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撮れないかもしれない。でも、撮らなくてはならない。

1/28、あるドキュメンタリーが放送されました。

東海地方の様々な伝統工芸を担う女性が結成した「凛九」の徳川美術館での展覧会開催までを追った番組です。

去年の初夏の時、「写真と力」を立ち上げようと考えた時に、お世話になっているWEB制作会社の社長から紹介されたのが凛九の皆さんでした。僕が「写真と力」で応援したい、小さい力だけど後押ししたいと思っていることと、凛九のみなさんの活動が心の中でシンクロしたので、ぜひ撮らせてください!と、一人一人の元に出向いて、少ない時間だけどカメラを向けさせていただきました。その写真を、WEBサイトでたくさん使わせていただいてます。

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9人ともそれぞれ違う工芸品に携わっているけど、本当に真面目に真摯に向き合っている姿に感動して、僕なりに精一杯写真を撮ったつもりでした。

でもね、さっき番組の録画を初めて見て、それぞれのバックボーンや現実を知ると、「あぁ、まだまだ命の放射を写す事には遠いなあ。」と、思い知らされました。

伝統工芸の職人のみなさんを取材する事、多くあるのですがやはり理想と現実のギャップに直面されている方が多いです。もっと言ってしまえば、いい仕事しようとするほど食ってはいけない現実.....。
それでも、自分の未来を信じて行きている凛九のみなさんの「命」を、本当に撮れていたのかと、番組を見終わった後、心が搔きむしられました。

僕は商業写真のカメラマンです。働く人の取材撮影もほとんど100%に近い人が撮影当日に初めてお会いします。なので、その人の置かれている状況や想いなどを充分に組みとれているかと言われると、難しい。どうしても、ジャズのセッションのように現場での「即興」に任せることになります。その少ない時間で、どれだけその人の「人生」を炙り出せることができるか。それが、カメラマンとしてのスキルだと思います。ライティングとか構図とか色調なんてのは、その次の話です。

限られた時間では撮れないかもしれない、でも撮らなくちゃいけないんです。まして、それで食っていこうとするなら。その日その場所で対象者が放った「命の放射」を。
それを痛感した90分でした。
いやぁ、このnoteを酒飲みながら書いております。反省の酒です。
もう一回、9人全員リベンジ撮影したいですよ。笑

番組ですが、2/9午後12時からBSプレミアムで再放送されます。
ぜひ見てください。
そして、実は徳川美術館での展示もまた行われます!!!!
https://www.tokugawa-art-museum.jp/news/20200128102407/
今回はワークショップも行うので、皆さまぜひ!

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