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覚醒する瞬間

みなさん、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。


ボクが中学時代に陸上部で練習パートナーのT君が突然変異して、砲丸投げで全国大会に出場し、しかも決勝に残り、6位入賞しました。

T君は中1,中2と特別に素晴らしい成績でもなかったのに、覚醒したのです。

何が起きたのか、その時の様子をお話します。

まず、中学生が全国大会にでるには、標準記録を突破する必要があります。

「出たい」からと言って、誰でも軽く出れるようなレベルではありません。

こちらは現在の標準記録です。

第48回全日本中学校陸上競技選手権大会標準記録
※ 各種目指定大会において、下記の記録に到達した者に、出場権を与える。
男子 (13種目) 女子(10種目)
種目 写真判定 種目 写真判定
100m 11.20 100m 12.53
200m 22.75 200m 25.80
400m 51.60 800m 2.16.50
800m 2.00.50 1500m 4.38.00
1500m 4.08.50 100mH 14.80
3000m 8.57.00 走高跳 1m60
110mYH 15.00 走幅跳 5m45
走高跳 1m85 砲丸投 12m50
棒高跳 4m00 四種競技 2630点
走幅跳 6m55
砲丸投 13m00
四種競技 2500点
4×100mR 通信大会優勝校 4×100mR 通信大会優勝校

※男子と女子では砲丸の重さやハードルの高さが異なる。

例えば、中学生男子で100mを11秒20で走れますか? 

いかに難しいかわかりますね。

T君の中2時の自己ベストは、標準記録までは、ちょっと差があり、正直どうかなという感じでした。

中3になってすぐの記録会で、いい感じの記録がでた為、顧問の先生が、「これはひょっとすると、ひょっとするかもしれない」とをおっしゃって、それから全国大会を目指すことになりました。

ただ通常の練習メニューをこなすだけでなく、全体の練習終了後に顧問の先生がつきっきりで教えるようになりました。

T君はお昼には、余った給食の牛乳を何個も飲んでいました。あと、牛乳をあまり好きじゃない子のところにいって、「いらないでしょ?」と言って、「あ、うん」と半ば強引に返事をさせて、もらったりして、日に5,6本くらい飲んでいました。

また、学校には、それ程でもないのですが、筋トレの器具があったので、バーベルを使ってベンチプレスも始めました。昼休みとか、いつもボクがつき合わされました。日に日に重りの数が増えていきました。

そして、記録は着々と伸びていき、ついに通信陸上大会で、標準記録を見事に突破し、全国大会行きが決定しました!

その後、関東大会も出場。また神奈川県選抜の練習会等にも参加するようになり、県内有数のスター選手と話したりしたよとか、羨ましいことを聞きました。

いよいよ全国大会。神奈川県から広島県だったか、遠征。T君と顧問の先生だけで。

T君の立ち位置としては、どうにか標準記録を破ったレベルなので、上位に入るのはキツいだろうと皆が思っていましたが、なんと決勝進出し、6位入賞を果たしました。学校内では大騒ぎとなり、2学期の始業式では、全校生徒の前で特別に表彰されていました。

この半年の伸びは驚異的で、覚醒したと言っても過言ではありません。

上手くいった原因としては、全国を狙おうと覚悟してから、T君もすごく努力をしたし、先生も時間を特別に割いて、個人指導を行ったからでしょう。

その前に、2年間ずっと陸上部で砲丸投げをやっていて、そこそこの記録は持っていたのです。実はこの部分も大事です。

人の成功は、つい右肩上がりの時期を注目しがちですが、その前に蓄積があったからこそなのです。

T君は、目立たないながらも、コツコツと練習して、試合に出てというのを続けてきて、機が熟したのです。地に根を張っていたんですね。

なので、何かで覚醒したいのなら、数年は下積みでも続けて、ある程度してから、グンと右肩上がりというか、ランディングするというようなイメージを持っていたほうが良いかと思います。

どんな分野のことであっても、ど素人が1年目に結果を出すのは難しいし、仮に出せても、力を持っていなければ、その後急下降することもあると思います。

それでは、また。

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