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「最後の日」を遠ざけるには。

最近、産経新聞さんがラジオ関連記事をいくつも公開しておりまして、ラジオを応援してくれているのか、まだまだ下はいるぞ、という扱いなのかよくわかりません。

民間放送という業種は、WOWOWを除けば企業広告を収入の柱としています。
だから広告が打たれなければどうしようもありません。

ただ、世の中好景気の嵐が吹き荒れているのに、ラジオ局は減収まっしぐらであれば、オワコンとしてゴミ箱フォルダ行き確定なんですが、景気がまるで回復しないからラジオ局が危なくなる、というのは至極当然の話です。
むしろ世の中不景気なのにラジオ局だけ元気、という方がおかしいのであります。

上の記事にある新潟県のFM PORTの場合、閉局に至った理由は、大口スポンサーの撤退ということです。時期的に「コロナ禍」と思われがちですけども。
とりわけFM PORTの場合、どこのラジオネットワークにも属さず、ほぼ全てのコンテンツを自社で賄っていたわけですから、地域経済の苦境をもろに受けてしまった格好と言えるでしょう。

いやホント、地域に根差すローカル局は大変です。こういう時だからこそ、パッと明るくなるような話題を提供しなきゃいけないんですけどね。

ところでふたつ目の記事についてですが、正直なところ、再編というものはあまり期待できないのかなと思います。
実際に新潟でも愛知でも、単に1局減になりましたし。

それとこのケースは、一定の世代が聴き続けているからこそ2局並列に意味があります。同じ素材で調理法が違うという感じ。揚げ物を受け付けなくなっても、煮付けならOKみたいな。

しかし、AM局の場合は、一日あたり長く聴かせて局ファンを作るより、番組単位で太いファンを育ててイベントや物販に動員する流れに変わってきてるように思います。だから同じ料理と言えど、バイキングみたいな。カレーがあれば必ずそれで満腹になっちゃうとか、ここぞとばかりゴマ団子を何度もおかわりするとか。

あと個人的に、締めにある生き残り策が引っかかりました。

802の生き残り策について「ローカル性」だと認識する。802は24時間生放送で、自作の番組にこだわる。オーディションで採用したDJを深夜帯から訓練し、育てていく。「関西ローカルの番組作りを徹底しないと、東京局の放送を(インターネット配信の)radikoで聞いたらいい、となってしまう。そうではなく、関西から東京に発信していく。関西からアーティストを発掘するメディアになる」と力を込めた。

これ、声を大にして文字に残したいのですが、全国的にファンの多いエンタメを、東京局が全て網羅できていると見るのは錯覚です。
また、ローカルから東京に発信する意味もあまり感じません。別に名古屋から福島だろうと大阪だろうと愛媛だろうと、どこに発信しても構わないのではなかろうかと。
その上で東京の少ない枠から漏れたもの、縁のなかったジャンルをローカル局が拾ってもいいじゃないかいいじゃないかと、松重豊の声で思うわけです。

それに、たまたま近くに面白いタレントがいれば幸せですが、ローカルからの発掘に拘りすぎると、本来の目的を見失ってしまい、弱体化に拍車がかかるだけでは、と懸念します。

ひとまず、明るいニュースが欲しいものよの。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。