「３年以内に転職するなら損害賠償を請求する」....　楽星インターナショナルに卒業証明書返還を求めて団体交渉中です

　はじめまして。私は、総合サポートユニオン組合員の中国人労働者で、楽星インターナショナルで働いています。

　楽星インターナショナル（東京都港区三田3丁目2-3　万代三田ビル2F ／代表取締役：藤本明裕氏）は派遣会社として、中国で多くの人をリクルートして、日本全国各地のホテルや旅館に派遣しています。

　私は2018年に来日しました。私も含めてユニオンに加入している楽星インターナショナルで働く組合員はみな、中国の大学で日本語を勉強しました。来日時に、ブローカーへ50万円の紹介費を払ってこの会社に入りました。また、楽星に入社する際に、在留資格取得手続きのために、大学卒業証明書、学位証明書、日本語能力証明書の原本を会社に渡しました。それから、ずっと会社が証明書などを持っています。まだ返してもらっていません。「（証拠のために）証明書の写真を撮りたい」と言ったら、「日本はそんな法律ない（ので撮ってはダメだ）」と断わられました。さらに、労働契約書も会社は渡してくれませんでした。３年以内に退職すると「罰金」もあり、転職することは事実上許されていませんでした。私たちは初めて日本に来たので、何も知らないし、日本語もうまく話せないです。

　その後、私たちは入国管理局に確認して、転職は自由ということを知り、自分が騙されていたと分かりました。入国管理局の指示どおり会社に退職手続きやりましたが、最終月の給料と離職票、大学証明書などを会社は私たちに返すことはありませんでした。

証明書は「持っていない」

ユニオンに加入して最終月の給料は取り返すことができました人もいます。しかし、大学証明書などを会社は一切持ってないと嘘をついています。みんなWeChat（＝ラインのようなアプリ）での証拠がありますが、会社は認めません。新型コロナのせいで仕事なくなったのに会社は休業補償もしません。中国に戻れず給料もないので、生活が苦しくなっています。

転職は事実上不可能

この会社の面接を受けたとき、「在留カードは会社専用の在留カードだから、この会社を退職したら、この会社の在留カードに穴をあけて使えなくしてから返して」と言われた人もいます。また、大学証明書の原本も会社が持っているから、転職しようと思っているけど無理です。入国管理局に確認すると、在留カードは国から発行するパスポートみたいなものですので自分のモノです、転職はできますとも言われました。みんな騙されていたことに気が付きました。会社からは「ほかへの転職はダメだよ。」「転職したやつは容赦なく裁判やってるからこっちは」、「今も一人中国に帰ったんだよ。それみたいにちゃんと穴あけてくれればこっちは問題ない」と言われました。だから、私たち怖かったです。

大学証明書といろんな証明書

中国での面接時、会社は「あなた達の代わりにビザ申請するため、大学卒業証明書などの原本持ってきてください、原本ないなら、ビザはおりません」と言いました。しかし、実際は手続きに原本は不要で、コピーがあれば十分でした。それでも会社が原本を預かる理由は理由は、みんな転職しないようにするためです。中国の大学証明書は再発行できないですから。

雇用保険と社会保険に未加入

中国での面接の際に、社長と会社通訳は、「日本の保険料すごく高いので、一ヶ月4万円かかっちゃうから、みんなお金欲しいでしょ、だから、払わなくてもいいですよ」と私達に言いました。みんな、それに同意する内容の紙を書きました。後でわかったのですが、それは私たち中国人労働者を雇用保険や社会保険に入らせないためのものでした。そうすれば会社の負担が軽くなるからです。私たちはフルタイムで働いていましたが、健康保険や雇用保険には未加入でした。

団体交渉申し入れ

私たちはユニオンに参加して、みんなで会社に行きました。しかし、ドアも開けないし、対応した会社の人は、私達のことを「知らない人」と言われました。社長は会社にいないとかいろんな言い訳しました。いつも連絡取れてる中国人スタッフはいたけど、出てきませんでした。何も答えてくれなかったです。

団体交渉で違法行為を認める

私たちユニオンと会社は、オンラインで第一回目の団体交渉を５月１４日やりました。しかし、社長は大学証明書などを持っていることを認めなかったです。みんな面接時に証明書などを全部、会社に渡しました。この会社を紹介したブローカーも、証明書などは会社にあると言いました。しかし、社長は認めないです。

会社は「2020年4月頃，株式会社楽星インターナショナルは，三田労働基準監督署より是正勧告を受けました」と回答しており、違法行為を指摘されたことを認めました。しかし、給料は払われていない人もいます。

私たちは中国人だから、会社はいつも怖いことを言ってきました。私たちどうすれば良いかわからなかったです。何が正しいか何が悪いか、日本の法律は一体どんな決まってるか、私たちは何もわからないです。しかし、幸いユニオンに入って、一緒に闘う仲間を見つけました。