社会人にこそ知ってほしい、ハローキティから学んだお仕事マインド
ハローキティが大好きだ。
かれこれ20年を超えるだろうか。
人生の半分以上を「キティ推し」として生きている。
サンリオのテーマパーク、サンリオピューロランドの年パスを更新し続けている。ただいま5年目。
仕事が忙しくても毎月通っている。
ショーが良すぎて「おかわり」しちゃう月もある。
計算してみたら、この5年で自宅のある浦安からピューロランドがある多摩まで3,600km移動していた。
3,600kmは北海道は宗谷岬から沖縄の喜屋武岬までの距離と同じらしく、検索するとバイクや自転車で旅する人や、なかには徒歩で歩ききった方のブログが出てくる。

気付けば、日本横断する勢いでピューロランドに通っていた。
ただひたすらにエンタメを楽しんでいただけなのに、ちょっと偉業な気がして嬉しい。
そんな私のはじめてのキティは0歳のとき。
パジャマでデビュー。
当時は私よりも母が好きだった。


このモノトーンコーデも、母のコーディネート。
子ども心に「シックで洒落ている」ととても気に入っていた。
キティ好きは、母からの遺伝も大きいのかもしれない。

学生時代、初めての海外旅行にも一緒に行った。
初めての海外でみるものすべてが新鮮で、キティちゃんと一緒にその景色を目に焼き付けたいと高校生から大事にしていたこのポシェットをぶら下げて歩きまわった。
それから就職して社会人になって、今私はキティちゃんを追いかける情熱と同じ熱量で、テレビをつくっている。
幼い頃から慣れ親しんだキティちゃんを、テレビと共通する「エンタメ」で見直したとき、新たな気づきがたくさんあった。
会社のnoteを好きに書いていいよと言われたので、その気づきを書いてみたい。
おくちは描かれていないけど、舌のメイクをするキティちゃん
ご存知かと思うけれど説明すると、ハローキティはサンリオの人気キャラクター。
フルネームはキティ・ホワイト。生まれた場所はイギリス ロンドンの郊外。身長はりんご5個分。体重はりんご3個分。明るくてやさしい女のコ。誕生日は11月1日。ふたごの妹ミミィがいる。趣味はクッキーを焼くこととピアノを弾くこと。将来の夢はピアニスト、詩人。大好物は、ママが作ったアップルパイ (公式サイトより)
このあたりは暗記で言える。ハローキティ検定の定番問題でもある。

著作:(株)サンリオ
キティちゃん、よく見ると口が描かれていない。
当初からの理由で「ハローキティに口を描かないのは、見る人が悲しいときは一緒に悲しみ、嬉しいときには一緒に喜ぶように見えるから。」(Hello Kitty展 図録より)
だから、キティちゃんがハードロックバンドのKISSとコラボした時は、あの「舌」を付けるかどうか、その時デザインを担当していたデザイナーさんが最後まで悩みに悩んでいる姿をテレビでお見掛けしたことがある(あの舌はメイクということで、最終的には付いていた)。
キティちゃんは、嬉しい時は一緒に喜び、悲しい時にはなぐさめてくれて、弾ける時は一緒に(メイクで)舌を出してくれる、「友情」のキャラクターなのだ。
私にとってそんなキティちゃんは、子どもの頃から当たり前にそこにいてずっと距離が近い存在だった。

高校生になり携帯電話を持ちはじめた頃(ちょうど『写メール』が登場した世代。 日常的に写真には残さず、容量が圧迫するから消しちゃってた)待受画面に自分らしい壁紙を設定するのが流行り、キャラクターサイトで歴代のいろんなデザインのキティちゃんの姿を見つけて、設定し始めたらどっぷりキティちゃん推しになった。

幼稚園の頃は赤と白を基調としたアイテムが多かったキティちゃんが、私が高校生になるまでの間に、モノトーン調でおしゃれになったり、ナース姿になったり、リボンの代わりにハイビスカスを着けたりしていたのだ。
どれも私のカワイイセンサーのツボにハマった。

