写真で人生を豊かに
1ヶ月間という、私にとっては超ロングな期間の開催となった
衝動写真展vol.4。
在廊はほとんどしていなかったのですが、気付きという実り多き写真展となりました。
木更津市で写真展を開催するのは初めてのことでした。
木更津市に移住をしてから3年、妊娠・出産・産後うつ・育児に加え、経営難、、により不安で余裕のない暮らしをしていたので、
今回、久々の個展!しかも私を知らない人たちにたくさん見てもらえる機会とあって、とにかく楽しみでした。
駅の図書室FLATの本棚オーナーをしていたことからの今回の写真展のお誘い。
自分の経験や知識を、本を通して、地域の若者たちに見てもらえる可能性があるこの場所に魅力を感じ、オーナーを始めたのですが、
今回写真展をしたことで、より直接的に、若者たちにアクセスできたのではないかと、達成感でいっぱいです。笑
写真展の中で企画したイベントその1。
本と肖像写真
人生において長く連れ添った相棒のような本の話を、グループにシェアした後に、本と一緒に写真を撮る、という企画でした。(ノーティーズとして開催!)
参加されたみなさんが持ち寄った本は、こんなにもバラつきますか?と思うほど、ジャンルがめちゃくちゃ!(私は活字だけの本が苦手なので漫画でしたし。)
ジャンルはめちゃくちゃでも、お話を聞いていると参加されたそれぞれの方の人生と本がガッチリとリンクしている。。なんとも興味深く気持ちの良い時間でした。
本を紹介しているはずなのに、自己紹介をしている以上に自己紹介になっていたように感じました。
そんな「自分」を解放した後の、肖像写真撮影。
私の考える「肖像写真」。
無理のない、力の抜けた、その人らしい瞬間
そしてそれがいちばん美しい。
ありのままのその人が、一番美しい。
写真は、私という媒介を通過して撮影するものですので、ご本人がその姿を気にいるかどうかは分かりません。
しかし、自分の姿というのは、基本的には自分の力では見られないもの。
自分の姿は自分のために在るのではなく、目の前にいる誰かのために在ると言っても良いかもしれません。
ですから私は、被写体自身が良いと思っている表情ではなく、私が良いと思った瞬間に確信を持ってシャッターを切ります。
写真展の中で企画したイベントその2。
横顔肖像写真
私の当初の想定では、一人ずつの撮影でした。
今回このイベントにご予約があったのは1組。
その1組が希望されたのは家族での横顔肖像写真でした。
過去、こんなに大人数で横顔肖像写真を撮影したことはなかったのですが、
いつもは正面から捉える家族写真。「私だけ異空間から家族を覗くことを許された」みたいな不思議な感覚でした。
ご依頼いただいたお母様のお話。
「よく見ている子供達の横顔。多分、正面から見ているよりも横顔の方がよく見ているんじゃないかと、この企画を知った時、考えていました。そんな横顔をこんな横顔の私たちが見ているんだなぁとカメラを通してみるのは不思議な感じです。なんだか、幸せそうですね。」
新しい発想は、周りから与えられるものだなと、この撮影を通して感じました。周りの人が、自分では思いもつかなかった可能性をこじ開けてくれます。
家族の横顔肖像写真は、これからも撮り続けていきます。
写真展で企画したイベントその3。
閉会式での三者対談
そもそも人前で話すのが苦手なので、こういう企画はあまりしたことがないのですが、ふと思いついて、思いついたらどんどんイメージが膨らんでいき、おふたりをお誘いしました。
前日に、ある程度シナリオを決めておいた方が上手くいくのかな?など散々考えた結果、入口だけ決めて、あとはお話上手なお二人の大きな胸を借りようと思いました。
「豊かさ」をテーマに話をしていましたが、自分では想像しなかった方向に話がスライドしていき、そのスライドが気持ち良く、不思議な高揚感がありました。
ポッドキャスト番組「オーバーザサン」が大好きなのですが、1mmくらいスーさん美香さんに近づけた気がします。笑
ライブの緊張感があるからこそ生まれる話が展開していく様を体感できたことが、私にとっては、ひとつ自信になりました。(けれど、当日の緊張を思い出すとあまりやりたくないです。笑)
閉会式エンディング
そしてシンガーソングライターの松本さんが、ラストにサプライズで歌ってくださいました。
ライブの良さよ。。
なんでしょう、ライブって、音楽ライブはもちろんですが、舞台やミュージカル、スポーツ観戦、そして今回のようなトークショーも全て、、ライブだと、録画の何倍も体に沁み入る感覚がありますね。
コロナ禍を節目に、「風の時代」となったとよく耳にします。
風の時代とは、
知性や意識、情報などを重んじる時代とのこと。(GoogleのAI調べ)
私自身は、「生」で体感する情報が何よりも体と心に刻まれ、そしてその情報は疑いのない自信にも繋がっていくと、自分の体験から感じます。
デジタルデータ越しに知る世界と、本当にその場に立って知る世界。
私は可能な限り後者からの情報を採り、
その情報を頼りに、更なる新しい世界を見にいけたらと思います。
まとめ
三者対談で「豊かさとは何か」という話をしていたわけですが、
松本さんが対談のかなり冒頭で、今回の対談の結論を言いました。
生活の中に「余白」が在ることが「豊かさ」である。
"日々が一杯一杯になると、楽しいはずのものが楽しいと思えない。
「小さな嬉しいこと、楽しいこと」にも気付ける余白を持っていたい。"
(松本さん談)
これ、私自身は今まで全く認識と理解をしていなかった事でした。
対談が自分の想像していたのとは全く違う方向にシフトしていったというのはこのことです。
そしてこの「余白」のある生活を、
まさに実現しているのが、わとやのカズさんだ!と思ったら
この3人で対談をすることに至った必然が見えてきました。
私→迷える子羊
松本さん→導くエンジェル
カズさん→鎮座する神の化身
このお二人をお呼びしたのは、私が見落としているものを気づかせてもらうためだったのだと思えてきます😂
私が、「写真で人生を豊かに」と掲げていても、現実に余白がなければ何も感じられない。産後鬱になった時、大好きな写真すら撮れなくなったのはそういうことなんだなと。
私のHPのプロフィールページに記している文言です。
人は、ありのままが一番美しい、と感じている。
その姿を残す写真を
私は「肖像写真」と呼んでいる。
今までの自分があって今の自分がある。
そして今の自分が先々の未来を作っていく。
この先、見た目も考えていることも変わっていく。
肖像写真を通して、どこまで生きてもプロセスでしかない
今の自分たちを見つめ、抱きしめる時間を作りたい。
写真で人生を豊かに。
私が木更津に移住を決めたのは、
より豊かな暮らしができる場所だと感じたからです。
そしてこの土地で、
写真という私の生業を通して、
「豊かさ」を体感できるような企画や発信を続けていきたい。
と、改めて心に決めました。
衝動写真展vol.4、完了!