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モロッコ 1日目 世界一の迷路の洗礼 in フェズ

*マガジンのタイトルは「旅から見る中東情勢」とはしていますが、ただの旅の日記です。数年前(2017.1)の旅行中のiPhoneのメモを参考に編集しています。

朝の8時、カサブランカの空港に到着。

空港の両替所でお金を細いものに変える。事前に入手していた200ディルハム(MAD) x 15枚を100MAD x 30枚に。とはいえ100MADを30枚でも使い勝手が悪い。

*カサブランカのムハンマド5世国際空港。
*当時(2017.1)は1ディルハム(MAD)=11.5円ほど。100ディルハム=1,150円

また空港ではSimカードを購入。inwiというモロッコの会社。2週間しか滞在しないと伝えたが、2週間分のものはないため、最短の4ヶ月期限付きの8GBを150MADで購入。さすがに2週間で8GBは余裕である。

空港の外に出て、近くにいた人に「この辺りに何か有名な観光地ある?」と聞いたら「めっちゃ遠いよ」とのことだったので、とりあえず電車に乗ってフェズに向かうことに決定。

今回の旅行ではモロッコを時計回りに一周してまた最後にカサブランカに戻って来るので、その時しっかり観光しよう。カサブランカは世界最大級の港と聞く。カサブランカに戻ってきたときは港を見たい。空港は海からかなり離れていたので残念だ。

*なお今回の旅程は下図のような道のりで、全14日間におよぶ。
カサブランカ→フェズ→シャウエン(シャフシャウエン)→フェズ→メルズーガ→ティンジル→マラケシュ→カサブランカ

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*また確かに空港はカサブランカ中心部から離れている。

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空港と同じ建物の中に駅があって、一等車を238MADで購入。チケットを見たら席が決まってるみたいだけど、他の乗客に聞いたら「どこでもよいよ」とのこと。それならわざわざ一等車でなくてよかったか?

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駅の売店で水を購入。お釣りをもらってびっくり。同じ20ディルハム札なのに柄が違う。どうやら古い紙幣と新しい紙幣があるようだ。描かれている人物は国王とのこと。

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モロッコに到着して間もないが、このわずかな間で既にアラビア語が通じる嬉しさ、コミュニケーションが取れる嬉しさを実感した。

適当な席に座る。電車の窓は泥で汚くて、外が見れない。
田んぼや畑などの緑の自然が広がる中に、ポツンポツンと白い家がある。見渡す限り田舎の風景だ。

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さっき「席はどこでもいい」と教えてくれたおじさんに確認したところ、フェズまで4時間もかかるそうだ。長い、、。2つ目の駅で乗り換えなければならないので、寝るわけにもいかない。荷物もあることだし、見張っておきたい。

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ところでモロッコは人がうざいと聞いていたが、今のところ、みんなやさしい。もしかしたらフェズ、マラケシュのような観光地では物売りや道案内のそういった人たちがいるのかもしれないが、、、。

電車が1つ目の駅で止まった。GPSを見たところ、すぐに2つ目の駅に着きそうだ。ここでチケットを見返して、勘違いしていたことに気付いた。席が決まってるのは乗り換えた後の2つ目の列車だ。次の電車で一等車に乗れるということだ。

2つ目の駅に着いた。乗り換えだ。乗り換え先の電車はすぐに見つかった。どうやら30分後に出発らしい。

*なお、この乗り換えの駅はCasa Voyageur駅で、実はカサブランカの中心部に位置する。空港→カサブランカ中心部(乗り換え)→フェズという道のりだ。

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近くにトイレが無さそうだったので、これから乗る電車の中のトイレを借りた。エジプトのカイロからアレキサンドリアへ行く列車でもそうだったように、線路にダイレクトアタックするタイプのトイレだ。トイレというか電車に穴が空いていているだけだ。

自分のおしっこが、列車の外部の部品を伝って、線路に落ちて行くのが見えた。見た目は汚く、古いようにみえるトイレではあったが、何故だか臭いは全くしなかった。

まだ時間があったので、列車を降りて駅のホームのベンチで待つことに。
列車の下から自分のおしっこがまだぽとぽとと落ちていた。

通りでカサブランカの最初の駅も、電車を待っている時、臭かったもんだ。こうやって、線路に汚物がたまって行くのだろう。

などと考えていたら、誰かがトイレにはいった。
何かが落ちてくるのを直視できる自信はなかったので、それに背を向けて座った。

向かいのプラットホームの柱には、緑をベースにオレンジと白で幾何学模様が彩られている。ちょっとしたことから、マグリブ(モロッコ)を感じる。

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時間が来たので電車に乗り込む。さすが一等車、めっちゃいい席じゃんと思ったら席を間違えていた。どうやら一等車よりも、上のランクの車両があるようだ。

正しい席はコンパートメント席。日本では乗ったことないな。ハリーポッターでしか見たことなかった。というか、やはり窓がきたない。雨のせいのようだ。てか雨降るんだ…。傘持ってきてないな。

*12月~3月は雨が降るようです。降水量は少ないようですが。

6人座れるコンパートメント。乗客は自分を含めて4名。とりあえず外の景色を眺めよう。列車の窓から差し込む光が心地よい。

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と思っていたら、1時間ほど寝てた。アブダビからカサブランカまでの9時間の飛行機で疲れが溜まっていたみたいだ。いつの間にか、どこかに着いた。そして乗客が一人増えた。

その乗り込んできた女性が電話で話している。それがアラビア語だとわかるまで、随分と時間がかかった。信じられない。これがマグリブ(モロッコ)方言か。「例えば」「一つの」という単語しか聞き取れなかった。それ以外はコロンコロン、コロンコロンと喋っているように聞こえる。

