見出し画像

オンラインライブを観た2021④(2.23 GOING UNDER GROUND/2.16 indigo la End)

2.23  GOING UNDER GROUND「"TUTTI" 15th anniversary LIVE!」(アーカイブ3/2まで)

2006年2月22日にリリースされた5枚目のアルバム『TUTTI』。その15周年と1日を記念しての完全再現ライブ。個人的にもこの数カ月後に出た「VISTA」とそれが入ったベスト盤でゴーイングとの出会いを果たしたので印象的な年だ。武道館ライブめがけて、シングルラッシュ→大作アルバム→CMタイアップシングル→ベスト盤と徹底的に昇り調子を保ち続けた時期の楽曲たちだ。「パスポート」は初めて観たゴーイングのライブでも1曲目だったし、鉄板の「STAND BY ME」における高揚感は言わずもがな。一方、脱退したドラマー・河野丈洋が作りライブでは演奏機会の少ない「キャンディ」などは新鮮な響き。この企画ならでは、だ。

夏の終わりの旅立ちの歌「口笛どろぼう」など、『TUTTI』は青春の渦中というより、今いる場所から離れていくような曲が多いと思う。別れについてはゴーイングの得意な題材だが、もっと精神的な部分での大人へのステップというか。「シグナル」のシリアスな曲調も、当時27歳特有の焦燥感が滲む。MCでは相変わらず40過ぎならではの体調のことに終始する姿がおかしいのだけど、こういう一場面にも15年という月日の忘れさせ、笑い飛ばしてくれる力を思う。「南十字」が思い描いていた未来とは違うかもしれないが、そんな今をも肯定する時間。「ノラ」でのラップによる自己紹介を恥ずかしさの中でやりきる姿も真っ当に格好良かった。

その後も「グッバイベイビー」や「きらり」といった、抜群の叙情性と丁寧な演奏が光る楽曲が並ぶ。「orion」はライブのアンコールでの即興弾き語りが元になっているというエピソードもこぼれる。偶然によって生まれた曲が15年歌い継がれるなんて、と改めて音楽の未知なる魅力を思い知ってしまう。ラストはアルバム同様、「いつまでたっても」。あの頃を振り返るようで、あの頃と変わらない愛をリスナーに向け続ける、ゴーイングのバンドシップそのもののような1曲。『TUTTI』は合奏を意味する言葉で、バンドだけでなく聴き手とも結びつきながら進んでいた日々の象徴。年月を経てもゴーイングとファンの関係性の温かさを思い、新しく意味を吹き込まれたようにも聴こえる。アンコール、まさしく<2月の最後>に「グラフティー」でエンド。さぁ、季節は春。2本のライブ もまた楽しみだ。


2.16 indigo la End『夜行秘密』リリース記念 Special Streaming Live at Planetarium

アーカイブ期間すぎてもまだ観れてる!かなり良かったんでここに感想を。プラネタリウムライブは以前、リーガルリリーで観たことあったけど、より大規模に天井全体を用いている。ツアーでは削ぎ落とした演出だったが、こちらでは会場を活かした幻想的なショー。「夜行」から満点の星空がゆらめき、「左恋」ではクールなライティング。普通のレコ発ライブができなくなってもう1年が過ぎたが、こうやって工夫に満ち、かつアルバムの世界観を立体的に表現できる機会が定着したのは喜ばしい。「夜行虫」での光るオーブが漂い、歌詞の文字が降り落ちる演出は見事だった。最後のインタビュー含め、プロモーションとして抜群の企画だ。

<setlist>

1.夜行
2.左恋
3.夜光虫
4.フラれてみたんだよ
5.晩生
6.夜の恋は

#音楽 #備忘録 #ロック #邦楽 #邦ロック #ライブ #ライブ日記 #ライブレポート #ライブレポ #オンラインライブ #配信ライブ #音楽コラム #バンド #goingunderground #indigolaend

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?