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2010年代ベストドラマ 30

これまでも割とおうちで楽しめる人間だったし、いまだかつてこんなにコンテンツが充実したゴールデンウィークがあったか?くらいの気持ちなのだけど、世の中には暇を持て余している人もいるのだという。ならば小中高大帰宅部だった身として、人々の在宅生活を手助けできれば、という志の元に書き上げた2010年代ベストドラマ。逮捕者が出てる作品以外は大半はオンデマンド配信されてるはず。30作を五十音順に。併せて2010年代ベストトラックベスト映画も。

1.アオイホノオ

柳楽優弥ってこんなヤバイ俳優だったのか、、と目を見張る。凄まじく強い顔力。ホノオくんというクリエイターの芽吹きが、自意識と嫉妬でもみくちゃにされながら贈られる青春譚。これが実話ベースっていうのもアツイ 


2.熱海の捜査官

今まで見たドラマの中で最も衝撃的な結末。何度も見返しては、張り巡らされた謎と仕掛け、そもそもの大前提に愕然とした。こんなに視聴者に投げっぱなしな作品が2010年に出来てた奇跡よ。比類なき大傑作であり超常作。 

3.あまちゃん

悲しい記憶、消せない痛みに、コメディはどう対峙するのか、という1つの解答。日曜以外の週6日15分を半年間で生活へもすっかり浸透。そして創作を飛び越えて今もなお、主人公の物語は現実でも続いているという魔力よ。

4.いだてん

史実をなぞる前提がある歴史ドラマ、つまり既に結末は明かされているというのに物語の運び方、場面の見せ方、言葉の選び方で如何様にも面白くなる!丹念に、ブレずに、腐らず、1年間を完走してくれて本当に良かった。

5.怪奇恋愛作戦

ケラリーノ・サンドロヴィッチによる初の連ドラ脚本作。どうしてこんな湯水のように不毛な会話を延々と書けるのか、、と感嘆すら覚える。犬山イヌコさんが喋り出すと場に"くだらなさ"が立ち込めてくるから声質って凄い。

6.架空OL日記

バカリズムが当たり前のようにOLを演じている違和感の先で、至極日常的なテンポ感であるあるであったり論理展開がなされていくという謎な構造のドラマ。結末は何ソレ?って思いつつ、妙にゾクっとする虚無がある。 

7.カルテット

この30作の中でベストを選ぶのであれば、これを挙げたい。ユーモラスな会話劇であることをベースにしてジャンルレスに加速していくその掴めなさが愛おしい。宮藤官九郎が演じた役に感情移入しすぎて体調を崩した思い出。
 
8.Q10

TVドラマ史上、最も優しく穏やかにセカイ系に接近した木皿泉による傑作。ロボットとの恋を中心し、人と人が思い合う様をきらめく言葉で彩った人間賛歌。セカイを突き抜け、世界が生まれる。そして僕らは世界を愛すのだ。

9.ゴーイングマイホーム

是枝裕和監督キャリア唯一の連続TV放送作品はやはり、というべき穏やかで可笑しいホームドラマ。家族の事情に大自然や妖精を交えながら、静かに営みへ触れる言葉たち。死の哀しみを愛しさに変え受容するシーンが温かい。

10.最高の離婚

坂元裕二、とんでもねぇなって思うきっかけになった作品。さっきまで笑いながら見てた夫婦喧嘩が突如としてシリアスな真理に切り替わり、誰しもの生活へと刺さり出す。驚異の脚本。笑いも哀しみも全てシームレスに繋ぐ。

11.真田丸

初めて大河ドラマを完走できた作品、という想い入れにとどまらず三谷幸喜の描くキャラクターの愛嬌がうねりを成していく"人物"の為にある物語であった。星野源をラスボスに据えたり、最後まで藤井隆がカッコ良かったり。

12.SICKS

コント番組なのだけど、どう考えてもこれは良質な連ドラだったので。「まどマギ」に感化されたという、途中から一気に物語が凄い方向へとジャンプする超展開。笑いと下ネタでクライシスに対峙する世界観、好きだなぁ。 

13.重版出来!

