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突撃SHARING NEIGHBORS! ココナラ代表取締役 南章行さん 「シェアは生きるためのインフラになる」

シェアリングエコノミーに関わる方々と一緒に「シェアって何だろう?」を考えるインタビュー企画「突撃SHARING NEIGHBORS!」。今回は、スキルシェアサービス「ココナラ」の代表取締役であり、シェアリングエコノミー協会の理事も務める南 章行さんにご登場いただきます。

南 章行(みなみ・あきゆき) 株式会社ココナラ CEO
慶應義塾大学卒業後、新卒で株式会社三井住友銀行(以下 三井住友銀行)に入社。クレジットアナリストとして勤務したのち、株式会社アドバンテッジパートナーズ(以下 アドバンテッジパートナーズ)に転職。並行してMBAを取得、NPO法人の立ち上げなどに携わり、2012年に株式会社ウェルセルフ(現ココナラ)を設立。

金融マンからココナラを起業するに至ったストーリーから、シェアリングエコノミーを生きるインフラと表現される理由についてお話を伺いました!

厳しい社会だからこそ、敢えて「金にならない、心を満たす仕事をしよう」と言いたい

まず前提として、これからの社会って結構きついんですよ。少子高齢化が進んで、高齢者を支えるための負担が多くなって、一方で人生100年時代が始まって80歳まで働かなきゃいけない。今の時代を生きてる人って、お金の不安はもちろん、ひとつのことをずっとやっていてもキャリアアップが続く保証もないという不安もあって、とにかくみんなが不安を抱えてる時代だと思うんです。

そんな中で、「こうすれば大丈夫」なんて正解はない。結果的に正解になるようなものを見つけるためのヒントが、「金にならない仕事をする」ことだと思っているんです。

「金にならない仕事」は、平たくいうと「お金じゃない目的でする仕事」。好きじゃないけど得意なこととか、好きじゃないけど我慢できる仕事でお金を稼いでる人もたくさんいると思うんですよね。「お金じゃない目的でする仕事」とは、「お金を稼ぐ」というところを外すと、それは「好きなことをやる」ということになります。

例えば僕は、以前はNPOを週末にやったりしていました。最近では、友達とオリジナルビールを作ってみたり。
週末にNPOやるとか、友達の会社手伝ってみるとか、そんなんでいいんですよ。それで何がもたらされるかというと、「これをやっている限り、自分の心は満たされる」というものが見つかるんです。自分の心を満たすものがなぜ大事なのかというと、それがあるだけで結構幸せに生きていけるからです。

心が動くことから学ぶ。「シェア」は、その一歩を踏み出すきっかけになる

今稼いでいるものが将来も稼げるとは限らないですよね。1番しんどいのは、やりたくもないことを頑張っているのに稼げなくなること。地獄じゃないですか、そんな状況。

よく”学び直し”とかいう人が居ますけど、学びは座学的なものだけではないし、何かを学ぼうとすると、人ってついつい「これを学べば手に職がついて稼げる」とか、頭で考えたものを学びに行っちゃうんですよね。

「学ぶ」って、日本人にとっては苦痛というか、修行みたいな要素が入ってくるんですよ。
学校教育の影響だと思うんですけど、何かで成功するには、今を我慢して学ばねば、みたいな発想になっちゃうんです。そんな学びに未来なんて無いですよ。

やりたくないこと無理やりやったって、本気になれないから好きになれないし、そこで気の合う仲間も見つけられない。お金になるか分からなくても、心が動くことをやっていった方がいいんです。

好きなことは、苦もなく一生懸命頑張れる。その結果新しいスキルが身についたり、ネットワークが広がったりしていく。行動から様々なものを学んでいく。それが結果として、新しい稼ぎに繋がっていったり。好きなこと、お金にならないことを本気でやると、逆説的だけど、80歳まで働けるタイプの人間に変わっていけるんですよ。

心が動くことをするって、きっかけがすごく難しいと思っている人も多いと思うんですけど、まずシェア的な仕事で踏み出してみるっていうのが実はすごく手っ取り早いんです。シェアリングエコノミーは、個人が簡単に売り手になれるものがる。あるいは自分が何かを始めた時に、個人が簡単に仲間を見つけられるプラットフォームにもなる。

一歩を踏み出す個人にとって、シェアはとてもいい場所だと思うんです。

金融マンだった僕がシェアサービスの代表になったのも、心動く行動から。

僕自身が「心が動くもの」を選んで生きてきたんですよね。
僕もともと金融の人で、起業する前はバリバリの金融マンで企業買収とかやってたわけですよ。

ある時NPOを立ち上げたんです。高校生大学生向けの音楽を使った社会教育プログラム「ブラストビート」。これ、お金稼ぎたいとかじゃなくて、やりたかったからやったんですよね。音楽好きだったんで、それで子供達に何かしたいな、と。

NPOの活動を通して、子供達は元気になるだけじゃなく、やってる大人が元気になるっていう発見をしたんです。「会社とは別に、自分の得意なことでだれかの役に立つことがこんなに嬉しいことなんだ」って学んだんですよ。自分が「機能している」感覚を持つということが、人間の根源的欲求なんだ、って気がついたんですね。

これをもっと広げたらもっとハッピーになると思って、次に始めたのが「二枚目の名刺」というもの。

これはその名の通り、本業とは別に2枚目の名刺を持とうよっていうサービス。社会人とNPOをくっつけることで、”会社人を社会人に変える”ということをやっていたんですけど、案の定ハマったんですよ。みんなそこで新たな能力というか、そういうのがどんどん覚醒していくんです。

