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らじみくサミットの件❷

前回↓の続きです。

僕はしゃべりながらアイディアをまとめるタイプの人間です。

正確にいうと、脳にある断片を他人に話し、その反応を見ながら繋いでいくわけです。
この方がひとりで考えながら企画書をしたためるより、遥かに面白い企画になります。

このイベントには開催概要をまとめたものが存在しますが、文書で求められたから書いたものに過ぎず、僕から見たらこんなもの、企画書などではありません。

初音ミクコラボ自体がそうですが、企画をまとめる際、たいてい僕はロゴやキービジュアルや動画を作ることにしています。
文書ではやりたいことや、その温度感が伝わらないからです。

今回の『らじみくサミット』については書くと、会場を仮押さえした4月27日、まずこれを作りました。

とりあえず楽しそうだな、ということは伝わると思いますが、それが成功した時点でもう企画書は要らないと思うんです。

ちなみに「サミット」というタイトルは、「フェス」とか「祭」とか「エキスポ」とか「スタジオ」などと言葉を並べてる時に浮かんだものです。
語感からまずロゴを作り、後から「サミット」(最高責任者会議)の要素をこじつけていこうと考えました。

出演者やスタッフには、日付と時間を口頭で伝え、このビジュアルだけを見せました。
そこで彼らが口にした言葉を記憶しておきます。

「マジミラみたい」と言われたら、マジミラリスペクトの派手なオープニングムービーを作ろうとか、そのムービーが終わったら、スタジオの引きの画をフェードインしようとか。
そんな感じで細部のイメージを妄想するわけです。
これが僕の企画の作り方です。

ちなみに『RADIO MIKU』も、ロゴビジュアルとサウンドロゴを作って、あい先輩に放り投げています。
着たいワンピースを見せて「これに似合う帽子ってどれかしら?」みたいな感覚です。

ただ、細かい演出には口は挟みません。
タイトルやビジュアルを先に決めたら、あとはどんな音を作るか、どんな言葉を乗せるかはディレクター任せです。

例えば今年4月にスタートした『RADIO MIKU EX』では、先に放送が始まっていたパステル色の『らじみく』との違いを強調するため、紺色と赤、黄色をアクセントとしたキービジュアルを作りました。

10年来僕の企画番組を担当してくれているディレクターのホーリーは、僕が常にロゴやタイトルなど”ガワ”から作ることを熟知しています。

「どういう音ですかね?」と尋ねてきたので、「イナズマって感じですかね」と答えたら、僕のサウンドロゴを加工しまくって新たな「れでぃおみくー♪」を作ってくれました。

このリミックスがカッコよかったので、今度は僕自身で『らじみくサミット』をリミックスしてみたくなったわけです。
それな果たしてどうなったかは、まあ1,000円で観てくださいませお客様。

そして「サミット」というタイトル。
リアル開催を断念して内容を考えている頃、前回書いたように、たかぴぃさんとのコラボが始まったわけですが、ここで「日本のボカロラジオ番組の最高会議」という夜の部のコンセプトが生まれたわけです。

わちゃわちゃ感の激しい拙番組と、たゆとうような大人の会話に時々機関銃がぶっ放されるクリ深との、リアル会談が見たい、混ぜるな危険というわがまま満漢全席であります。

一方、ねじ式さんが出演された昼の部のテーマは、もともとリアル開催で考えていた「メイド・イン・ナゴヤ」でした。
6月に青柳総本家さんとのコラボが具体化し始め、ねぎういろうという新たな名古屋名物が生まれたので、試食コーナーを設けることになりました。

さらに名古屋の伝統工芸である有松・鳴海絞りでポーチを作られた大須賀彩さんのインタビュー映像を、品数稀少ということで昼の部で流すことも決めました。

成り行き半分ですが、始まってみれば、全編名古屋尽くしと、スジの通った内容になったのかなと自負してます。

これも一枚のロゴからどんどん展開したものなんですね。
企画はまず口に出し、絵に描いてみること。
それが関わってる人すべての想像力を引き出せると思ってます。

たぶん、まだ続きます。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。