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笑うとき、手を叩くのはなぜか。

素朴な家庭に生まれ、素朴な街で育まれ、素朴な学生生活を過ごし、少し変な会社を経て、素朴なフリーターになっている私から素朴な質問です。

なぜ、人は笑う時に手を叩いてしまうのか?


久しぶりに彼女と焼肉を食べに出かけた時のことです。
GWということもあって周りは家族連れ、地元の友人たちの宴で賑わっています。

そんな中に、一際大声で盛り上がる集団がいました。
「白い恋人」の紙袋を見るに、先ほど北海道から帰ってきたのでしょう。

少し早い飛行機で羽田に到着。
そのままの足で焼肉を嗜むなんて、さぞ楽しいことでしょう。

実際、何度も何度も大爆笑が起こります。
生前の枝雀さんでもここまでの笑いを取ったでしょうか。

中でも目立ったメンバーが1人。
坊主に白シャツ、細マッチョな男性。

彼は何度も笑いながら手を打ち鳴らしていました。
その音は東京新宿や大阪ミナミ、福岡博多であれば銃声とも取られそうな破裂音で、無意識に箸を止めて振り向いてしまうほどです。

ここまでくると才能だな。
そう思いながら向かいの彼女と目を合わせました。

別に肉の味が変わるわけじゃなし、とても大事な話をしなければならないわけでもないので注意なんてしませんでしたが、ふと疑問に思うのです。

なぜ、人は笑う時に手を叩いてしまうのか?
何が彼をそうさせるのか?


私は彼女の話そっちのけで、大爆笑する関根勤さんや石橋貴明さんを思い出しながら考え込んでいました。そこで出た結論はこうです。

「あれは一時的な先祖返りなのだ」

よくチンパンジーが手を叩いて喚いています。
おそらく古典的な玩具であるシンバルを持った猿のぬいぐるみもそれと同じ動きから来ていると思いますが、手を叩いて打ち鳴らす行為は猿の頃からの習性だと思うのです。

では一体、どんな習性なのか?
それは仲間を呼び寄せる習性ではないでしょうか。

森の中でもあの破裂音は異質です。
つまり、仲間に気づいてもらい易い音であると。

おそらく大爆笑している彼は、無意識のうちにその「面白い出来事」を仲間に知らせたい、そう思っているのです。

「おい、聞いてくれよ!」
「クソワロタww」
「腹いてえ!」

そんな感情をとにかく仲間に共有し、仲間の幸福度を上げ、同族が森のサバイバル環境で生き抜くためのモチベーション向上に繋げる作用なのです。

これを現代人は主に「リツイート」で行っていますよね。クソワロタな、大草原不可避な事柄は同族の活力を喚起するために共有しようとするのです。

つまり、あのうるさい、やかましい男性は猿なのです。
そして超原始的な方法を駆使して我々に「面白いこと」を共有してくれようとしているのです。

なんて可愛いんでしょう。

普通に考えて、身内ネタ共有されても全然面白くないのに。
手を叩くよりブログに書いたりツイートしたりする方が何百倍も効率的なのに。

それでも必死で手を打ちならそうとしているんです。
なんて可愛いんでしょう。クソワロタ。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。