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【#青山学院】7/19青山学院非常勤講師雇止め訴訟 第3回期日と報告集会を開催しました!

無期転換直前での雇止めに遭ったAさん(青山学院高等部非常勤講師)が私学教員ユニオンに加入し、雇止めの撤回を求め、青山学院(法人本部)と団体交渉を行ってきました。青山学院が雇止め撤回を拒絶したため、Aさんは東京地裁に提訴しました(2024年3月21日)。

7月19日、裁判の第3回期日と報告集会が開催されました。

これまでの交渉の経緯は以下のブログをご参照ください。

 

詳しい経緯については以下のサイトをご参照ください。

 https://union-aoyama.jimdosite.com/ 
 


◆7/19裁判の第3回期日のご報告

 

 裁判の第3回期日が、2024年7月19日に開催されました。

今回の期日から、公開の法廷で行う「口頭弁論」ではなく、争点や証拠の整理を行う「弁論準備手続」という手続に移行しました。裁判所は傍聴人が入れる部屋を用意し、原告(Aさん)を応援するために集まった10名以上の傍聴希望者は全員傍聴することができました。

被告(青山学院)からは、2名の代理人弁護士がWebで参加しました。

 原告は、「準備書面1」(被告の実質的な主張が記された「被告準備書面(1)」に対する認否や反論を記した書面)を裁判所に提出しました。これを受け、被告の代理人弁護士から認否について3点質問がありました。いずれの質問にも原告の代理人弁護士がその場で回答しました。

 この回答も踏まえ、被告は「準備書面1」に対する反論を9月初旬までに裁判所に提出することになりました。

 

◆7/19報告集会のご報告

  終了後、報告集会が開催されました。原告のAさんから、支援への謝意と勝利への決意が語られた後、参加者それぞれの立場からAさんのたたかいの意義などについて発言がありました。参加者の発言要旨を紹介します。

①代理人弁護士より

〇通常の弁論準備手続とは違い、10名以上の傍聴人の前で裁判官も緊張感をもっていた。傍聴支援の継続をお願いしたい。

〇被告は団体交渉のときから加茂暁星学園事件控訴審判決を持ち出している。裁判の書面でも非常勤講師に契約更新の合理的期待が生じない根拠として持ち出しているが、加茂暁星学園の事件と青山学院の事件は前提事実が違う。

〇非常勤講師の雇止め無効が認められた裁判例は少ないが、それ以前に非常勤講師が原告となって雇止めを争った裁判が少ない。その背景として、非常勤講師の雇止めの場合、そもそも提訴にまで至っていないという事情があるのではないか。

〇原告のAさんに落ち度がまったくなく、無期転換回避以外には雇止めのきっかけとなる出来事すらないという点も青山学院の雇止め事件の特徴。裁判所にはこうした点も訴えて、勝訴を勝ち取りたい。

②支援者より

〇先生(原告のAさん)は、実際の生活に反映できるような知見を身につける教育をしてくれた。ディベートの授業があったり、さまざまな学びの機会を提供してくれた。私が他大学への進学準備をしているときも応援してくれた。先生に少しでも恩返しをしたい。高等部の後輩たちがまた先生の授業を受けられるように、これからも先生を応援したい。(Aさんの青山学院高等部での教え子)

〇青山学院大学では高等部より教員の非正規率がさらに高く、2024年5月1日現在で63.0%となっている(高等部は38.3%)。Aさんのたたかいを通じて、こうした状況の改善につなげたい。青山学院大学のキャンパスでパレスチナ問題についての意見を訴える活動をしているが、大学当局は高圧的な態度をとっている。大学当局にはあらゆる差別や人権侵害をなくす取り組みをしてほしい。(青山学院大学の学生)

○私の勤務校でも非正規率は高く、多くの学校教育現場は不安定な非正規雇用の教員によって支えられている。こうした状況を改善していかないと、教員不足も解消しない。

〇私も非常勤講師として無期転換直前で雇止めに遭いそうになったが、ユニオンに助けていただいて契約更新に至った。青山学院は知名度も高く、社会的に規範とされるような学校。生徒だけでなく教員も大切にする姿勢を率先して見せてほしい。

〇介護・保育ユニオンで、労働条件の改善や利用者の権利擁護に取り組んでいる。青山学院大学に在籍していたことから、この青山学院の事件に思いがある。Aさんとともにたたかって、勝訴を勝ち取りたい。

〇自販機産業ユニオンでのたたかいを5年ほど続け、長時間労働や劣悪な労働環境の改善に向けて取り組んでいる。Aさんのたたかいも、非正規を使い捨てる教育業界の構造に対してメスを入れることにつながる。

〇青山学院大学の卒業生で、今は塾に勤めている。塾業界でも非正規の使い捨てが横行している。教育業界全体での非正規の待遇改善につなげていきたい。

〇「総合サポートユニオンを支える会」や「POSSE」の会員をしている。有期雇用の状況は悪くなるばかりで、歯止めをかける必要がある。また、非正規教員の安易な雇止めは学問の質を落とすことになる。こうした点でAさんのたたかいの意義は大きい。

〇別の問題で原告のAさんと関係がある。私も教員だったため、非正規教員の状況がよく分かる。Aさんが泣き寝入りせず、声を上げたことを支持したい。

〇私が抱えている人権問題では、原告のAさんが支援してくれている。Aさんの雇止めは労働問題であるだけでなく、人権問題でもある。私が抱えている人権問題とAさんの労働問題の根っこは同じ。自分の問題だと思って、これからもAさんの支援を続けたい。

◆9/11裁判の第4回期日と報告集会のお知らせ

裁判の第4回期日(弁論準備手続)が2024年9月11日(水)15時~ 開催されます。弁論準備手続は、当事者が申し出ると傍聴が認められる場合があります。傍聴を希望する方は、こちらのGoogleフォーム(https://forms.gle/y37cfvaWW9qwvnoA9)よりお申し込みの上、14時45分に 東京地裁13階 民事第19部近く にお集まりください。

 同じ日の15時半~ 報告集会を弁護士会館の会議室で実施します。オンライン(Zoom)での配信もいたします。報告集会に参加を希望される場合、対面/オンラインともに上記Googleフォーム(https://forms.gle/y37cfvaWW9qwvnoA9)より事前のお申し込みをお願いいたします。

 change.orgで始めたネット署名も、2024年8月9日現在で、6542筆の署名を頂きご賛同を頂き、大きな力になっています。さらなる拡散、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。 

6542筆のオンライン署名(2024年8月9日時点)

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

電話番号 03-6804-7650
(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)
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