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ポップカルチャーは裏切らない

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”好きなものを好きだと言う"を基本姿勢に、ライブレポート、ディスクレビュー、感想文、コラムなどを書いている、本noteのメインマガジン。
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#コラム

《あ》ASIAN KUNG-FU GENERATION 【50音で語る】

《あ》ASIAN KUNG-FU GENERATION 【50音で語る】

せめて週に1度はなんらかのnoteを更新したい、しかしライフステージも変わり毎週新作の何かを摂取できるわけじゃない。ということでその代わりになる、長くできそうな企画をと思ってまるで古のインターネットかのようなテーマでnoteを書いていこうと思います。

【50音で語る】ということで"あ"から"ん"まで、その頭文字から始まる自分の好きなものやことについて書いていきます。基本的には自分の根源や血肉に近

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戻れないけど消せもしない/Base Ball Bear『天使だったじゃないか』【ディスクレビュー】

戻れないけど消せもしない/Base Ball Bear『天使だったじゃないか』【ディスクレビュー】

子どもが生まれてから生活は変わった。粉ミルクを溶かす時間がルーティーンに組み込まれ、泣き叫べばオムツを変え、それでも泣き続けるならば抱っこする。当たり前のことだが、妻とともに育児に向き合う日々は去年までの自分とは全く違う。しかし買い物に行ったり、出勤したりする時にはいつも1人。そんな時、慣れ親しんだ音楽を聴けば自分が我が子の親になったという事実と同時に、今までと変わらない自分もまたここに居続けてい

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また思い出すための歌~yonige『Empire』【ディスクレビュー】

また思い出すための歌~yonige『Empire』【ディスクレビュー】

yonigeの3rdアルバム『Empire』が素晴らしかった。前作で手にしたなめらかなサウンドメイクを押し進めつつ、活動初期にあった直線的なスピード感も復権させた、懐かしくも新しいyonigeの姿。オルタナティブロック界隈で再発見されつつある2000年代初頭のムードを感じるような作品なのだが、聴き込んでみるとそこに新たな質感が見えてくる。本作は、ノスタルジーとは違う形で過去と向き合うセラピーのよう

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30歳のプレイリスト

30歳のプレイリスト

今日で生誕30周年を迎えました。たかが30歳で加齢を自虐したり、自分の老化をあえて面白がるようなニヒリズムは持ち合わせていないので相変わらず楽しいと思うことを元気よくニマニマとやっていけたらと思う次第なのですが、さすがにめでたいのでアニバーサリープレイリストを作ってみました。「29→30」と題してみました。

好きなアーティストが30歳前後の時期に何を歌っていたかを確かめ、特にグッときたものをずら

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2023年ベストアルバム トップ20

2023年ベストアルバム トップ20

今年はびしっと厳選して20枚で1年を総括。ライブカルチャーの復権と揺れる世界、喜びも悲しみも猛スピードで切り替わる時流の中で、この音楽を聴いてる間はきっと大丈夫だ、と思えたアルバムを選びました。

20位 ROTH BART BARON『8』

三船雅也がドイツに拠点を移してからの1作目。ここしばらく毎年凄まじいアルバムをリリースし続てけいるが、本作はまた違う場所へ飛ぼうとする萌芽を感じた。エレキ

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2023年ベストトラック トップ20

2023年ベストトラック トップ20

今年からは20曲に。選りすぐりの良い"うた"ばかりです。

20位 Cody・Lee(李)「さよuなら」
つくづく彼らは生活のバンドなのだな、と思う。メンバー脱退をここまで明け透けに歌にするとは。本当の想いを隠し切れないという誠実さ。

19位 Bialystocks「幸せのまわり道」
フォークの装いでどこまでリーチできるか、それを何歩先にも進めてしまう存在が、ど真ん中を撃ち抜いてきた。この温かさ

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アジカン精神分析的レビュー『プラネットフォークス』/他者と生きるためのエンパシー

アジカン精神分析的レビュー『プラネットフォークス』/他者と生きるためのエンパシー

10thアルバム『プラネットフォークス』(2022.03.30)

このアルバムの制作はコロナ禍に突入する時期に大半が行われた。2020年以降、世界中で猛威を奮ったウイルスがもたらした影響は計り知れない。アジカンもライブツアーが中止となり、ライブ活動が再開になった後も観客からの声がない「リライト」や「君という花」を演奏をし続けた時期もあった。通常ではない日々を積み重ねる中で本作は少しずつ形になって

