鏡の法則〜こどもの幸せを叶えるために親がまず最初にするべきこと〜
『心理学に基づく子育て講座』や、子育て系の本の『読書会』などを開催していると、「こどもが言うことを聞くようにするには、どうしたらいいですか?」とご質問いただくこともあります。
しかも結構な頻度で。
さらにお話を伺っていくと、
「勉強をしないんです。それどころか宿題すらしない。だから、いつも怒りたくないのに怒らなきゃいけなくて」
「何回言っても、部屋の片付けをしなくて、ついキツく叱ってしまいます」
「ゲームやスマホばかり・・・、毎回怒るまでやめないんです」
などなど、たくさんの不満が出てきます。
しかし、怒ったり、叱ったりしてこどもが言うことを聞いてくれるなら、これらは悩みにはなり得ませんよね?
・・・ん?
ぼくが言っていること、変ですか?
もう一度言いますね。
怒ったり叱ったりして、こどもが言うことを聞くならば、一度怒ったり叱ったりすれば、その後一切同じことはやらないはずですよね?
それなのに、「毎回」怒ったり叱ったりしないといけないってことは、『「怒る」「叱る」に、こどもを変える力はない』ということですよね?
つまり、怒ったり叱ったりすることは、無駄な努力だということです。
そもそも、ぼくたち親は、なぜこどもを怒ったり叱ったりするのでしょうか?
こどものため?
こどもの将来のことを心配して?
こどもの幸せを願って?
どれも不正解です。
本当の理由は
「親自身が幸せでないから」です。
こどもにダメ出しをしたくなるのは、こどもの頃の後悔をこどもに押し付けているだけなんです。
「私の人生は、勉強しなかったからこの程度なんだ」
「ぼくは、学生時代に片付けをしなかったから要領が悪いのだ」
「オレは、遊んでばっかだったから、やりたい仕事につけていないのだ」
と、自分の後悔をこどもにさせないように必死なのです。
こう書くと、一見こどものためのように思いますが、こどもが同じ後悔をするとは限りません。
時代も違えば、価値観や働き方だって大きく変わっていますから。
おそらく、あなた自身もこどもの頃に「親の言うことは、もう古い」とか「私の気も知らないで!」とか、思ったこともあるのでは?
では、こどもに怒ったり叱ったりせずに、本当の意味で「こどものために」、もっと言うと「こどもの幸せを叶えるため」には、どうすれば良いでしょうか?
また、自分と同じ後悔をさせまいと、こどもに余計な心配をしないで、良い関係を築くためには、どうすれば良いでしょうか?
その答えは、先に述べたように
まず、親である「あなた自身が幸せを実感すべき」です。
「子は親の鏡」とはよく言われますが・・・、
朝起きて、鏡の前に立って顔を洗い、その後、髪型をセットするとき、鏡の中の自分に手を伸ばしますか?
まさか!
そんなバカなことはしませんよね?
鏡に映った自分の髪を整えていきますよね。
親子関係はまさに鏡写しだと思ってください。
こどもの中に見える不安や心配事は、あなたが鏡越しに見ている、自分自身が感じてきた不安であり心配事です。それらが後悔となって、鏡越しにこどもの中に見えるのです。
「もし〇〇だったら、今の私は・・・」
と、自分のこれまでを後悔しながら生きている限り、こどもがすることなすこと全てに不安や心配事が映り込んできます。
まず、あなた自身が幸せを実感してください。
「今の私は十分幸せだ」
心の底からそう思えたとき、全ての不安や心配事は「取り越し苦労だった」と思えるようになるでしょう。
だって、どんなに不運な出来事があったとしても、どんなにサボってしまった時期があっても、どんなに勉強以外の遊びに興じたことがあったとしても、今の幸せを創ってくれた「大切なイベント」だったわけですから。
だから、目の前の鏡の中に映った自分(=こども)を幸せにしようとせず、自分自身の方に手を伸ばし、全力で自分を幸せにするような努力をしてください。
どんな過去も素直に赦(ゆる)し、あなたを創ってきた大切な思い出を慈しみ、できる自分もできない自分も、誇らしい自分も情けない自分も、器用な自分も不器用な自分も、かっこいい自分も恥ずかしい自分も、全部全部受け取って、最大級に大切にしてあげてください。
「いろんな出来事を乗り越えてきてくれてありがとう」
「山あり谷ありだったけど、人生をおいしくするスパイスだったな」
「辛い時期や後悔もあるけど、それも込みでわたしなんだよな」
って、自分を認めて、感謝してあげてください。
そうすれば、こどもの中に見える不安や心配事は消え去ります。
そうすれば、こどもの今がどんな状態であろうと、「将来必ず幸せを実感できる」と心底信頼できるでしょう。
今、幸せを実感できているあなたがそうであるように・・・。
最後に、マハトマ・ガンジーの言葉を贈ります。
「他人の中に見たい変化を、まず自分が行いなさい」
幸せは他人にもたらされるものではなく、自分の中に見出すものだと思いませんか?
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