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SwordkillJane

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遠未来の地球を舞台に 敵、味方に別れた人工知能と熾烈な戦いを繰り広げる女戦士。 生殖機能を有する男を根絶やしに君臨する機械の女王に挑む。 地球と人類の役割の謎に迫るSFアクション。
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記事一覧

SwordkillJane story8

マシーネの遺伝子操作で巨大化した樹木に覆われた瓦礫の街が広がる。 どうやら人間も機械も自然には勝てなかったようだ。 宇宙の片隅の豊かな青い星は再び、その姿を取り戻していた。 複雑な計算も瞬時に解く高性能なコンピュータも 火をおこし文明を興した人間も 母なる星にはかなわなかった。

しばらく行くと、おあつらえ向きのショールームを見つけた。 ここもマシーネの細菌戦の余波で雪のように覆われてる。 誰にア

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SwordkillJane story7

「シヴォーン。はやく。」 キリー達が出るのを見計らって避難場所から這い出す。 

マシーネの執拗な索敵もかわす防護ドアを開け放つ。

 バークレイのメンバーで生き残ったのはゾーイ、ジェーン、 そして最後の希望シヴォーン。 エメリアは囚われのみとなってしまった。 

彼女の残した片方だけの靴を拾って予備の格納庫へと向かう。

ゾーイとともに数分で身支度を整え荷物を積み込む。 

一刻もはやくここを離

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SwordkillJane story6

キリーの銃弾を受け倒れるグレッツェン。 

。。。。。。。。。。。。。。。。。何故!? 

仲間を裏切る者を仲間に迎えるわけがないだろう愚かな女だ。 

とどめにこめかみに、もう一発。 

目を見開いたまま仰向けに息を引き取る。

ふいの襲撃に散り散りになるバークレイのメンバー。 

紫の防御シールドが破壊され壊れたホログラムのように瞬いている。

 「ジェーン、こっちよ!」 爆煙で肌を黒くしたゾ

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SwordkillJane story5

キリーはサイベリアからの命令を受け大型の戦車でバークレイに向かった。 連れて行くのはキャスレーとノヴァ、そしてサイクス。 

プロトタイプアンドロイド、サイクスには、試験中のエモーションエンジンが搭載され 今回のミッションで人間の感情を研究する。 

怒りや悲しみで能力に変化が現れるのは、これまでの戦闘で得たデータだ。 そのスキルはマシーンに無い。 人間にあって機械に無いもの。

 そこに、この永

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SwordkillJane story4

朝方、シェルターに帰ってきて、目覚めたら夕暮れ。

ぐっすり眠り込んでいたようだ。

餌を催促するミーシャを持ち上げると合成食の缶詰を開けた。

一心不乱に食べる猫を撫でながら窓の外を眺める。

もはや消息さえわからない宇宙へ飛び立った避難船にSOSを送っている電波塔が

美しい夕焼けに映えていた。

かりそめのノアの箱船。

今の地球を見たら彼らは何を想うか。

あの時、あの船に乗っていたら。

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SwordkillJane story3

サイベリアは、かねてから進めていた内部分裂作戦を遂行することにした。

いくつか場所をつかんでいる敵のアジトから薄情な人間を選出。

この女が調度いい。

監視ドローンが送って来たデータを分析しながらターゲットを定める。

強欲で残忍。

簡単に味方を裏切るだろう。

彼女の持つPDAにアクセスし取引条件を送信する。

仲間を売ってくれたら、あなたの望みの物を与えよう。

マシーネのばらまいた細菌

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SwordkillJane story2

「ゾーイ。行くよ。」

廃墟と化したパーキングエリアに残っていた車のステアリングを握り返すと、そっとアクセルを踏む。

身体全体に響くエンジン音を上げ滑るように車は走り出した。

ゴキゲンね。

仲間の3台を従えてマシーネの生産工場へ向かう。

「ここから3区画の距離。はやくコイツを試したい。」

助手席に置かれたメカニックのエメリアが渡してくれた“新作”をなでた。

日夜戦いに明け暮れる女戦士の

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SwordkillJane introduction

あたしが死んだら、ここに埋めてあのひとのそばに

発端は些細なことからだった。 軍事演習中の無人攻撃機がハッキングされ暴走、敵国へ攻撃を仕掛けた。 首脳陣が無能な言い訳を考える間に状況が悪化、情報伝達が遅れ戦争へ突入。 瞬時に戦いの火蓋は切られ世界は地獄絵図と化した。

人間と機械の戦いは地球の寿命を奪い、未曾有の危機を迎える。 破壊尽くされた自然に、ひとの住めない死の星へと変貌していった。 かろ

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