右: 90年代後半、女子高生を中心にキティラー急増!私が小学生の頃
こうして子どもの頃はいつも近くにいる存在だったキティちゃんが、高校時代から本格的に「私の推し」となった。
当時はまだ「推し」という言葉がなかったので、友人には私といえば「キティちゃん」と言われていた。
いまはテレビをつくっている私が、スマートフォンをつくる人だった時のこと。
スマートフォンの開発は、小さな機器の中に、液晶パネル、カメラや電池などを入れ込むので、いつも厚みとの戦いになる。
持ち運びしやすくて、手で無理なく持てるサイズが大事。
それもあって「このサイズ感がいい」と目標の厚みサイズを設定するのだが、各デバイスの厚みをホワイトボードにそれぞれ書き出して、足し算をしていくが、どう計算しても毎回目標サイズに届かず、はじめはホットケーキみたいな厚みのスマートフォンになってしまう。
開発が進み各部署のメンバーが検討をし尽して、あと0.5mmをどうするか……
そんな時は外観を設計開発する部門の方が「なんとかします」と言って、どうにかこうにか目標サイズに収めてくれて、毎度感動する。
最初は魔法か何かかと思った。
ただただみんな目標とした厚みのスマートフォンを世に出して、それで日常を楽しんでほしいのだ。
それは、キティちゃんの舌みたいだと思う。
本当はおくちは描かれていないけれどメイクだといって、どうにかしちゃうキティちゃんと、スマートフォンの厚みをどうにかしちゃう外観を設計開発する部門。
人を楽しませるエンターテイメントには、「どうにかする気合いが必要」なんだと実感する。

キティちゃんは仕事を選んでる
世間の皆さまにとってキティちゃんと言えば、いろいろな企業や商品とコラボをしているイメージが多いと思う。私もキティちゃんを追いかけ始めたら、コラボレーションの幅広さに本当に驚いた。
もしかすると「そこまでやるなんて、商魂たくましいなぁ」と感じているかもしれない。
だがしかし、キティちゃんはなんでもかんでもコラボしているわけではない。
これは、声を大にして伝えたい。
「やりたいことを全部やって、やりたいことを全部選んだ先が、今のキティちゃんのなのである。」
仕事は選ばない訳ではない、「むしろ全部選んだ結果が今」なのだ。
とはいえ一般的な社会人が、キティちゃんのようにやりたいことを全部やっていたら大変だ。
私はテレビの商品企画の仕事をしているので、なんでもかんでもやりたいことをやっていたら、開発費が天井知らずの成長を遂げることになり、テレビの販売価格もとんでもないことになるのは想像に難くない。
だけど、自分の「やりたい!」という気持ちや直感は、大切にしていいと思っている。
私は子どもの頃から家族みんなでわいわいと見られるテレビが好きで、大人になったらテレビに関わる仕事をしたいと思っていた。
それがいまテレビをつくる人になれたのは、思い返せばキティちゃんのように「やりたいことは全部やる」マインドがあったからだと気付いた。
シャープ入社時の私の配属は、スマートフォン事業本部だった。
実家は岐阜、大学は東京、配属先は広島だったので、東奔西走の大移動だ。
それから4年後、テレビ事業本部の商品企画部門の社内公募があり、憧れだった「テレビの仕事」をすることができるようになった。
テレビ事業本部が栃木県矢板市という場所にあり、宇都宮から電車で30分、さらに最寄り駅からもバスでしか辿り着けない工場の敷地内勤務となった。
親にも「広島の次は、栃木?!」と驚かれたが、テレビに携る仕事をやってみたい気持ちが大きく、広島から栃木へ単身大移動。
広島ナンバーの車を、栃木は宇都宮のさらに奥で乗り回す暮らしを送ることになった。

こう見ると仕事にも通じるものが・・・
商品企画という仕事自体、世間的には華やかなイメージがあるかもしれない。
都会のオフィスでコーヒー片手に英語でオンラインミーティング的なやつだ。
……だけど悲しいかな、私の勤務地は山に囲まれ田畑が広がる場所。
そこでキラキラと輝くのは、ガラス張りのビルでもイルミネーションでもなく、雷鳴。
赴任後に知ったことだが、栃木は日本有数の雷発生地帯らしく、夏は何度「ゴロゴロ、バリバリ、ザーッ!」に見舞われたことか分からない。
でも、今はピューロランドでアイドル顔負けのドレスに身を包んで歌って踊るキティちゃんだって、グッズデザインとして誕生した当初は、おすわりポーズだったし、衣装もオーバーオールだったのだ。

