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コロナ禍でも成長する飲食店が実践した2つの新たな手

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い大きな影響を受ける飲食業界。第二波の可能性も疑われるさなかにあって、Withコロナでも成長を続ける企業は何を行っているのか。飲食業の先端事例を交え、その要点をお伝えします。

皆さんもご存知の通り、外食産業にとって、新型コロナウイルス感染症の拡大は非常に大きな影響を及ぼしています。過去にも2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災などの困難は発生しましたが、今回の影響はそれらなどとは比較になりません。

実際、緊急事態宣言の発令後は、7都府県以外の地域においても顕著に人通りが少なくなりました。
地方都市の繁華街エリアの自店舗前通行量データなどを見ていると、飲食業界で最も閑散期と言われる2月を100%とすると3月の人通りは70%。4月は40%と、目に見えて人通りが減少していっている様子がうかがえました。

その後の緊急事態宣言解除に伴い、徐々にではありますが通行量も回復し、夏休みに向けてギアをかけようとしていた。そんな最中にあって、東京都で感染者数が増加するなど、日ごとに目まぐるしく状況が変わっています。
そうした市況の中、多くの飲食店の売上が減少傾向にあるのは確かです。けれども、堅調な業績を維持する企業も確かに存在します。

そうした企業のポイントは、急増するテイクアウトやデリバリー、通販といった「巣ごもり需要」に応え、食に関する販売チャネルの変化に適応していること。端的に言えば、時流適応している企業であると言えるでしょう。
以下、今回の外食需要の落ち込みを受け業績をキープできた企業の特徴を1つひとつ見ていければと思います。

成功ポイント①:顧客ニーズへの対応にはスピードを重視する

~導入スピードを重視させ、できるところから展開。市況に合わせてPDCAを回す企業が業績を堅持することに成功した

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新型コロナウイルス禍でも業績をキープできた企業の特徴の第一に、「顧客ニーズへの対応へのスピードを重視したこと」が挙げられます。例えば、テイクアウトで業績を堅持したある企業の例を挙げます。
もちろんテイクアウトに親和性の高い新メニューを開発・展開することが理想ではありましたが、その会社は売り上げ確保のためにも現状の商品構成の中から単品でテイクアウト対応をスタートさせたのです。
はじめに、おつまみとなるような単品メニューや盛り合わせ、麺/飯などの食事メニューをテイクアウト化。

飲み動機と食事動機の両方に対応できるメニューをテイクアウトメニューの中に盛り込み、宅飲み需要と食事需要の両方を獲得させていったのです。

ここで築いたベースを元に、テイクアウト向けの本格的な商品開発を段階的にスタート。第二弾として、単品の組み合わせによる「おうち〇〇セット」を「単品で2つ注文するよりも100円引き」といった打ち出しで展開。
新型コロナウィルスによって外出を控え、自宅にて食事を取ろうとする単身世帯や、小さな子供を抱えるママの1.5人分の食事としてのニーズを開拓。
第三弾として、3~4名、5~6名といったように人数で分けるオードブル、お子様用オードブルを開発。より利用用途が明確にさせ、子供のいる家庭や利用シーンにおいて選ばれやすくなっていったといった具合です。

ポイントは、最初から完全なものを完成させるのではなく、スピードと展開力を重視したことにあります。
実際、テイクアウトの代表格といえばお弁当ですが、仕切りが多くなるほど複雑になり、手数が取られて対応が難しくなりがちです。
だからこそ、まずは簡単にできるメニューを中心に検討・推進を進め、ミニマムスタートで成功のサイクルを回し、徐々に打ち手を広げていくことが成功要因だったと私たちは考えています。

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成功ポイント②:やらねばならなかったことを完遂した

~顧客情報の管理・活用やキャッシュレス対応など、今回のコロナ禍をチャンスとばかりに迅速に社内の問題を解決させていった
新型コロナウイルス禍でも業績をキープできた企業の特徴の第二に、「本質的に着手・解決しなければならなかったことを完遂したこと」が挙げられます。
例えば、本格的にデリバリーをスタートさせようとすると、きちんと顧客情報を管理しリピートの売上を積み重ねることが欠かせません。
これは、店舗前のお客様に認知されれば売上を見込める外食とは、大きく異なる点でもあります。
そのため、注文経路(販促集計に利用)や 氏名・企業名、住所連絡先、利用日や累計購買回数、累計金額といった情報をきめ細かく管理、打ち手に反映させる必要があります。
個人情報のため、その取り扱いには十分気を付けなければならず、事前に概要を確認しておく必要があります。
これはデリバリーに関しての話ではありますが、顧客獲得コストを考えれば、顧客情報管理は本来であれば外食においても着手せねばならないテーマであることは明らかです。
他には、キャッシュレスへの対応も該当するでしょう。今後、新型コロナウイルス感染への懸念から、現金の取り扱いに対して慎重になるケースが見込まれます。
海外ではキャッシュレス決済がさらに進みましたが、日本国内でも同様の流れとなる可能性が少なくありません。
いまスマートフォン普及率は全体で85%を超え、60代のシニア層においても7割に迫る勢いとなっています。
現状使われているキャッシュレス決済を見ると、クレジットカードが多いですが、QRコード決済をはじめとするほかのキャッシュレス決済に関しても、今後高まっていくニーズに応えて導入を検討する店舗も増えてくると考えられます。
こうした支払いに関するお客様のニーズに対しても、今後対応が求められるケースが増え続けていくことでしょう。
以上、代表的なに例をあげましたが、顧客情報の管理・活用にせよ、キャッシュレス対応にせよ、これらは、本当の意味で目新しいわけではありません。
むしろ、今対応すべきことはすべて、コロナウイルス禍以前から、薄々と経営者が課題として感じられていたテーマです。
けれども、そうした課題に対して、今回の顛末を機に一気に顕在化した際、二の足を踏み後回しにしたか、待ったなしの事態だと即応したか。その差が如実に出ていると私たちは考えています。

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以上、「コロナ禍でも成長する飲食店が実践した2つの新たな手」としてポイントをかいつまんでお伝えいたしました。
より詳しくは、外部の企業様にも協力いただき、特別オンラインプログラムのご用意をいただきました。Withコロナにおける経営戦略構築の一助に、是非ともご参考いただければと存じます。

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