でも、これって一部のエリートの人だけが恩恵を得るっていう見方もできるなぁと思って。
そうじゃなくて、誰でも”その人ならではのことがある”よねって。

そこで、誰もがちょっとした経験をだれかに伝えることで人の役に立てる、そんな仕組みを目指して作ったのがココナラなんですよ。

ココナラは3人で起業してるんですけど、NPO活動をしてる中で出会った人たちなんですよね。その3人で一緒に働いたこともなければ、そもそも出会ったのはTwitter。なのに、それぞれ会社やめて起業しちゃったんです。

全てはNPOを始めたことでコロコロ動き出してるんですよね。
組織をゼロから立ち上げるとか、雇用関係がなくてもミッションで人を引っ張るみたいなスキルをNPOで身につけた。しかも、そこで事業アイディアも見つけたし、仲間も発見した。それで今の僕がいるんです。

ちょっと一汗かいてみるくらいの突っ込み方をしたほうが、人生面白いことになるもんです。

キャリアじゃなくて自分のストーリーを生きる人が、将来をたくましく生きる人になる。

10年前の僕は80歳まで働けるかすごく不安だったんですよ、実は。でも、いまは結構自信があるんです。

起業家になれというつもりはないけど、会社の枠を一歩踏み出してみると、僕もそうだったように、人生が転がり始めると思うんです。その一歩を踏み出すきっかけとして、シェアリングエコノミーを使ってくれるといいなと思います。

ココナラのビジョンは創業以来変わってなくて、"一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中をつくる”なんですよ。

いまの社会って、「生きること」と「労働」がニアリーイコールになっているんです。「自分のストーリーを生きる」の対義語って、「キャリアを生きる」だと思っていて。

昔は「こうやったら役職が上がって、稼げるようになって」みたいなキャリアアップができる時代でしたけど、今って、そんなの通用しないんですよ。世の中が変化して自分の仕事が不必要にすらなってしまう。すると途端に苦しくなりますよね。

キャリアアップという軸ではく、自分のストーリーの中から信念やそれを体現できる何かを見つける。

例えば僕は、子供が生まれた直後に銀行員を辞めて、ベンチャーステージの買収ファンドに転職したんですけど、とにかく周りに「なんで?」って言われるわけですよ。なんで大手銀行から名もないファンドに?なんでキャリアを捨てるの?って。めちゃくちゃ忙しい中でNPOを立ち上げた時も、ファンドの高給を捨てて起業したときも「なんで?」って聞かれまくりました。

銀行を捨てて小さいファンド行って、金にならないNPOやって。こっちの方がキャリアアップできるから、なんて言っても、みんな納得しませんよね。でも、自分のストーリーとして話すと、面白いくらい「なるほどね」って納得してくれるんです。

逆説的だけども、こんな風に自分のストーリーを生きていく人が、たくましく生きていく力を身につけると思ってるんです。

「自分らしく生きる」ではなく、「自分のストーリーを生きていく」という言い方をしてるのは、そういう意味合いがあるんです。他人に語れるストーリーがあって、「こんな方法で存在価値を出していきたい」という ”信念“ がある状態になっていることが大切で、きっとそういう人こそ、これからの人生をしっかり生きていけるのではないか、と考えています。

ココナラがやりたいことはそういう人を増やすことで、その一歩を踏み出すためにココナラを活用してくれる人がたくさん居たら嬉しいですよね。

しんどい世の中だからこそ、シェアが生きるためのインフラになる。

シェアとかシェアエコって気軽に言いますけど、シェアしてハッピーなんて、そんな可愛いものじゃないのも事実です。お金じゃないものを大切にすべきだけど、一方で生活が楽な時代ではないので。お金欲しいに決まってますよね。

国も企業も助けてくれないから、自分たちで支え合って生きていくしかないんです。支え合って生きていくためのインフラなんですよ、シェアリングエコノミーって。

娯楽的なシェアも、それはそれであっていいんです。生きていく中でエッセンスとしての楽しさはあっていいんですけど、それをみんなに広げるのはちょっとお花畑すぎますよね。生きていくために必要、シェアのそういう側面を無視しちゃいけないんです。

国や企業の代わりに、あなたがインフラを作るんだよ。そうじゃないと皆しんどいよね。
そういう前提でシェアエコを設計しています。

そういった生きるためのインフラの上で、自分らしさを求める動き方ができれば、慎ましやかだけど幸せになれる。それが大事です。

シェアがインフラになるには、まだまだいくつもの壁があります。だからこそ、一歩を踏み出したいと思った時に、個人で簡単にビジネスができて、コミュニティを作るプラットフォームにもなるシェアを使ってみて欲しいと思います。シェアがインフラになる世界、誰もが「自分のストーリー」を生きていける世の中をつくっていきたいですね。

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「いつかロックバーもやりたいなー!」と、素敵な笑顔で話してくださった南さん。
自分でも人生を思いっきり楽しみながら、自分のストーリーを生きる方を増やせるように邁進されています。南さんの話をもっと聞きたい…!と思った方に!

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シェアリングエコノミーを通して個人の支え合いを促し、個人が主役となる社会を目指して、一般社団法人シェアリングエコノミー協会から発足した次世代のライフスタイルコミュニティです。シェアで暮らす、働くことに関する情報交換をオンライン上で行ったり、イベントを開催したりしています。







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