そのキラキラした姿の裏には、地道な努力があるはずだ。

そう思えば、トラックで運ばれてきた何十台もの試作機のテレビを事務棟に運んで多少腰が痛くなろうが、全身ホコリだらけになってクシャミが止まらなくなろうが、構わない。

これからもキティちゃんのように、テレビを通して多くの人にエンターテイメントの楽しさを届けたい。
沼るしかない商品展開
キティちゃんは、ゆりかごから墓場までフォローする商品展開も心強く、私が惹かれるポイントだ。
百貨店に行けば、杖やシルバーカーの売り場にもキティちゃんがいるので、私がおばあちゃんになっても安心。「人生100年時代」に相応しいパートナーだ。
最近は、ベビーグッズも充実していて、おくるみからスタイからメリーまで揃っている。
先日弟に子どもがうまれたばかりの私は、伯母として姪っ子のベビーグッズにも課金が止まらない。
いつか頭の先から爪の先までキティちゃんコーデを組んで、プレゼントしたいと目論んでいる。
当たり前に洋服も靴もバッグも揃うし、ヘアゴムもカチューシャもあるし、キッズ用のアクセサリーや水で剝がせるマニキュアなんかも売っているから実現可能だ。
今から成長が楽しみである。
先日も、まだ文字も読めない姪っ子にキティちゃんのクリスマスカードを送った。

さらにキティちゃんのグッズは価格展開も豊富で、100円ショップから高級ブランドまでコラボするので、お財布事情によってアイテムを選べるのも有難い。
おこづかいでグッズを買う小さなお子さんから、ちょっと背伸びしてブランド品を手にしたい大人まで、誰も置いてきぼりにしない。
包み込むような優しさを商品展開から感じる。
テレビも赤ちゃんからお年寄り、韓流アイドル好きのライブ鑑賞から経済情報の収集までと、使う人の年齢性別は様々で、用途も本当に多岐にわたる。
だから、誰もが自分の使いたいように使ってもらえるよう、テレビと「会話」するように検索できるようにしたりと、実は色々と工夫がされている。
これがあれば、まだ文字の読み書きができないお子さんも、自分の好きな動画を声を使って検索したり、天気予報を調べたりできる。
私の姪っ子も、あと3年もすればテレビとお話できるようになるだろうか。
誰もがエンタメを楽しむには、キティちゃんのような幅広い対応力が必要なのだ。
テレビで、人とエンタメを結びたい
これまでピューロランドに通い続けて、ショーを計100回以上は観てきたと思う。
(同じショーを20-30回は観ていたりもする。)
栃木でテレビの商品企画に携わり、3年後、仕事は変わらず千葉に転勤に。
それを機に、生活も落ち着いたころピューロランドに足を運ぶようになった。
いつ観ても素晴らしいのだが、観る度にちょっとずつ仕草や動きが違っていて、何度見ても新たな発見ができるのがまたいい。

私はこういったエンターテインメントを、テレビを通して見ている人に臨場感豊かに届けたいと思っている。
ただ、私も今でこそ千葉に住んでいて、電車に乗れば生でエンタメに触れられる環境にいるが、生まれ育ったのは岐阜の田舎。
子どもの頃にテレビで見た「東京」は、渋谷も原宿もあるし、東京ドームも武道館もあるし、とにかく華やかでカッコよくて何でもあって、いつも憧れを募らせていた。
だから、住んでいる場所やその人の事情によっては、誰もが同じように生でエンタメを楽しめるかというと「残念ながらそうではない」ことを痛いほど知っている。
いきなりキティちゃんの話に戻るが、キティちゃんがお耳にリボンを付けているのは、心を結んだり、人と人を結んだり、「結ぶ」ことを大切にしているから。
テレビもキティちゃんと同じように、その人が置かれた環境に関係なく「人とエンタメを結ぶ」存在になれると私は信じている。
そのために大切なのは、まさにその現場に自分もいるかのように感じられる没入感。
例えばAQUOSは、あなたがアイドルを推しているのか、プロ野球ファンなのか、映画やドラマ好きなのかに応じて、映像の色彩や明暗を自動で調整して臨場感たっぷりにお届けする。
100万通り以上の映像を学習したAIを搭載しているからこそ出来るワザだ。

