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ほたて

この間、お友達と遊んだ。
自分と10歳、20歳くらい歳の離れた年上の二人。

日本縦断をしたときにスタッフをしてくれてた二人は、
その後、住む場所を探す旅に出て、今は長崎の小値賀島に住んでる。

でも最近、小値賀島でやってた便利屋ってお仕事を辞めたらしい。
3年住んで、小値賀島の暮らしはもう飽きたんだって。

家賃が2万だと高いと言われる島で、
近所から色んなものをもらうし、お金は貯まるけど、何もなくて、
毎日同じことの繰り返しで、本当に生きるだけらしい。

それが島の良いところでもあり、退屈なところなんだろうけど、
じっとしてるのが苦手な二人はもういいやってなったんだって。

二人はこれから、車で旅をしながら北海道まで言って、
帆立をいっぱい食べるのが夢らしい。

そのために、エアコン掃除とマッサージを覚えて、
それで旅をしながらお金を稼ぐって話してた。

・・・

二人の話を聞いて、
大の大人の夢が、北海道で帆立を食べるって最高だなって思った。

きっと二人は自分が想像する以上に努力して苦労してきたと思うし、
自分が将来を考えて絶望するように、二人も絶望した日があったと思う。

それでも、やりたいことを叶えるためだけに今を生きるっていう、
簡単そうで難しいことを、二人は楽しんで今もやってた。

二人みたいに、
自分も10年後20年後、今の二人くらいの歳になったときに、
大の大人が、って思われるような夢を持ててたらいいなって思った。

・・・

この二人は自分が出会うずっと前から一緒に旅をしてる。

一緒に暮らしてるし、お財布も一緒にしてるし、
家族みたいにお互いの全てを受け入れているし、
言葉がなくても阿吽の呼吸で通じ合ってるし、
仲良しを通り越して、夫婦のように見える。

だけど、夫婦じゃないし、恋人同士にも見えない。
二人がどんな関係か知らないし、聞いたこともない。

だけど、二人がどんな関係でもいいやって思ってるし、
きっと、二人は世の中にある言葉で表せる関係じゃないって思った。

家族、友達、親友、仲間、って言葉で表せる関係も素敵だけど、
言葉で表せない関係、表さなくていい関係も素敵だなって思った。

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