派遣先との契約が更新されなかったり、新しい派遣先が見つからなかった場合でも、派遣会社との雇用契約は維持できます!

 今、派遣先との契約が終了してしまい、派遣会社から「次の仕事は探したけど、見つからなかった。自分で探してください」などと言われて6月末まででの雇い止めにされて、派遣会社からの「保険証返送のお願い」などの通知を受け取った人も多いのではないでしょうか。

 ですが、次の派遣先が見つからなかったから = 派遣会社との契約が切れる、という訳ではありません!

 私も、一派遣社員として働いていましたが、「社員と同様に在宅勤務を希望したから」などという納得のいかない理由で今年の5月に派遣先との契約を中途解除され、それについて派遣会社エキスパートスタッフは全く守ってくれず、総合サポートユニオンに相談するまで、上記のことを知らなかったのです。

 総合サポートユニオンで、「派遣先との契約が切れたり、次の派遣先が見つからない場合でも、派遣元には雇用調整助成金などを利用して派遣労働者の雇用を維持するように、厚生労働省から要請が出ています」と教えていただいたとき、とても驚きました。

 私と同じように、4月に職場環境の改善を要望して総合サポートユニオンに相談した組合員の方にも会いましたが、その人もこのことを知りませんでした。

 相談員の方も、派遣社員の人でそれを知っている人は非常に少ないと話していました。

 これは、今まで派遣会社が派遣労働者を全く守ろうとせず、「派遣先との契約が切れたら即さようなら」という態度を貫いてきた結果だと思います。

 厚生労働省は5月26日、日本人材派遣協会に「新型コロナウイルス感染症に係る派遣労働者の雇用維持等に関する要請書」として、以下を要請しています。

・派遣元事業主にとって重要な人材である派遣労働者の雇用を維持すること
・派遣先企業と協力しながら、可能な限り労働者派遣契約の更新等を図ること
・労働者派遣契約の解除や不更新があった場合であっても、雇用安定措置の義務等を適切に果たすこと
・新たな就業先の確保ができない場合であっても、雇用調整助成金の拡充措置などを踏まえ、安易な雇い止め、解雇等は行わず、派遣労働者の雇用の維持を図ること

 そして、人材派遣協会は、「一人でも多くの派遣社員の雇用維持を図って行く」と、回答をしています。

・労働者派遣契約の維持・継続を推進する
・派遣先との契約の更新に至らなかった場合も雇用安定措置を図る
・特にコロナ禍を理由に継続に至らなかった派遣社員には優先的な取り組みをする
・すぐに新たな派遣先の提供に至らなかった場合もサポートの取り組みや政府の助成金などを活用して、派遣社員の雇用の安定を保護に努める
・一人でも多くの派遣社員の雇用維持を図って行く

 つまり、このコロナ禍において派遣労働者を安易に雇い止めしないよう、派遣会社に向けた要請が出ているのに、私たち派遣労働者が雇い止めにされているということは、派遣会社がそれを守っていないということです。

 総合サポートユニオンは、派遣会社各社に対して、上記の要請や回答に従って、派遣労働者の安易な雇い止めを速やかに撤回して雇用を継続するよう求めています。

 雇い止めに遭って困っている派遣労働者の方は、総合サポートユニオンにぜひ相談してください。一緒に、厚生労働省や派遣会社へ働きかけていけたら嬉しいです。

 本日ホットラインも開催中です。

コロナ禍の休業・解雇・生活相談ホットライン
日時:7月5日(日)10時~20時
番号:0120-333-774(相談無料・通話無料・秘密厳守)
対象:全国の労働・生活相談を抱えている方。学生や外国人の方も対応可。

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