SHIP4期生遠隔説明会__2___1_

コミュニティの繋がりで、ヘルスケアの課題をゆるやかに解決していく

 オンラインコミュニティがブームだ。オンラインコミュニティと検索すれば、多くのコミュニティが表示される。ヘルスケア業界でも少しずつ、オンラインコミュニティが生まれてきた。一方で、オンラインコミュニティは運用の難しさから、数年で自然消滅をするケースも多い。

 僕たちも数年前から、ヘルスケアのオンラインコミュニティ(SHIP)を運営している。運営メンバーと試行錯誤を続け、1年9か月という月日がたった。少しずつだけど、SHIPもコミュニティとして機能をし始めているように思う。そんなSHIPが4期生の募集を開始した。SHIPもこれで100名を超える大型のコミュニティへと変化をしていく

 
 僕らが運営するオンラインコミュニティSHIPは、医療・介護職問わず、ヘルスケアに広く興味関心がある人が対象だ。誰かの船出(一歩)を皆で祝い、背中を押す場所になれればという思いで、SHIPという名前をつけた。目指すイメージは、船着き場で出航前に皆でお酒を飲みながら雑談をしている様子だ。それがSHIPのPのパーク感。だからこそ、僕らは日々の“雑談”を大切にするコミュニティ設計に力を注いでいる。

 
 新しいメンバーがSHIPに入ると、まず驚くのは話題の幅の広さだと思う。SHIPではヘルスケアの情報だけに留まらず、広い分野の情報交換がされている。また、日々の他愛の雑談も多く、今日あった嬉しいことや気がかりに思ったことをシェアしている。ある人たちから見ると、なんの意味もない雑談をしている様に写っているかもしれない。でも、僕はこの雑談にこそ、SHIPの価値がつまっていると思っている。

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 僕たちがSHIPで繋がりたい人の一例として、「ヘルスケア業界で何かをしたいと思っているけど、なかなか一歩前に踏み出せない人」がいる。よく、何かを成し遂げるためには「行動するか・行動しないかの2択だ」と言われる。僕もこの意見には賛成だ。でも、これは2者択一じゃなくて、グラデーションがあるように思う。

「やりたいとは思っているけど、やり方がわからなくてできない人」
「何かはやりたいけど、何かがわからない人」

 こういう特性の人に対して、コミュニティはその人を"一歩前"に動かすための装置として機能すると僕は思っている。

①自分の考えを話してみる
②”何か”が何かを一緒に深ぼる
③まずは小さなことをやってみる

 コミュニティ内で、新しい知見や違う価値観を持つ他者と触れ合い、雑談をする中で、自分の中でやりたいことの解像度を上げていく。少しずつ自分のやりたいことが見えてきたら、メンバーと意見交換をしてみるといい。その分野に詳しい人に聞いてみるのもいいかもしれない。もし、自分のやりたいことが見つかったら、コミュニティ内で実験的にやってみよう。一緒に実践する仲間をコミュニティ内で募集しても面白いと思う。

 クローズドなコミュニティの中で仮説検証的に実践をして、小さな成功体験を積み、自信に変えていく。そして、コミュニティで得た自信をオープンの場で披露する。この循環の繰り返しでSHIPのアウトプットはできている。このサイクルの中心にあるものが日々のメンバー間での雑談だと僕は思う。だからこそ、メンバーの「△△をやりたい」、「○○が好きだ」という小さな声が届きやすい、雑談を中心とした設計にしたい。

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 一方で、単に「オンラインコミュニティ内で雑談しましょう」と言われてもとても難しい。オンラインコミュニティ内で発言をいかに誘発するかは、オンラインコミュニティの運営者が一番悩むポイントだと思う。ちなみにこんな研究もある。

ネットコミュニティにアクセスする人は、黙って他人の書き込みを読んでいて発言を行わないROM(Read-Only-Member)と未知の他人の前で発言するRAM(Radical Access Member)とに分類される。しかしネットコミュニティは、ROMだけでは成り立たず、ネットコミュニティに参加し、積極的に書き込みをする人がいなければ情報が増えない   

        (参照:ブランドマーケティングにおけるネットコミュニティの活用)
  

 誰も知らない環境でいきなり発言することはすごく勇気のいる行為だ。実際、自分が他のオンラインコミュニティに入った時には、発言を躊躇する。だからこそ、「ここは発言してもいい場所なんだ」という安心感の醸成と発言に対する意味付けが必要だ。そのためのルールとツール設計を、限りなく自然な形で設計するのが、いわゆるコミュニティマネージャーの仕事なんだと僕は思っている。

 
 コミュニティ開始当初は、オンラインコミュニティ内での発言数が少なかったSHIPも試行錯誤を続け、いくつかのルールとツール設計をすることで、少しづつオンラインコミュニティ内での雑談の数が増えていった。同時にメンバー発信のプロダクトやイベントがいくつか生まれてきた。

  皆でチームに分かれて行うチーム活動では、ワクチン啓発動画やLInebotが生まれた。開始当初から毎月行っているイベントの運営数は50を超えた。年に3回の大型イベントの運営も行っている。また、SHIPに入って、開業や転職をされて、人生の転換期を迎えられた人も多くいる。

 
 メンバーの人生の転換期をSHIPで一緒に迎えられることはとても嬉しいことだ。そして、誰かの一歩が違う誰かの一歩を踏み出すための火種となる。この連鎖がコミュニティ内で継続的に続くと、ヘルスケア業界に少しばかりいい影響が与えれるのではないかと思っている。SHIPはこれからもヘルスケア業界の小さなアクションが生まれる場でありたい。

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 SHIPの募集方法は期間制で、ある一定の期間のみかつ人数制限を設けて、メンバーを募集している。オンラインコミュニティはどこから会話に入っていいかわからないという問題がよく頻発する。だから、途中からバラバラと入る設計より、一定人数が同時期に入る設計の方が、会話のスタート地点が解りやすく、結果としてコミュニティに馴染みやすいのではないかと考えた。これは他のオンラインコミュニティの仕組みを参考にさせていただいた。

 ゆっくりなスピードだけど、温度感が合う人たちと一緒にSHIPを育てていきたい。

 もし今、現場や学校、プライベートで何かしら違和感を感じている人がいましたら、SHIPで共有してくれませんか。あなたの日々の違和感の提供がSHIPでは何よりもありがたく、貢献に繋がります。

 アクションの大小は関係ありません。アクションの形は人それぞれでいいと思っています。今の自分を少しでも前に進めたいと思っている方、お待ちしています。

(ばいばい)



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