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05 群青日和

男性と2人でご飯・・・どうしよう・・・待ち合わせから怖い・・・。

マッチングアプリについていろいろTwitterで調べたツイ廃のしがない。『連れ込まれた』『ブスだったから置き去りにした』などなど、ろくでもないことばかり書いている…正直怖い。
高校生のころからネット上のオフ会には積極的に参加していたので正直楽勝、何者とのわからない人と実際に会うなど余裕!と思っていたが正直マジで怖い。足がすくむ。手が震える。

そんなことも言ってられないので、心の中の縮こまっている自分に往復ビンタをかましていざ待ち合わせ場所へ!

【アポ1人目@新宿】
写真とあまり変わらない人だ!!と安堵する。良かった。
思ったより小柄だけど…!

待ち合わせ場所から他愛もない話をしながらランチへ行き、仕事モードで話を展開していく。仕事モードだとなんとか話せる人間嫌いのしがない。

「いいか、アポは仕事だと思え。しがないなら話せる。大丈夫。」

婚活パーティで結婚相手に巡り合った女友達からの太鼓判もあり、仕事だと暗示をかけるとなんとか話せる。…でもこれでいいのか…?

・どんな仕事をしているのか
・転職回数は?

など、中途採用面接さながらのトーク。
正解不正解で言ったら、婚活だと△、恋活だと×だろう。

お相手のプロフィールは事前予習をしていた真面目なしがないだが、人に全く興味がないので、プロフィールを見ても「ふーん」で済んでしまう。
もっと言葉にすると「わかったわかった、書いてある通りね。で?」という感じである。

事前情報を頭に叩き込んだはいいが、興味がない度合が凄すぎて名前すら憶えていなかったのはさすがに自分でも引いた。
人の名前を間違わないために、ジャニーさんよろしくYouで済ませたい。

そんなこんなで2時間、なんとか名前を呼ばずに乗り切ったしがない。
相手がすごくそわそわしていることに気が付いたので、「どうかされましたか?」と声かけすると、

お相手「タバコを吸いたくて」

プロフィールには『吸わない』って書いてなかったっけ…と思いながらも、禁煙のお店だったので吸えなかった微妙な空気をなんとか払拭しようと、

「私も二十歳のときにグレたくてタバコを吸おうと思ったんですけど、一吸いした時点で頭痛が来てグレるの挫折したんですよね~(笑」と当時のヤンチャエピソードを披露してみた。
ここで、勘の良い人からは「二十歳でタバコを吸うって、別にグレたことにならなくない?(笑」だとか、気が付く人からは「じゃあたばこの煙はよくないね…」だとか、いつもおなじみの反応が返ってくるものなのだが、


「ヤンチャエピソードで言うと、僕、全身に入れ墨が入ってて…(云々」


まさかの斜め上?斜め下?の返しが来て、そのあと「元妻から勧められてアプリ始めて…」など、『婚姻歴なし』とプロフにはあったハズだったのにな…とぼんやり思ったこと以外、そこから先は覚えていない。

ただ、その人の唯一素敵だと思ったことは覚えている。
「元奥さんはどんな方だったんですか?」と興味本位でお伺いしたところ、「聖母マリア、仏のような人です」と悪いところは何一つ口から出なかったことである。そんな男性と出会いたいと心から思った。
でも、入れ墨なしでお願いしたい…!


プロフ詐欺って本当にあるんだな…と思いながらも、ランチ2時間で済ませ、その人とはそれっきりお会いすることはなかった。

「意外とトークもいけるじゃん♪ 次も頑張ろう!」

マッチングアプリの洗礼はまだまだ続くことも知らず、ただでは転ばぬ女しがない は前向きに、メッセージのやりとりを複数人同時並行で行うのであった。

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