ることの重要性や、ユーザーインタビューがいかにインサイトを探る上で有効かを、肌をもって実感しました。
イノベーションは問題発見から始まる
CXは今、新しい顧客体験を作ろうとしています。
もしかしたら「新しい」というのは語弊があるかもしれません。
それはこれまでどこにもないようなキテレツなものを創出しようとしているのではなく、Oisixがこれまで提供してきたものと比較して新しい(=これまでになかった)体験という意味だからです。
スティーブ・ジョブスも好んで引用したと言われる、ヘンリー・フォードの有名な言葉、ありますよね?
もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、 彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。
デザイン思考は、
人々が自分でさえ気づいていない内なるニーズを明らかにして、プロダクトやサービスにする
ため、つまり
イノベーションを起こす
ためにあるのです。
デザイン思考はロジカルシンキングでは解決できない問題を発見し解決する手法である
オイラ大地ではロジカルシンキングを基礎から叩き込まれます。
ロジカルシンキングは顕在化した問題を解決する手段として、とても有効だと思います。オイラ大地の成長もロジカルシンキングの文化があったからだと実感しています。
しかし、それらの多くはマイナス改善であり、これからはそれだけではOisixの価値を届けることができないフェーズに来ているのではないか?あるいは、そういう時代になったのではないか?と思います。
こんなことを考えているうちに私は、ある疑問に行き着いていることに気づきました。
Oisixは何を提供価値としているのだろうか?
オイラ大地の本質的な価値とは何だろうか?
続く…