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ハプニングもなんのその!臨機応変に対応して実現させた保健ボランティア研修東ティモール事務所インターンブログ「ロロサエ ティモール #5」  


Botarde(ボタルディ:テトゥン語でこんにちは)、東ティモール事務所 学生インターンの堀内です。以前にのブログ記事「より良い研修を目指して~みんなで作り上げた研修~」(https://note.com/share_jp/n/n711e6c1387dc)で保健ボランティア向けの研修を企画準備したことを書きました。
今回は、東ティモールで行われる研修がどういう雰囲気なのか、お伝えしたいと思います。

※保健ボランティアとは地域住民から選ばれ、保健行政に登録されたボランティアです。東ティモールではSISCaと呼ばれる移動診療の活動を補助するのが一番の役割です。それ以外にも、住民が病気になったら医療施設へ連れて行ったり、妊婦健診へ促したりと、言わば、医療施設と地域住民の架け橋のような存在で、地域保健のために無くてはならない存在です。
今回の研修は保健ボランティアに母子保健の正しい知識を持ってもらい、地域住民に広めてもらえるように企画されました。

東ティモール流時間と時間管理の難しさ

東ティモールでは住民やボランティアさんを対象にした研修は、Sede Suku(セデ・スク)と呼ばれる村の集会所を使うことが一般的です。屋根と床があるだけで、壁はない吹きさらしの建物です。日本のように参加者が電車に乗ってくることはなく、徒歩やバイクで会場に来てくれます。

東ティモールでは、研修を時間通りに進めることは簡単ではありません。フォーマルな研修やセミナーの際には、村長や保健センター長などの挨拶で開会しますが、大抵の場合、開始時刻に遅れてやってきます。やっと到着して挨拶が始まっても、挨拶の時間が長く、序盤から時間が押すことが多いです。挨拶の最後には、机を3回こぶしでコンコンコンと叩きます。それが、研修開始の合図です。

研修の合間にはコーヒーブレイクが入ります。東ティモール人は話すのが大好きなので、講義時間も伸びていき、予定の時間をオーバーすることがしばしばです。

研修にはハプニングが付き物

11月の半ばに行われた研修はハプニングの連続でした。

  • 挨拶をする予定の人が遅れてきた

  • 予定していた会場がヤギの糞で汚れており、急遽違う会場を準備しなければならなくなった

  • 研修を行った会場と同じ敷地内で別のイベントも行われていた

  • 講義を行うはずのシェアスタッフが病気で欠席した

などなど、数えきれないほどのハプニングがありました。

しかし、シェアのスタッフはすぐに集落長とコンタクトを取って会場を変更したり、休みのスタッフの代わりに、急遽別のスタッフが講義を行ったりと、その都度、臨機応変に対応していました。ハプニングに見舞われ時間が押していましたが、時計を気にしたり、コーヒーブレイクの時間をピッタリにしたりする等、対応を試みていました。また、研修の振り返りでは、時間管理を問題点に上げており、次回の研修に向けて対応を検討しているところです。


使用予定だった場所にはヤギが居座っていました
代替会場をみんなでお掃除

保健ボランティアへの研修内容


研修では、始めに母親対象の調査結果を参加者と共有しました。村に住む母親たちの現状を知ってもらうことで、研修やその後のボランティアによる啓発活動のモチベーションにするためです。

その後に保健に関する情報(産前産後の母親の健康、下痢、Covid-19、結核、デング熱)へと移りました。各トピックスで、最初にグループワークを行い、参加者の考えや経験を共有していただきました。次に、シェアスタッフが、該当するトピックスの情報を伝えるという流れでした。最初にグループワークを行うことで、既に知っている知識の呼び起こしや、その後のSHAREスタッフが行うプレゼンテーションへの興味に繋がり、ひいては、内容への理解にも繋げることが出来たのではないかと感じました。参加者が発表する機会も多く、受け身の受講にはなりづらかったこと、区切り区切りで内容の復習を行った点も良かったと思います。

保健ボランティアはコミュニティの人々の健康に欠かせない存在です。研修を通して、彼女たちが情報や知識を得ることで、ゆくゆくはそれらが村の母親たちに伝わっていきます。保健ボランティアが今回学んだことを地域で活かせるよう、フォローアップも行っていく予定です。


シェアスタッフによる講義
グループワーク
参加者の発表①
参加者の発表②

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文責:東ティモール事務所 インターン
堀内好恵

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