きらんきらんです
さらに、最近のテレビは立体音響にも対応したスピーカーを搭載しているので、奥行のあるサウンドも楽しめるのも没入感を高めるポイントのひとつ。
普段スマホで音楽を聴いている方は、ぜひテレビにつないでみてほしい。
音響のために新たにスピーカーを買わなくても、テレビから聴こえてくる音の立体感に驚くはずだ。
ビール片手に野球を観れば、そこはもうスタジアム。
私はキティ推しだけではなく、こちらも子どもの頃から親しんだ野球好きでもある。
観客の声援やバットにボールの当たる「カッ!」という打撃音までリアルに聞こえ、気分はもうバンテリンドーム ナゴヤ(私は中日ドラゴンズファンです)。
お家にいながら実際に目の前で試合が進行しているような臨場感を味わえて、あなたと現場を結ぶことをお約束する。
実際に現場に行った方におすすめしたいのは、撮った動画や写真をテレビで見ること。
スマホの小さな画面ではなくテレビに映すと、その時の思い出が鮮やかに蘇って、もう一度追体験できる楽しさがある。
私はよく、ピューロランドに行った時に撮った動画や写真をテレビに映して、スマホの100倍は大きいキティちゃんを浴びて可愛さを堪能している。
衣装のフリルやレースの細かなデザインも見やすく、なによりでっかい画面で拝む推しは大変よいものだ。
KAWAII仕事術
改めてキティちゃんの魅力を考えたことで、キティちゃんの考え方は仕事に役立ちそうなことが沢山あると気付いた。
キティちゃんは常々「やりたいことは全部やる」と宣言して、まさにその通り生きているからだ。
私も普段からキティちゃんを見習って、テレビの開発現場では「お客様にとってのベストをやり抜けているか」を考え続けている。
テレビはお客様の手元に届いて使い続ける間、その画面にはニュースからバラエティー番組からYouTube動画からアニメまで、実に様々な映像が映し出される。
だから、画面の表示のデザインのたった1ピクセルで、“見やすさ”が全く変わってしまう。
テレビのサイズにもよるが、1ピクセルは砂1粒くらいのサイズを想像してもらえると、どのくらい細かく調整しているかが伝わると思う。
ソフト完成間近だったとしても「ここはやっぱり使い勝手的に変えたい」と思ったら、修正が大変で嫌がられてしまうのが分かっていても「変えてほしいです」と頭を下げてお願いする。
開発の方には「今更それ言う?!」とお𠮟りをいただくこともあるが、その先にいるお客様のことを思うと、やれることは全部やっておきたい。
もちろんギリギリに無理難題ばっかり言う奴だと思われないために、普段から職場の人とは良い関係を築けるよう心掛けている。
キティちゃんはよくサンリオの企業理念「みんななかよく」を伝えている。
私が大好きなピューロランドのショー「KAWAII KABUKI」での名言「あなたの夢は、私たちの夢。私たち、同じ心で繋がっているわ。」
そう信じて、同じ商品を一緒に創り出す仲間とは同じ夢を見ていたい。
社会人にとっての「なかよく」は、「根回し」とも言えるだろう。
そう思うと、キティちゃんが言う「やりたいことは全部やる」というのは、好き勝手に自分のいいようにやるのではなく、「いつも自分らしくいたい」という心掛けのことだと分かる。
たとえそれが、他の人から見たら「仕事を選ばない」ように見えても、「自分ができることを全部やることは、きっといい仕事につながるはずだ」と信じたい。
仕事で悩んだ時「キティちゃんだったらどうするかな?」と考えてみると、一歩前に進めることがある。
キティちゃんのシゴデキマインドに、いつも心を掴まれている。

最後に・・・テレビオタクでもある私の話をあとがきに変えて
映画やドラマを観ている時に気になる「黒っぽいシーンになると、画面に自分が映って興ざめ」問題。

あの現実に引き戻される感覚をなくすべく、液晶パネル表面に映り込みを抑えた処理を施して、エンタメに没頭できるようにしている。
他にも、小さなお子さんがいるお家だとあるあるだと思うのだが「リモコンを子どもがいつの間にか握りしめていて、爆音になっちゃう」問題。
こちらはテレビの最大音量を制限する機能により防ぐことが可能で、料理中に慌ててリモコンまで駆け寄る、なんてことをせずに済む。

ハンズフリーの音声操作に対応しているテレビには、「OKグーグル、テレビをつけて」と声を掛けるだけでテレビがつくので、せっかちさんは手を洗う前にテレビを観ることができる。 (まさに自分)
こんなふうに、テレビは映像を観る以外にもたくさんの使い方がある。
だが正直なところ、テレビを「ただの黒い板」と思っている方が多いのが現実。
商品企画の一員として、便利な使い方をYouTubeやXで発信したり、家族や友人など身近な人たちには草の根活動的にその人にあった使い方を提案しているが、まだまだ全然テレビの魅力が伝わっていないと感じる。
でも、キティちゃんだってはじめから人気だったわけではなく、サンリオキャラクター大賞で1位に輝いたのは1998年がはじめて。
誕生から24年後だ。
私もめげずにテレビの魅力を伝え続けて、AQUOSで人とエンタメを結んでいきたいと思う。
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