新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として 厚生労働省 首相官邸 のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。

派遣会社エキスパートスタッフに対し、派遣労働者の安易な雇い止めをしないよう、雇用の継続を求めて団体交渉を行いました!

総合サポートユニオンは、昨年から一年以上の契約更新を重ねて派遣先で就業していた組合員Aさんが、5月に突然、派遣契約を中途解除されたことについて、派遣会社エキスパートスタッフと派遣先の株式会社YUIDEAに対して、雇用の継続を求めています。

派遣労働者に在宅勤務を許さない派遣先

組合員Aさんは、派遣会社エキスパートスタッフと雇用契約を結び、派遣先の株式会社YUIDEAで一年以上就業し、制作の仕事をしていました。
派遣先の部署では、3月25日の都知事の会見のあとすぐの27日から、社員、契約社員、業務委託者が在宅勤務に移行しましたが、派遣社員にはそれが許されずに毎日出社をする状況が続いていました。

派遣先「正社員の目の届かないところでは、派遣労働者を就業させない方針」

組合員Aさんは、同じ部署の正社員等と同じように在宅でも可能な仕事をしているにも関わらず、派遣社員にだけそれが許されないことを疑問に思い、派遣会社エキスパートスタッフを通して在宅勤務を要望したところ、派遣先からは「正社員の目の届かないところでは、派遣労働者を就業させない方針」という理由で、また派遣会社エキスパートスタッフも派遣先の意向に準じるということで、却下となりました。

派遣先の指揮命令者が在宅勤務をしていて、派遣労働者が出社している状況は、「正社員の目の届く」の意図するところを十分に満たしているのでしょうか。それとも、「正社員」であれば誰でも、派遣労働者を指揮命令できるということでしょうか。

厚生労働省「派遣労働者についても、派遣先が自ら雇用する労働者と同様に、積極的なテレワークの活用をお願いいたします」

厚生労働省は4月10日付で、派遣先に対して、派遣労働者のテレワークの活用に柔軟に対応することを求める「派遣労働者に係るテレワークの実施について」と題する以下の発表をしています。
・新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するためには、テレワークが有効な対策の1つである
・派遣労働者についても、派遣先が自ら雇用する労働者と同様に、積極的なテレワークの活用をお願いいたします
・派遣先での派遣労働者に対する指揮命令は、必ずしも対面で実施しなければならないものではありません
・テレワークを実施するための契約の変更は、緊急事態宣言下であることを考慮し、事前に書面による契約の変更を行うことを要するものではありません

組合員Aさんは、上記のうち、特に「指揮命令は、必ずしも対面で実施しなければならないものではありません」は、派遣先の「正社員の目の届かないところでは、派遣労働者を就業させない方針」に変更を促すものかもしれないと考えて、上記の厚生労働省のページを、派遣先YUIDEAにも、派遣会社エキスパートスタッフの営業担当者にも示して再度在宅勤務を要望しましたが、許可されることはありませんでした。

在宅勤務を却下されたあとに、休みを3日間取得したところ、突然の派遣契約の中途解除

そんな中、やはり緊急事態宣言下で毎日出社し続けることに感染リスクを感じていた組合員Aさんは、派遣会社エキスパートスタッフと相談して、在宅勤務ができないなら、せめて出社日を少し減らせないか考えて、4月の半ばに3日間の休みを取得しました。

すると、5月の連休明けに突然、「コロナの影響で売上減少が見込まれるため、最短で辞めてほしい」という派遣先の意向を、派遣会社エキスパートスタッフから告げられました。確かな理由も説明してもらえないまま、一週間後の5月の半ばが最終出社となりました。

組合員Aさんは、派遣契約の中途解除理由の開示について、その後も派遣会社エキスパートスタッフに求め続けたところ、在宅勤務を要望していたことや、4月半ばの休みが原因だったと、6月の半ばにやっと知ることができました。

その際に、派遣会社エキスパートスタッフの営業担当者は、今回の派遣契約の中途終了について、「すべてコロナがなければ起こらなかったことで、組合員Aさんの非ではない」としました。そこで、「非がないのであれば、どうして中途解除になったのか。派遣先と再契約をして欲しい」と組合員Aさんが希望すると、同席していた営業課長は、組合員Aさんと初対面だったにもかかわらず、「Aさんは性格が真面目だから、考えすぎなのではないか。派遣先との契約は切れているので、終わった話だ。気持ちを切り替えて、前を向いたほうがいい」と、捉え方の問題としました。

組合員Aさんは、「では、気持ちを切り替えて前を向きたいので、新しい仕事を紹介するか、7月以降の雇用を継続してください」と依頼すると、営業課長は「紹介できる仕事はない。派遣先がないのだから雇用の継続はしない」と、雇い止めを宣告しました。(※)
その宣告で、組合員Aさんは、総合サポートユニオンに相談することを決めました。

※実際は、派遣先との契約が解除され、新しい派遣先が見つからない場合でも、派遣会社と派遣労働者との契約は継続可能です。厚生労働省は派遣会社に対して、休業補償や教育訓練を行いながら派遣労働者の雇用を維持するように要請しています。