*当時の私は、アラビア語マグリブ方言をコロンコロンと表現していますが、今YouTubeなどで検索したりしても決してコロンコロンではないと思います、、、。当時その女性が何を話していたかは、知る由もないですが。

GPSをチェックしたら、まだ道のりの半分程度だ。ほんとに4時間もかかるんだ、、、。

窓から見える景色は広大な野原、山々、、、。
途中、街があったな。白と赤とピンクの建物があって、ちょっとぼろぼろで。

エジプトのカイロは歴史がギュッと詰め込まれてて、いろんな年代の歴史的遺産が混沌としていて人々の人懐っこさみたいなのを面白く感じたが、モロッコは大自然との共生がテーマになるんじゃないかって、車窓から外の景色を眺めながら考えていた。

どうやら次の駅が、フェズらしい。
楽しみである。でもあと30分以上はかかりそうだ、、、。

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そしてとうとうフェズに着いた。

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お昼ご飯のタジン鍋。モッロコ最初のタジン鍋はエビ。

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そのあと、1時間くらい歩いて予約していたホテルへ。
本当にびっくりした。Googleマップがあるのに道に迷った。道細すぎるし、人寄ってくるし、どこを歩いているかわからないし、全然ホテルが見つからないし、、。

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なんとか見つけたホテルはなかなかいい感じ。シャワーを浴びてから、フェズついてネットで調べる。世界一の迷宮と言われているフェズの旧市街地はどこにあるんだろうって調べてたら、ああ、このホテルはすでに迷路の内部にあるんだって。納得。いい場所にホテルを取れていた。

*フェズという街の中に、旧市街と呼ばれる地域があり、そこは建物が入り組んでおり非常に細かい迷路のようになっております。

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夜、少し怖いが、レストランにでも行くかと迷路へ突入。ホテルを出ようと思ったら、ホテルのお兄さんが、迷路案内してやるよっていって近くのレストランまで案内をしてくれた。

これ案内がなかったら絶対迷う。それほどに入り組んだ迷路。

そして夜は本日2回目のタジン鍋。今回はモロッコタジン。モロッコのティーも頼んだらすごいのがでてきた。ミントが効いててうまい。でも絶対入れすぎだと思う。

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そのあとカフェでコーヒーを飲んだ。知らないおじさんがしつこく話しかけてきてさすがに、、、疲れた。「明日一緒に回ろうぜ、案内してやる」とのこと。インシャアッラー(もし神がお望みなら)と言って、バイバイ。

ホテルに帰ろうと思ったら、道を覚えたと思っていたのに、わからなくなってしまった。結局Googleマップを使ってなんとかたどり着いた。とはいえ道中では急にヤギが現れたし、現地の若者にに「ハシーシュ(大麻)があるから家こない?」って誘われたりした。さすがに怖いね。

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一方、ホテルのお兄さんはかなり優しくていつの間にか1時間くらい話してた。日本の文化が好きなようで、日本刀が欲しいとのこと。またアニメも好きなようだ。

他にも、この街で明日どこに行けばいいかということ、この街の迷路の攻略法を教わった。実はフェズに着いた時、フェズ駅でこの街の地図を買っていたのだが、その地図がお兄さんと街について話す時に役立った。

また明後日からシャウエンに行く予定で、明日中にバスのチケットを取りたいんだけど、、という相談にも丁寧にチケット売り場を教えてくれた

*フェズの旧市街の迷路の攻略法、またバスチケットの買い方はは2日目の日記にて、、。

ホテルのお兄さんが言うには、「モロッコではクレジットカードを使うな。そしてバスや電車をネットで予約するな」とのこと。どうやらクレジットカードやウェブサイトの管理が適当であるためトラブルが起きやすいということのようだ。

また「迷路の中には、この街の建国者のお墓がある」とのこと。どうやらそのお墓に向かって、願い事をするのはイスラーム的にはアウトらしい。死人に何かを頼むのはダメとのこと。

いろんなことがあった1日だったが、最後お兄さんと楽しく会話して1日終えることができてよかった。今日のまとめとして最後に支払ったものの値段をメモっておく。

また親切なお兄さんのいるホテルも宣伝。
ホテルの屋上から、フェズの旧市街を見渡せるのも良いところ。

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地図:25 MAD
携帯:150 MAD
列車:238 MAD
昼レストラン:65 MAD
夜レストラン:75 MAD
水1.5リットル:6 MAD
コーヒー:10 MAD
ホテル(シングル):150 MAD
ホテル(ダブル):218 MAD
1泊150MADで、もう一泊泊まりたいと相談したところダブルルームしか空いていなかったので、少し高いがダブルルームでもう1泊することに。

*一人旅というのは、外国語学習者がその土地の言語を学ぶために非常に有意義なものであると思います。この旅でも私はアラビア語学習者としてモロッコを訪れています。

とはいえ、訪れる先々が観光地ということもありますが、観光客相手に商売をしている物売りや道案内役、またタクシー運転手と日々何度もやり取りをしていると、疲弊してしまうのも事実です。(性格にもよるのかなと思います。最初は楽しいなと思いますが。もちろん全て貴重な学習の場であるという心意気でその国に飛び立ってはいるのですが、、。)

そんな中でも、今回の日記のホテルのお兄さんのような出会いは非常に貴重なもので、このような体験の中で生産的なコミュニケーションができたときに言語を勉強していて良かったな、楽しいなと思えるものです。

ですので、せめてそのお兄さんの名前くらいは日記に残しておいて欲しかったなと当時の自分に思ったりするのであります。

2日目に続く。

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