【アセック セクハラ闘争記Vol.9 〜第4回団体交渉〜】
みなさん、こんにちは。私はSonyやAppleなどの世界的な企業と取引をしているアセック株式会社という会社で働いています。上司からセクハラ、パワハラを受けました。それを会社へ相談すると、副社長と役員からセカンドハラスメントを受け、休職を余儀なくされました。会社がセクハラを許したことで、その後も加害上司から私を中傷するセカンドハラスメントが行われています。現在は総合サポートユニオンという労働組合に加入し会社と闘っています。
2024年7月9日にアセックとの第4回団体交渉を行いました。今回はそのことについてです。
【アセックが認めているセカンドハラスメントについての対応】
2022年4月及び5月当時、セクハラをされたことを副社長と役員に告発・相談すると、この2名他からセカンドハラスメントを受けました。
役員は、セクハラの加害上司と私との関係性について、「近い存在になってしまって線を引くことができなくなってしまった。だから頭を撫でてしまったりはあったかもしれないね。」と、加害上司を擁護するような発言をしていました。さらには、「30年間40年間働いていく上で1つ2つなんて大した問題じゃない。」とセクハラ被害を軽視するような発言もされています。
他にも副社長からのセカンドハラスメントも多数あり、アセックはそれらの発言ついて2023年10月の団体交渉の際には”不適切な発言があった可能性があると判断し、会社として真摯にお詫びします。”というようなことを述べています。文書でも同様の回答がありました。
それにもかかわらず、役員は前回の団体交渉に引き続き今回も、「誤解を招く言い方をしたのは反省している」というような発言を繰り返します。
役員の言う’’誤解’’とは、ハラメメントだと捉えられるような言い方をしたが、それは被害者(私)を辞めさせたくなかったがための発言であって、だから誤解なのだと述べている訳です。
セカンドハラスメントの発言が’’誤解’’だとしていますが、そもそもこうした発言自体に問題があるとは考えていないということです。
さらにはそれ以外のハラスメント及び損害賠償については担当じゃないから答えられないと言い、逃げ続けています。
では、アセックが認めているセカンドハラスメントに対して、アセックはどのような対応をとったのでしょうか? 役員に尋ねと「(林社長から)厳しく言われましたよ。」と言います。
なんと厳しく言われた、厳重注意をされただけでした!懲戒処分なども一切なく、社長から口頭で注意されたのみだと言うのです。役員はこれで社内でも逃げ切り成功。自身の非を認めないというのはそのためなのかもしれません。アセックのセクハラ事件やそれに付随するハラスメント加害の認識はこの程度のものなのです。
さらに役員は、アセック日本の役員であって従業員ではない為、就業規則や私のセクハラ事件後にアセックに新設された”ハラスメント取扱規程”に則り懲戒処分をされることはないということでした。副社長も役員ということで同様に就業規則等による懲戒処分を免れます。
ということは、役員や副社長、及び社長は、従業員にハラスメントをいくら行おうと懲戒処分の対象ではありません。つまりはハラスメントし放題ということではありませんか。
私たちはアセックに対して、経営陣を対象とするハラスメントに関する規則や規程類を制定、実施するように求めます。
【団体交渉拒否はお家芸】
春闘の交渉を行うために必要な情報とは何でしょうか?