「コロナの影響」や「在宅勤務の要望」を理由にした派遣契約の解除を撤回してください

同じ部署で働く正社員等が速やかに在宅勤務に移行した中で、派遣労働者にもそれをさせてもらえないか要望することや、在宅勤務ができないなら、せめて感染リスクを減らすために出社日を間引くための3日間の休みを取得することは、派遣契約の中途解除の正当な理由に値するような過失だったのでしょうか。
そもそも命を守るための緊急事態宣言下で、在宅勤務を派遣社員にだけは許さないというのには正当な理由があるのでしょうか。
派遣先である株式会社YUIDEAは、「コロナの影響」や「在宅勤務の要望」を理由にした派遣契約の中途解除を速やかに撤回してください。

派遣会社エキスパートスタッフは、派遣労働者を守り、雇用を継続してください

総合サポートユニオンは、派遣会社エキスパートスタッフに、団体交渉を申し入れました。
「派遣先が契約の中途解除を行った理由についてのエキスパートスタッフとしての見解を教えてください」とユニオン側が質問すると、営業次長は「派遣先と派遣社員の間でエキスパートスタッフは『中立』の立場なのでそれは答えられない」と回答しました。
また、営業次長は、「一緒に働きたくないと職場の人に思われたんじゃないですか?」と、労働者に非があるような発言をしました。「一年以上も契約の更新を続けていたのに、そう思うのはどうしてですか?」とユニオン側が質問すると、営業次長は理由を説明せずに「撤回します」と即答しました。

以上の発言に対してユニオン側が、派遣会社は、「中立」ではなく派遣社員を守る立場であることを指摘し、このような場において、理由の説明もなく即答で撤回するような無責任な発言をする背景には、派遣先に切られたらそれに従い、派遣労働者を守ることをしないという姿勢がよく現れているのではないか、と述べると、またもや即答で「すいません」とだけ営業次長が発言し、それに対して営業課長も「すいません」とかぶせ、あまりにも軽々しく発せられる言葉に、ユニオン側が「何に対してのすいませんですか?」と問う一幕がありました。

そして、派遣会社エキスパートスタッフは、以下のことを認めました。
・在宅勤務の希望は、派遣先の意向により叶わなかったが、それはエキスパートスタッフとしても納得のいくものではなかった
・今回の派遣契約の中途解除について、組合員Aさんには非がない
・組合員Aさんだけでなくエキスパートスタッフとしても、7月以降も派遣先との契約の継続があると考えていた

ただし、上記を踏まえても「現時点では7月以降の雇い止めは撤回しない」と派遣会社エキスパートスタッフは宣言しました。これについても理由の説明はないままで、「以上です。お引き取りください」という営業課長の発言がありました。

雇用調整助成金を活用して、安易な雇い止めは撤回してください

厚生労働省は5月26日付で、派遣会社エキスパートスタッフが所属する日本人材派遣協会会長に宛てた「新型コロナウイルス感染症に係る派遣労働者の雇用維持等に関する要請書」を、以下の内容で発表しています。

・派遣元事業主にとって重要な人材である派遣労働者の雇用を維持すること
・派遣先企業と協力しながら、可能な限り労働者派遣契約の更新等を図ること
・労働者派遣契約の解除や不更新があった場合であっても、雇用安定措置の義務等を適切に果たすこと
・新たな就業先の確保ができない場合であっても、雇用調整助成金の拡充措置などを踏まえ、安易な雇い止め、解雇等は行わず、派遣労働者の雇用の維持を図ること

派遣会社エキスパートスタッフは、上記の要請に従ってください。
総合サポートユニオンは、引き続き行動を続けていきます。
みなさまの応援をお願いいたします。


note用寄付呼びかけ画像
【総合サポートユニオンのコロナ相談体制の支援のお願い】

 緊急事態宣言の解除以降、新型コロナウイルス被害の雇用に対する影響がますます深刻化しています。解雇、雇い止め、そして派遣切りの労働相談が増加しています。特に、女性の非正規からの相談が膨大に寄せられています。
 総合サポートユニオンでは、月1000件に及ぶ労働相談を受けて法律や制度のアドバイスをしながら、団体交渉を通じて、解雇の撤回、休業補償の支払いを認めさせています。
 一方で、相談受付になどかかる費用の不足が、私たち総合サポートユニオンの課題となっています。コロナにかかわらず、通常の労働組合の一般業務に加えて、コロナ相談に対して週6日(平日夜間と土日祝日の日中)の4〜5時間の電話相談に、最低3〜4人の相談員を配置して対応しています。これにメールでの労働相談のやりとりが加わります。
 この相談体制を維持し、これからの解雇・雇い止め拡大の情勢に備えて拡充するには、資金が枯渇しているのが実態です。
 ぜひ、寄付での応援をお願いします。寄付の方法は以下の3つがあります。

(1)クラウドファンディングでの応援(2020年7月30日まで)
「新型コロナ被害による労働問題で困っている人を応援したい!」
https://camp-fire.jp/projects/view/282148

(2)振り込みでの応援
●ゆうちょ銀行での振り込み
(a)郵便局で振込用紙を使って納入する場合
  郵便振替口座:00150-8-765273 口座名義:総合サポートユニオン
(b)銀行などから振り込む場合
  ゆうちょ銀行 預金種目:当座預金 店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店) 口座番号 0765273
●みずほ銀行での振り込み
 みずほ銀行 店名:北沢支店 預金種目:普通預金
 口座番号:3024622 口座名義:総合サポートユニオン

(3)noteでの支援
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総合サポートユニオンは、働く人の権利が守られる社会、ブラック企業によって若者が使い潰されることのない社会を目指して結成された労働組合です。総合サポートユニオンが行なっている団体交渉についての情報や、働く人にとって役立つ情報を発信していきます!http://sougou-u.jp/

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