新型コロナ対応助成金の申請を会社にお願いしたところ、試用期間満了で解雇されたうえ労働審判を起こされた私が、司法で解雇が無効と判断されたことについてのご報告

 前回5月のご報告から色々なことがありましたので、簡単にではありますが、この間の経緯をお伝えできたらと思います。

《3月》 学童クラブ施設管理者として入社、2か月の試用期間が設けられた
《4月》 緊急事態宣言発令。会社に①出勤人数を減らすこと、②小学校休業等対応助成金申請による従業員への休業補償、をお願いしたところ、“労務に口出しをした”ことを理由に4月末、試用期間満了で解雇された
《5月》 労働組合、総合サポートユニオンに加入し、解雇撤回を求め会社に団体交渉の申し入れを行った

↓↓ここまでの詳しい経緯は以下を参照ください↓↓

認可保育園と学童クラブを運営する会社に不当解雇の撤回と従業員(保育士含む)への休業補償を要求します

《6月》第1回目の団体交渉
会社側には弁護士がつき、今回の解雇の有効性を主張。事実と異なる点、矛盾点について組合側が事実確認を求めたが、終盤、以下のようなやり取りがあった。
(会社側)「労働審判に移行するので団体交渉はもうしません」
(組合側)「団体交渉拒否は認められません。発言を撤回してください」
 1時間近くの交渉の末、団体交渉打ち切りは避けられ、次回日程を調整した。
《7月》第2回目の団体交渉
開始直後、会社側から労働審判を申し立てたと通告があった。
(会社側)「労働審判を申立てました。裁判所からご自宅に届く書類をご確認ください」
組合側が回答を求めても、会社側は「審判で答えます」を繰り返した。

 この日の団体交渉でも解決には至らなかったが、第1回目、2回目と労働組合のメンバーが遠くから交渉に駆けつけてくれたり、オンラインでも参加してくれたりして、大変心強かった。

《8月》地方裁判所から“呼出状”、“答弁書催告状”、“会社側証拠書類”等が自宅にどっさり届いた。申立書には、①解雇は有効である、②会社側はあなたに金銭は一切支払わない、③会社側の申立費用をあなたが負担しなさい、といった内容が書いてあった。

 組合に報告すると、すぐに私の代理人になってくれる弁護士さんを紹介してくれて、早速答弁書を作成してくださった。その内容は、驚くほど、これまでの経緯や労働組合での交渉内容が的確に記載されていて、とても安心できた。ちなみに今回のような事件で会社側が労働審判を起こすのは異例とのことだった。(通常は解雇撤回を求めて労働者側が訴えるものとのこと)

《9月》労働審判1回目
 労働審判は、これまで労働組合の団体交渉で行ってきた解雇に至るまでの事実確認を、再度行っているという印象だった。これまでと少し違ったのは、会社側の主張に対し、私たちの代わりに裁判官が質問をしてくれるので、事実確認がとてもスムーズに行われた印象だった。
 この日、裁判官より「解雇は無効となる見解です」と告げられ、労働審判2回目では解決方法の調整が行われることとなった。

 数日後、私は今回の申立書を持ってハローワークに失業手当受給の申請に行ったが、「申立書があってもそもそもの離職票がないと支給はできません」と言われ帰宅した。

 試用期間だった私を会社は雇用保険に入れておらず、離職票が存在しない状況で途方に暮れた。

《10月》労働審判2回目
 会社側は追加証拠として“助成金支給決定通知書”を提出、「会社として6月に助成金を申請し、従業員へ休業補償を支払った事。」を証明してくれた。ひとまず私は、学童スタッフと保育士たちに休業補償が支払われたことに安堵した。
 解決方法については、本来ならば復職したいという思いもあったが会社側と折り合わず、労働審判がだされたのち、会社から打診があり、和解をすることになった。
 労働審判については、解雇無効の判断を前提にした労働審判が出され、会社側に解決金の支払いを命じる審判が出された。

 以上が、タイトルにある「新型コロナ対応助成金の申請を会社にお願いしたところ、試用期間満了で解雇されたうえ労働審判を起こされた私が、司法で解雇が無効と判断されたことについてのご報告」となります。

 今回の件を機に、利用者や従業員の為にも、今後会社の運営が改善されていくことを願います。

 また、私がそうであったように、私と似た状況で苦しんでいる方々が、この報告を機に労働組合と繋がることを願っています。

 私としましても、今回たくさんの方に支えてもらった分、今後も組合の一員としてできる限り努めていきたいと考えています。


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