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学校にもキレイな水を!給水設備支援の活動

日本の皆さん、こんにちは。お元気ですか?
私の名前はジョシオといいます。2022年4月からシェアのスタッフとして勤務しています。
今回のブログでは、シェアがアタウロ県とディリ県メティナロ郡の学校へ給水設備の設置を支援したことについて共有します。


支援された設備で手洗い指導を実践

支援前の学校の状況

皆さんもご存じの通り、水はすべてのものにとって、とても大切なものですよね。
シェアは、活動の一環として各学校に水に関するインタビュー調査を行いました。そして学校が抱える水衛生の問題点を探り、支援を行う学校の特定をしました。この調査をもとにアタウロ県では4校に、メティナロでは2校に給水設備の設置工事を行いました。
私たちが行ったインタビューで明らかになった問題は主に以下のようなものでした。

1.          衛生環境が悪い(トイレが流せない、掃除ができない)
2.          手洗いの指導をしても、実践する水がない
3.          学校給食を提供する際、水汲みに遠くまで行く必要がある

私がインタビューを行った際、トイレの状況も見せてもらいました。そこで目の当たりにしたのは劣悪な環境でした。悪臭がし、このようなトイレでは学校を楽しく健康的に過ごすのは難しいだろうな、と思いました。
学校の先生たちが特にインタビューで話していたのは、手洗いの実践についてでした。東ティモールでも新型コロナウイルス感染拡大の際は「手を石鹸で洗いましょう」と学校で指導をする必要がありました。しかし、先生たちの心の中では「トイレを流す水も無いのに、手洗いをしなさいと指導することができるだろうか…」という思いがあったと言っていました。

支援前のトイレの状況

東ティモールでも、学校給食が行われており、栄養のある食べ物(主にお粥と野菜)がワンプレートで提供されます。食事をつくる際、水は重要ですが、学校に水が無いために、「ペットボトルやポリ容器に水を入れて一人ずつ持参するように」と生徒たちに指示することもあったようです。
各学校から聞き取りを行い、支援する学校を特定したあと、給水設備の配管デザインを作成しました。これは私にとって初めてのことで、非常に大変でした。水がどこからきてタンクに入り、タンクからどうやって水が学校の水道から出るか、そのデザインを作成します。給水設備工事担当の方と学校を回り、水源まで足を運んでデザインをつくりました。
その後、できあがったデザインを学校の先生にも見せ、合意が得られたら、先生たちにメンテナンスについて話し合いをしてもらいました。メンテナンスについて学校の中で合意が得られていないと、私たちが設備を支援しても、時が経てば管理されなくなり、今までと同じことの繰り返しになってしまうからです。

デザインを学校のスタッフと確認

メンテナンスを学校と村で

メンテナンス会議には、学校の校長、先生の他、村長も参加しました。どの先生たちも議論を活発に行ってくれていたことが非常に印象的でした。「支援を受けて終わり」ではなく、自分たちが責任を持って月に1度のタンクの清掃を行い、学校の生徒も一緒に衛生環境を整える掃除をしていきたい、と話してくれました。月に1度必ずメンテナンスを行うことで、早めの対応をすることができ、修繕費用も少なく済みます。その費用に関しても、実際に学校が集められるかどうか私は心配していましたが、学校の衛生環境を整えるための予算があり、それで賄うことを約束してくれました。
給水設備を子どもたちの健康のために長く使っていきたい、という先生たちの想いがとても嬉しかったです。

メンテナンス会議の様子

ついに学校に給水設備が!

配管工事と水タンク、水道の設置が無事に終わり、ついに学校への給水設備譲渡式が行われました。
給水設備を受け取った学校の先生たちは本当に喜んでいました。保健を教える先生は、「これまでも生徒に手を洗う大切さを教えていましたが、水がないために実際に手を洗う練習もさせてあげられませんでした。これからは石鹸で手を洗うことも自信を持って教えられるし、手の洗い方も実際に水を使いながら指導することができます。身を持って手洗いの大切さ学んだ生徒たちが健康でい続け、学習にも意欲的に参加できるようになることを期待します」と言っていました。そして、他にも嬉しかったこと、それは、村長からのメッセージです。「村全体で学校の給水設備を守っていきましょう」と声掛けをしてくれたのです。村全体に支えられた学校とその学校に通う生徒たち。私は以前の汚くなったトイレを思い出しながら、「もう、あのような環境に戻ることはないだろうな」と感じました。


設置された給水タンク
支援された給水設備の水で手洗いする生徒たち

日本の皆様からの支援が、シェアの活動を通して確実にアタウロ県、そしてメティナロ郡の人々に届いたと私は感じています。給水設備を支援された学校の生徒たちが、改善された衛生環境のもと、これからも健康に学び続けられますように…!
シェアはこれからも、定期的に学校を訪問し、給水設備のメンテナンスが行われているかの確認をしていきます。また、学校の先生に対する衛生教育のオリエンテーションも予定しています。そちらはまた別のブログで紹介しますので、どうぞ楽しみにしていてください。
 
これで私のブログは以上です。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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文責 ジョシオ・ソアレス
フィールドオフィサー

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