アップルシード・エージェンシー社、意向に反して組合員の体調について第三者に暴露したことを認め、発言撤回も検討

総合サポートユニオン

 2022年10月6日、総合サポートユニオンは、株式会社アップルシード・エージェンシー(本社新宿区、代表 鬼塚忠)と2回目の団体交渉を行いました。私たちが用意していた主な議題は、1)組合員Aさんへの誹謗中傷について、2)同氏への残業代未払いについて、3)同氏へのパワハラとセクハラについて、の3点です。すでに9月13日に1回目の交渉を行っていましたが、両者の話し合いは平行線をたどり、2回目もほぼ同じ内容について話し合ったので、今回はまとめてご報告します。

 事件の経緯については過去の記事をご参照ください。
https://note.com/sguion/n/n394d9dc98f75
https://note.com/sguion/n/n91e2b158376c

 私たちは議題について順当に話し合い、解決することを目指しましたが、実際の団体交渉の場では、1回目の交渉でも2回目の交渉でも、最初に掲げた論点の一つ、誹謗中傷の撤回と謝罪を求めることに多くの時間を費やしました。

〇退職者に対する執拗な嫌がらせ
 私たちが「誹謗中傷」と言っているのは、鬼塚社長が既に退職しているAさんと付き合いのある作家に対し、「あいつとは関わるな」「詐欺行為をしていた」「副業で儲けている」等と事実無根の情報を流したり、本人の意向を無視して体調などに関する個人情報を暴露したことを指しています。

 社長の鬼塚忠氏は、組合員であるAさんが病気で退職したことに加えて、体調不良が長期に及んでおり復帰の見通しが立たない等、業界内でのAさんの信用を明らかに傷つける発言を、Aさんの退職後に電話やメールで取引先に言い回っていました(なお、同様の発言は、一部の作家に対し栂井理恵副社長もしているという証言を得ています)。
 また、鬼塚氏はキャバクラで副業をしていた、詐欺行為を行っていたなどという事実無根の情報も拡散していました。加えて一部の取引先などには「あいつはやばいので関わるな」と警告としか取れない発言にも及んでいました。Aさんは現在もアップルシード・エージェンシーと同じ出版業界で働いているため、こうした鬼塚氏の発言によって仕事の依頼が減るなどの実害が出ています。

 8月15日の申し入れでも9月13日での私たちは会社に対し、誹謗や個人情報の暴露をやめるように要求しましたが、会社は私たちの主張は事実無根と言い続けています。ところが依然として作家・関係各所から類似した誹謗中傷があったとの報告をAさんが直に受けています。


〇鬼塚社長、本人の意向を無視した個人情報暴露をみとめる 発言の撤回も検討
 私たちは1回目の交渉で、様々な発言について関係者から提供されたメールの文面などを証拠として提示し、発言の撤回と情報の訂正、そして謝罪を求めました。しかし、鬼塚氏は、体調のことは誰もが知っていた、相手から聞かれたので答えただけ、などという言い訳にもならない主張をくり返し、自分がした発言の事実をはっきり認めようとしませんでした。
 なお、一時期体調不良だったことは実際にはごく一部の関係者のみにしか伝えておらず、その後、完全復帰したことを休暇を取る旨を伝えた人には、Aさんから全員に直に通達し、実際に退職するまでは担当していた仕事を一部を除きほぼ全て引き続きしていたため、鬼塚氏の主張はかなり不自然だと言えるでしょう。

 さらに、副業についても、 鬼塚氏がAさんが当時(2020年頃)担当していた本を読み、興味本位で検索でたまたま覗いた店のウェブサイトに偶然Aさんが登録されているのを見た、などという根拠のない違和感のある主張を展開し、事実を認め謝ろうとはしませんでした。
 発言の内容が事実と大きく異なることは言うまでもありませんが、私たちが問題にしているのは、退職した社員の個人に関わる情報を取引先に言い回っていることです。その明確な証拠があるにもかかわらず、「言い回っていますよね」という私たちの質問に対して、鬼塚氏は「はい」か「いいえ」を明確にせず、関係のない情報をあれこれと並べて論点をすり替えようとします。

