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【シェア街住民インタビュー】現役美容師が、佐賀県で民泊をスタートしたワケ|横山広海さん

神奈川県藤沢市で美容師をしながら、「コミュニティの作り方を学びたい」という想いで、シェア街に参加した関係住民の横山広海さん。今回は、新たにスタートするという、空き家を活用した民泊事業や「デジタルハウス」なる、新たな構想について、話を聞きました。

──現在の仕事や活動について教えてください。

神奈川で美容師をしながら、祖父の実家である佐賀県唐津市で民泊事業の準備をしています。宿泊施設の名称は「からつの家 よこやま」です。民泊のことを周りに話すと、行ってみたいと興味を抱いてくれる方は意外と多い。それでも、まだまだ唐津という場所の魅力が届いていないと感じています。

同時に進めているのが、「唐津デジタルハウス」構想。民泊は、一度に泊まれるのが約11名なので、例えばVRなどを活用し、オンラインで唐津と繋がることができる場を作ろうとしているんです。

デジタルハウスは、最初に入ってくるメンバーと一緒にコンテンツ内容を創っていけたらいいなと思っています。例えば、唐津を創っていくプロジェクトに、県外の方々が参加できるようにしてもいいなと。人に会いに帰ってきてくれるような場作りや地域課題などを実装できる社会実験をしたいと思っています。

 ──横山さんが考える唐津の魅力を教えてください!

観光と生活の垣根がないところが面白いなと感じます。観光客からお金を取ろうという意識も強くなく、名所である唐津城は大人でも入場料500円、唐津神社は無料です。

日本家屋の素敵なお家も多く、眺めていたら、お家に招き入れてくれたこともありました。「からつくんち」というお祭りのために、リノベーションをしたそうで、コロナの前はお祭り当日は、何百人もの料理を作ることもあったそうです。

からつくんちは、当日振舞うお料理などに3カ月分の給与を投入する方もいるようなお祭りで、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

「一度行って終わり」にしない旅の選択肢を作る

──唐津で民泊事業をすることや、デジタルハウスを作ろうと考えた想いや背景を教えてください。

旅行に行く時って、無意識に見聞きしている情報をもとに、行き先を決めることが多いですよね。

唐津という場所自体を知ってもらい、唐津が旅に行く人の選択肢に挙がるキッカケを作りたいと思っています。

最終的に目指すのは、移住だけでなく、関係人口も増やすこと。一回行ったら終わりではなく、ちょこちょこ来てもらう。住んでいなくても、地域を盛り上げる活動や、新しいことができる選択肢を拡げていきたいと思っています。

そういう関わり方なら、東京に住んでいる方が、東京の情報を唐津に持っていけますし、逆もまた然りです。

──新しいことをしようと思ったキッカケは何かあったんでしょうか?

コロナ禍、美容室の時短営業をしているとき、「今後の未来はどうなるのだろう」と考え、仕事後に学びの時間をとるようにしました。働き方が変わり、人と会う機会も減る。「人と会うことの概念自体が変わる」と感じたときに、30年後に同じ働き方はしていないと実感しました。

オンラインセミナーやコミュニティでも色んなことを学びました。例えば資本主義について。資本主義社会は利益を求めるため、ときに環境に悪影響を与えるような生産活動をすることがあります。利益を出し雇用を守るために続く資本主義に矛盾を感じました。

空き家を再生しようと思ったのも、60年前の家を使って、循環していきたいと思ったからです。今作れないものを大切に守っていきたいなと感じました。人が減る前提で、低コスト・低リターンで考えていきたいと感じますね。

唐津愛を表現し「みなさんが好き」を伝える

──唐津の知り合いはどんな風に作っていったのですか?

シェア街に入った際、LittleJapanのスタッフ大木さんから、唐津に知り合いがいると教えてもらい、オンラインで繋がったことが最初のキッカケです。そこからいろいろな人を紹介してもらっています。シェア街のオンライン交流会でも、大木さんともクラスが一緒で、改めて話すことができました。彼と話したことで、唐津の方を呼んで「唐津のよさを伝える会」のオンライン開催ができました。

先日は「FMからつ」というラジオ番組にゲストで呼んでもらいました。自分が応援したいと思っているのに、唐津の方から「活動を応援したい」と言ってもらえるんです。意識はしていなかったですが、自分が唐津愛を表現することで「みなさんのことが好き」ということが伝わる。その結果「応援したい」という反応をもらえているのかなと感じています。

──以前、ヒト・モノとコトを繋ぐ「唐津人物産展」というイベントも開催されていましたね。

今は、友人の美容室も手伝っているのですが、そこのお客さんにアルコールアートの「レジンアート」をしている方がいて。隣のお店でワークショップを開催する企画が動いていたんです。

ちょうど僕も、唐津から持ち帰った若い農家さんの野菜を売りたいと考えていたので、そのイベントで販売することになりました。唐津の方が作ったアクセサリーやキャンドルも販売しました。唐津での活動を知ってもらうために、「からつんち」のYouTubeを流して、お祭り気分になるようにもしました。

イベント情報をLINEやInstagramで流したら、初めてコンタクトをとってくれる方が数人いたんです。

そのなかの一人に、唐津から神奈川に4月に引っ越し、イベントに来てくれた方がいました。なんとイベントを機に、うちの美容院で働いてくれることになり、カラー待ちをしているお客さんに「体質改善リンパマッサージ」をしてくれています。そういう繋がりができるのも面白いですよね。

属性を問わず、繋がれるキッカケが多い

──シェア街をどう活用していますか?

コミュニティの作り方を学びたいという想いで参加したので、自分がコミュニティを作るための繋がりや、助けをもらっています。

シェア街内での「シェア街学園」というクラス会では、年齢差があるメンバーと話ができて楽かったですし、オンラインでもこんなフラットなコミュニケーションが出来るんだという学びもありました。

コミュニティラボという拠点で、唐津の魅力や今後の民泊事業についての登壇もされた横山さん。

──横山さんが感じる、シェア街の魅力を教えてください!

関わっている人のバラエティが広く、属性を問わずに人と人が繋がれることだと思います。シェア街内では、繋がりたい人もすぐ見つかると思うので、人材紹介の仕事ができれば面白いのではないかと感じるくらいです。

──やりたいことはあるけれど踏み出せていないという方へ、メッセージをお願いします!

やりたいことがあっても「無理だろう」と考えてしまう人は多いと思うんです。でも、今は便利で、理想としていることは絶対できるはず。

例えば、デザイナーを経験したことが無くても、ネットの情報を駆使すれば、形にすることはできる時代だと思うんです。「できる」という前提で物事を考えていくことが大切だなと思います。

自分では出来ないのであれば、できる人を探すこともできる時代。コミュニティ内でも見つけられると思うんです。踏み出せていない人がいるならば、「理想を一緒に創ろうよ」ということを伝えていきたいです!!

執筆:品田佳実
編集:露原直人
写真:提供写真


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