前回の団体交渉以前からずっと私たちは交渉に必要なのでと財務諸表の提出を求めてきました。
しかし今回の団体交渉でもアセックの言う「必要な情報」のみを提示してきただけで話が進みません。さすがに貸借対照表の大雑把な情報は提供してきましたが、損益計算書の項目などは一切無し。団体交渉の場で交渉に必要な項目(営業利益、人件費、人件費率、減価償却額、役員報酬額率等)の数字を要求するも、役員はすぐにはわからないと言い、これ以上の交渉はできません。
さらに、アセックが勝手に決定した賃上げの基準値だという5.2%はどうやって決めたのか?ということを聞いても、具体的な回答は返ってきませんでした。アセックの弁護士は不必要な説明を行うことで時間を稼いでいるようにしか見えず、そうした不必要な説明が春闘の説明を行ったことになると勘違いしているようでした。
今回までの団体交渉では、まだクリアになっていない事項が多く、具体性が全くありません。そのため、次回の団体交渉の日時を決めようとすると、アセックからは「団体交渉はもうする必要がない」という発言が飛び出しました。
春闘に関する交渉は何一つ終わっていないにも関わらず、です。
アセックは昨年10月、セクハラ事件について33項目にものぼるハラスメントのうち、2項目しか話し合いができていないにも関わらず、以降の団体交渉はしないと一方的に交渉の拒否をしてきました。
今回も、春闘の話し合いが終わっていない中での、団体交渉の拒否。
アセックの役員は「自分は春闘の担当だから権限を持っている」というようなことを言っており、その権限を持ち合わせた役員の判断で、団体交渉を拒否すると明確に宣言されました。
もはや団体交渉の拒否は、アセックのお家芸と言えるでしょう。
正当な理由がない団体交渉の拒否は不当労働行為という違法行為です。
話し合いにすら応じないアセックの姿勢はハラスメントを軽視しているだけではなく、人権をも無視する卑劣な行為です。
アセックの経営陣には、再び団体交渉の席に着くよう、強く要求します。副社長や役員では交渉ができないのならば、林社長の出席を求めます。
【会社で辛い思いをしている方、そういった人が近くにいる方へ】
ここまで読んでいただきありがとうございます。
私自身、この総合サポートユニオンと出会うまで、さらには会社と闘うと決心するまで1年以上かかりました。
またしてもアセックは団体交渉を拒否してきました。結局セクハラ事件のみならず、春闘もゼロ回答で一方的に終了。これまでのアセックの対応を考えると、そうなることも想像できましたが、酷い対応でしかありません。
団体交渉の場でさえ誠実な対応はされず、話し合いがなかなかできないというのがアセックとの団体交渉の実状なのです。交渉の席につかなければ、逃げきれると思っているのでしょうか。
今までは、日本の副社長並びにアセック上海在籍であり中国語が流暢な役員が、台湾人の林社長に対して正しく説明をしておらず、社長が正しい判断ができない状況なのではないかと思っていました。が、林社長もハラスメントを軽視してきたのだと思うと心底落胆します。
アセックに団体交渉の申し入れをしてから今年の8月でちょうど1年が経ちました。総合サポートユニオンと出会う前は、セクハラをされても嫌がるそぶりを見せてはいけない、普通に話さなくてはいけないと思っていました。それは上司の機嫌を損ねないようにするためでした。その一方で、セクハラをされても拒否できない自分が気持ち悪く、1人でも取引先を回れるようになるまでは我慢だと言い聞かせていました。そこへ役員や副社長からのセカンドハラスメントが加わり状況はさらに悪化。セクハラは良くないけど、あなた(私)も悪い。なんでもっと早く言わなかったんだ。固執するな。等の言葉が次々と飛んできました。セクハラの相談というのは表向きで、私をどうやったら黙らせられるか、泣き寝入りさせ退職させられるか、の面談だったのだと今なら理解できます。これらに加えて私を追い込んだのは、セクハラ加害者による私への誹謗中傷です。「死骸」という言葉を聞き、私はもう死んだ人間なのだなと思いました。加害者とアセックは私を殺したわけです、文字通り。
そんな中で考えていたことは、死ぬか、泣き寝入りするか、それ以外の方法があるか、でした。
今はその、”それ以外の方法”に辿り着きました。支援してくれる仲間とも出会いました。1人では決してできないことができています。それはとてもありがたいことです。
しかしながら、アセックは未だに何の補償もせず、事実をひた隠しにしながら経営に勤しんでいます。このようなアセックの状況を、アセックの顧客や取引先はどう思うでしょう?
会社としてセクハラを許し、人権を無視し続けるアセックの対応は、世間にはどう映るのでしょうか?
私と同じような問題を抱えたまま泣き寝入りする人がいなくなればいい。声を上げられる世の中になってほしい。それがハラスメントがこの世から無くなることに繋がると思い活動しています。皆さんにも是非一緒に考えて頂きたいです。
また、みなさんもご自身や周りで労働に関して困っている方がいらしたら一度ご相談ください。
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