野木亜紀子の、多数の物語線を走らせても全くごちゃつかない整理力と魅力的な人間を描く力が遺憾なく発揮された一作。編集者の話をメインに置きつつ、漫画家サイドのストーリーも過不足なく丁寧に描き切っていた。 

14.SPEC

第1話のトリックで唖然とさせられた後、何の躊躇いもなく超能力大戦争に突入するという訳の分からない事態に巻き込まれる作品。言うなればジョジョ6部的な粗筋なのだけど、それを刑事ドラマの範疇でやってる意味。 

15.民王

長らく不作だった金曜ナイトドラマ枠、久々の会心の一撃だった。堤幸彦チルドレン・木村ひさしによる、抜けた演出も冴え渡っているし、少ないながらもキャラクターの可愛らしさが光る。脇役・高橋一生、ここに極まれり。

16.dele

菅田将暉×山田孝之という座組にして、想像以上に派手さを抑えたスタイリッシュで控え目なトーンがとても良かった。犯人捜しをメインにせずそこに流れる想いにフォーカスしたミステリー、という点も毎度じんときていた。

17.デザイナー渋井直人の休日

平成最後の傑作深夜ドラマ。「モテキ」とか刺さった人ならきっと抜けないトゲを再び撃ち込まれることでしょう。人は変われないのです、それどころか歳を重ねる度にそのこじらせ濃度は高まっていくのです。心地よい地獄! 

18.Dr.倫太郎

周りに疾患の人多すぎだろ!と思わなくもない設定なのだけど、これってつまり誰しもが心を病みうるってことなんだ、と。何かしてあげるのでなく、心を知ってもらうこと。そして医師の弱さもひらりと描いているのが良い。 

19.徒歩7分

前田司郎の作による、徒歩7分圏内のみで描かれるオフビートな生活ドラマ。とにかく、うだうだと話す割に要領を得ない田中麗奈にずーっとイライラするんだけど、ヘンなほっこり感に着地していくので憎めないんだよな。

20.泣くな、はらちゃん

漫画から飛び出してきた主人公が現実世界に触れる、という古きよきおとぎ話的なエッセンスを、長瀬智也がパワフルな人情劇として仕上げていた。工場長が漫画の中で蘇るとことか、どうかしてるくらいめっちゃ泣いたな~ 

21.なぞの転校生

岩井俊二、またドラマ撮ってくれないかなぁ、、青春にSFが介入していき、パラレルワールドへとタッチしていく感覚を監督特有の映像美で捉えた優しく切ない秀作。杉咲花のナイーブながらも気高い"姫"の佇まい、尊いよ~。

22.バイプレーヤーズ

日本のドラマとか邦画が好きな人にとってはボーナスステージ的な作品。無限メタ構造みたいな会話劇、この6人がやるからこそ、な味わい。パブリックイメージに近い動き方の中、おとぼけサイコな田口トモロヲ、良すぎ。

23.半沢直樹

これ以降に続く同一フォーマットの顔面アップ&企業がんばりドラマはそれほど、、なのだけど、やはりオリジンは素晴らしい。こういう質感のお話をこんなテンションでやるんか?!という、歪だが有無を言わせぬパワーが。

24.また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ

最初は誰がどう見ても「男はつらいよ」パロディのホームドラマだったのだが、なぜか中盤から壮大なタイムリープ&パラレルワールドをてんこ盛りにしたSFスペクタクルへと突入していく。こういう工夫に満ちた作品、好き。

25.みんな!エスパーだよ

終盤の展開は雑すぎて「?」だったのだけど、台詞が全部太字!みたいな、高潔なまでに下品!なエロ駆動型で爆走する前半のストーリーはバカバカしくてたまらなかった。染谷将太を最低で最高な無駄遣いをしてしまった。

26.MOZU

これはシリアスが突き抜けた結果、やりすぎてめちゃくちゃ笑ってしまうというエクストリームな作品だった。女装した池松壮亮が吉田鋼太郎をアイスピックで殺す戦いを21時台に10分間も放送するんじゃないよ。怪作です。

27.モテキ

色々な意味で、大きく人生に影響を与える作品となってしまった。こんなものに絶対影響されちゃダメなんだけど、なぜか年々、どんどん寄っていってしまい、抵抗せども引き寄せられる。サブカルゾンビ発生の根源である。

28.REPLAY&DESTROY

飯塚健・作による、ウィットに富んだ解決系コメディ。ずーっと人が喋ってるのでだいぶ集中力を要するのだけど、ちょっとした言葉の隙に「これ要る?」みたいな笑いを忍ばせてくる。ムダな部分にこそ、丁寧さが宿る。

29.64-ロクヨン-

ミステリー的な快楽と大人たちのけしかけ合いが織り成す重厚なNHKドラマ。ピエール瀧の醸し出すゴツゴツした人間臭さが、ハードボイルドなテイストにマッチしまくり。心をボコボコにされるような終盤、打ち震える。

30.ロング・グッドバイ

戦後まもなくの時代ならではの、移ろいゆく時代感がとてもやるせなかった。たった5時間のドラマなのに、とても深い悲しみに溺れた。ラストカットに出てくる「TOKYO2020」も文字もまた、何かを示唆していたかのよう

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