見出し画像

プラスチックごみを減らして守る、かけがえのない地球と動物のいのち

前回の記事からだいぶ時間が経ってしまいました。言い訳ではありませんが、怒涛のごとく時間が過ぎてしまい、頭の中で構想はありつつも文字に起こしていませんでした。なので、気を入れ替えて書きたいと思います。

今回の記事は私のチームが天王寺動物園と大阪市とのコラボで開催する、地元の天王寺動物園での企画、その名も、UNEP-IETC設立30周年記念特別教室 第1弾「プラスチックごみを減らして守る、かけがえのない地球と動物のいのち」、です。今回は小学生向けのイベント準備ノートなので、文章を短く簡単にしています。

大阪市のど真ん中にあり、老若男女みんなの憩いの場の天王寺動物園で、命の大切さを身近なことから考えよう、身近なことからアクションをしてみよう、との思いで、天王寺動物園と大阪市役所の皆様とコラボ企画です。土曜日のファミリーの皆さんが訪れる時間帯での開催となりますので、動物園のスタッフになった気持ちでお話ししたいと思います。

小学生向けに話す内容は「知ってびっくり!環境問題とごみの真実!」、プラスチックごみ編です。プラスチックの国際条約化交渉の準備会合がちょうど開催されましたが、海洋プラスチック問題を含めたプラスチックごみ問題について、身近なことから考えていきたいと思います。ちびっこの皆さん、皆さんが大人になったころ、プラスチック製品が100%リサイクルされるような社会となるように、大人たちはがんばりたいとおもいます。

ごみってなんだ?

今日も暑い日ですね。この一週間は日中夏日の日々でした。こう暑いと欲しくなるのが、アイスクリーム、かき氷、冷たいジュース、みんなは後でお父さんお母さんに買ってもらってくださいね。天王寺動物園には白くまソフトや白くまクレープがあるそうです、知ってましたか?あとで食べてくださいね、めっちゃおいしいらしいです。

環境問題。今日はこれをみんなでお話ししたいと思います。環境問題と聞いて思い浮かべるのは何ですか?たくさんの環境問題がありますが、一番身近な環境問題は、ごみ問題です。皆さんも毎日必ず何かのごみを出すと思います。ごみを出さない日はないでしょう。ごみをみればその人の生活もわかってしまいます。

さて特別教室が始まって早5分。早速ですが休憩を取らせてもらいます。私が持っているのは、これ、見た目普通のペットボトルの緑茶!!少しだけ残っています。さて、変な質問を皆さんにします。これは何ですか?普通に応えるなら、飲み残したお茶、少しだけ残ってるお茶、ですね。大阪風に応えると?それはきっと串揚げの自家製秘伝ソース。串揚げをお持ち帰りしてペットボトルに串揚げをぶっ挿して食べる、食べれるか!!

では、これを飲み干したらどうなりますか?皆さんは飲み干したらどうしますか?きっとペットボトルリサイクルボックスに入れると思います。家では一度中を洗ってからリサイクルに出すと思います。素晴らしい、その心がけ。あなたも既に環境を守っています。ペットボトルをリサイクルに回すとごみは出ません。

でも、ポイ捨てしたらどうでしょか?大阪の街はきれいなのですが、残念ながらペットボトルやその他のごみのポイ捨てを街中で見ると思います。その本人にとっては目の前からごみが無くなるので良い気持ちかもしれませんが、地球にとってはそうは行きません。ここからペットボトルは400年もの旅が始まります。大阪は水の都ともいわれています、すぐ隣が大阪湾です。大阪湾に流れ込んだペットボトルは、この絵のようにお魚さんを困らせています。昔はこんなものがなかったのに、最近の人間はなっとらん、と言うでしょう。ペットボトルや他のごみをポイ捨てすると、その瞬間から環境問題・ごみ問題が始まります。そもそも人間の問題なのですが。

Warning!!地球は汚染だらけだ!!

海で魚が困っています。その理由は何ですか?ペットボトルが流れてきて困っています。それはなぜですか?人間がポイ捨てしたペットボトルが、ながれにながれて海にたどり着いたから。ここからが、長い長い海の中のペットボトルのお話しが始まります。

今から30年から50年後、そのペットボトルたちは大海原を漂い、一部はハワイや太平洋諸島に上陸、また一部は海を漂い続けています。これらのペットボトルの表面にひび割れが見られるようになってきました。でも元の形はまだそのまま残っています。

100年から200年後、原形はとどめていませんが、ペットボトルは数センチから数ミリの破片となって海を漂っています。お魚さんたちは餌の別のお魚を食べる時に、このような破片も一緒に食べてしまいます。という事は、そのお魚を食べる私たちもペットボトルの破片を食べていることになります。

400年経つとペットボトルはようやく完全に分解されます。400年、皆さんのヒィヒィヒィヒィヒィヒィヒィヒィヒィヒィヒィヒィ孫の世代です。

これが現実です。世界に海は何個ありますか?答えは一つ、海は一つしかないんです。太平洋や日本海と言う海はありますが、全てはつながっています。

でも日本はまだいいのです。日本のペットボトルのリサイクル率はなんと90%以上。世界でも超優秀です。でも、なんです、日本だけが超優秀では世界の環境問題、プラスチック問題は解決しません。

世界人口は約79億人、日本は約1億2千万人。世界のペットボトルの消費量は1分間でなんと100万本!!!1年間で約5000億本。日本では年間約26億本。年々消費は増えています。そして世界のペットボトルリサイクル率は、先進国では60%、開発途上国では数パーセントのみ!!後の何千億本のペットボトルはどこに行ったのでしょうか?・・・地球の自然のどこかです・・・

ここまでお話しを聞くと、なんだかペットボトルが悪者のように聞こえてしまいますが、そうでしょうか?根本的な問題は何でしょうか?

根本的な問題は、私たち人間です。日本はごみ管理が進んでいますが、世界ではまだまだごみ管理がちゃんとできるところが少ないのです。

では何ができるか?

では何が皆さんにはできるでしょうか?皆さん、手元に環境アクションチャレンジシートはありますか?これを使ってみましょう。例えばペットボトルをごみにしないためには何ができますか?まずはなるべく買わない、買ったときは必ずリサイクルに回す、になりますね。

身の回りを探すとリサイクル素材が使われている商品を見ることができます。例えば、さっき飲んだお茶のペットボトル。これは再生ペットボトル素材100%でできています。そして、今日私が来ている黒のポロシャツ、リサイクルペットボトル素材が75%使用されています。あとは、参考までに持ってきましたが、セブンイレブンで売ってるお惣菜のパッケージにもリサイクルペットボトル素材が使用されています。なので、これもあれも全てが同じリサイクル素材。これが世界中に広まって、ごみを出さない世の中にしていく事が重要です。

では改めて質問します。この飲み干した後のペットボトルはごみでしょうか?資源でしょうか?もちろん資源ですよね。地球の天然資源を掘らずに、今私たちが使っている資源をぐるぐる回していく事、リサイクルしていく事が重要です。リサイクルすること、それは資源を大切に使う事として重要ですが、プラスチックごみのように自然を汚さない、海洋生物を守るためにも重要です。身近なことから地球問題を考えてみましょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?