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アジカン精神分析レビュー『ソルファ(2016)』/来たる壮年期のために

アジカン精神分析レビュー『ソルファ(2016)』/来たる壮年期のために

『ソルファ(2016)』(2016.11.30)

2004年にリリースされた2ndアルバム『ソルファ』はアジカンの代表作として語られ、評価も結果も充分な作品として愛されてきた。代表曲も多く収録され、アジカンの名を広く知らしめたアルバムである。しかしこの作品はメジャーデビュー後、曲のストックを使いきったアジカンが初めてのツアーやフェスなどを乗り越えながら、怒涛のスケジュールで完成させたものだ。

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アジカン精神分析的レビュー『Wonder Future』/物語と轟音はシステムに抗えるか

アジカン精神分析的レビュー『Wonder Future』/物語と轟音はシステムに抗えるか

8thアルバム『Wonder Future』(2015.05.27)

中村佑介のイラストが載っていない、ただ真っ白なジャケットにエンボス加工されたタイトル。明らかに今までとは一線を画すデザインで届けられたのはアジカン史上最もラウドなロック・アルバムである。『Wonder Future』はFoo Fightersのプライベートスタジオ「Studio 606」にてレコーディングの大半が敢行され、その

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救いある関係性を描くこと〜「ほつれる」「こっち向いてよ向井くん」

救いある関係性を描くこと〜「ほつれる」「こっち向いてよ向井くん」

他者と関係を結ぶことはつくづく人生そのものだ。友人、恋人、家族、そういう関係だけでなく孤立を選ぶというのも“他者を拒絶する”という関係を結んでいるわけだから人の心は関係から逃れることはできない。

こういうもの、だとされていた価値観が瓦解しつつある現在。多くの”関係“を見つめる作品が生まれている。ここ最近観て印象的だった2作品もまたしかり。自分や他者にとって救いになる関係性とは何なのだろうか。

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アジカン精神分析的レビュー『ランドマーク』/グリーフケアとしてバンドミュージック

アジカン精神分析的レビュー『ランドマーク』/グリーフケアとしてバンドミュージック

7thアルバム『ランドマーク』(2012.09.12)

前作『マジックディスク』を携えた半年間に及ぶツアーの中、アジカンは解散目前だった。『マジックディスク』を中心となって作った後藤正文(Vo/Gt)が他メンバーに要求するものが変化し、後藤と山田貴洋(Ba)の間で音楽的なズレが生じたことが決定打となり、このツアーを終えた時点での解散を後藤は考えるに至ったという。しかしこのツアーは2011年3月1

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カタルシスを拒む営み~宮藤官九郎「季節のない街」

カタルシスを拒む営み~宮藤官九郎「季節のない街」

Disney+でドラマ「季節のない街」を観た。山本周五郎の同名小説を宮藤官九郎の脚本と監督で映像化したもの。13年前の"ナニ"と呼ばれる災害によって住む場所を失い、今なお仮設住宅に住み続ける人々の姿を描いた作品だ。

本作は被災地を舞台とした作品という点で、宮藤官九郎の代表作「あまちゃん」(2013)を思い出さざるを得ないわけだが、「あまちゃん」が真っ直ぐに喪失からの回復を描く祈りの作品だったとす

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アジカン精神分析的レビュー『マジックディスク』/語り直しと混ざり合い

アジカン精神分析的レビュー『マジックディスク』/語り直しと混ざり合い

6thアルバム『マジックディスク』(2010.6.23)

前作から1年7ヶ月ぶりのアルバム。リリース当時の音楽シーンはYouTubeが興隆し、Soundcloudなど新たなプラットフォームが台頭、定額音楽配信サービスの上陸も予感される中で、"CD"というメディアそのものを見つめたようなアートフォームで『マジックディスク』は作られた。8面に及ぶ巨大なジャケット、AR機能を搭載した円盤など、様々な試

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この1年間とこの5年間でよく読んでもらえたnoteたち[note執筆5周年]

この1年間とこの5年間でよく読んでもらえたnoteたち[note執筆5周年]

noteを開設して5年が経ちました。書き手も読み手も入れ替わりの激しい場所で、金の匂いやきな臭さに見向きもせずによくぞここまで書いてきたとちょっと誇らしい気分であります。恒例の年イチアクセスランキングと、この5年間のトータルアクセスランキングをここに載せておきます。

この1年間でよく読んでもらえたnoteたち
10位 楽器未経験の音楽好きがDTMでなんとか歌を1曲仕上げてみた

そういえば最近全

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