 こうした不誠実な態度は2回目の交渉でも続きましたが、今回私たちは、情報提供者の1人に交渉の場で、鬼塚氏から直接聞いたAさんに関する発言(「あいつとは関わるな」「詐欺行為をしていた」「副業で儲けている」等)を実際に証言してもらいました。その上で改めて、撤回と謝罪を求めました。
 当初はそれでも発言を認めず「担当してもらっている仕事の事で電話しただけだ」(なお、実際には鬼塚氏が電話した時点でこの情報提供者の方はアップルシード・エージェンシーからの仕事を何も引き受けていない)と話をかわそうとしたものの、徐々にですが、私たちの問いかけに答える形で、言い回っていた事実を認め始めました。

 そして、鬼塚氏は以下の点を約束しました。さらに、1週間を目途に、これを合意事項として書面にして提出すると約束しました。
1、今後、Aさんの体調や副業について第三者に言わない
2、今後、関係先からAさんについて質問された場合は「知らない」と言う
3、すでに鬼塚氏から発言をされた人について、その人物を組合側が特定した場合、会社側で検討の上、情報の誤りを訂正する

 今回、この内容を約束させるだけで1時間半以上もかかりました。一時は鬼塚氏から「この場で決めることはない」という発言もあり、交渉自体の進行さえ危ぶまれました(ちなみに団体交渉の場に決定権限のある者が来ないのは不誠実団交に当たり労働組合法違反です)。しかし、私たちの要求の切実さをAさん自身の言葉でも粘り強く伝え続けたことで、今回の成果につながったと思います。これまで言い逃れしかしてこなかった鬼塚氏に、Aさんについて今後は何も言わない、と約束させたことは大きな一歩です。

〇労基署からの是正勧告を受けて残業代支払いを約束
 一方、残業代については、9月13日付で新宿労働基準監督署が割増賃金の未払いが労働基準法違反であるとしてアップルシード・エージェンシーに対し是正勧告を出しました。勧告を受け、会社は未払いの事実を認め、会社が計算した未払い賃金額を支払うという通知がありました。
 会社計算の未払い額は組合計算の1/3程度で、所定時間の労働すら認められていないなど、大きな計算間違いがあると私たちは考えています。

 また、会社側が残業時間の計算の主な根拠としている日報は、Aさんが勤務していた時期の途中から、コロナ感染症拡大の影響もあり社員各自が自宅勤務せざるを得ない状況を受け、始まったものです。それ以前は、会社はAさんに限らず全社員の労働時間の把握と管理を一切していませんでした。
 この時期の労働時間の記録は、会社・作家・取引先との間で送受信された膨大なメールや社員共通で使っていた業務カレンダーに残されていると私たちは主張しています。今後はこのメールやカレンダーの扱いが焦点になっていくと思います。
 今回の交渉では、膨大なメールや登録されたカレンダーの1つ1つを確認していくとかなりの時間と労力がかかるため、残業代の概算を私たちが提示して次回の交渉で検討するという話になりました。

〇会社の姿勢が少しずつ変化してきています。今後もみなさまのご協力をよろしくお願いいたします。
 過去2回のブログからもわかる通り、アップルシード・エージェンシーは、従業員に過重な労働を強いつつ、一方的な主張でその事実を隠蔽し、辞めた社員は誹謗して業界から締め出そうとするような会社です。今回の交渉では、あくまでAさんの話を争点にしていますが、誹謗中傷に関しては以前鬼塚氏の一存で懲戒解雇した社員、複数人に対しても行われており、会社としての倫理観が大きく欠けていることが窺えます。
 私たちの目的は、団体交渉を重ねることでこうした姿勢を改めさせ、今現在も働いている社員の方々の労働環境を改善していくことです。2回の交渉を経て、会社の姿勢が少しずつ変化してきています。今後もみなさまのご協力をよろしくお願いいたします。


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