華麗なるギャツビー

著者はアメリカの作家スコット・フィッツジェラルド。1925年に発売。作者は1920年代のアメリカを象徴する作家とのこと。アメリカを代表する作品であるが村上春樹さんの「ノルウェイの森」でも登場するので有名かもしれない。

ストーリーはけっこう暗めである。貧乏ゆえに失い既婚女性となったかつての恋人をジェイ・ギャツビーという青年が金持ちになって取り戻そうとする物語である。それをギャツビーのと習いに引っ越してきたニック・キャラウェイという青年の視点で描かれている。

タイトルにもあるように大金持ちのギャツビーが夜な夜な繰り広げる豪華なパーティと暗めのストーリーが綺麗に対比されている。アメリカ的な明るい陽気な社会で、こういう文学がアメリカにとって代表的文学になるっていうのは意外な気がする。アメリカ人も人並みに大変なんだなった思う。でも一方でアメリカ社会だからってバリバリアメリカっぽいものに文学的価値がつくとは限らないか。文学ってもしかしたらそういうものかもしれないし。1920年代のアメリカという非常に局所的一時的なものを暗いストーリーの中で浮かび上がらせている一方で、むしろそういった社会とあまり馴染めていない、それは今のような自由経済、資本主義、自己実現の社会に馴染めていないすべての人が抱えている問題という、グローバルかつ超時間的なものを表現していると考えると、アメリカを代表する文学にこれが選ばれるのは至極当然だなと思った。

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